一章 人物紹介
序章の登場人物も含みます。
また、一章終了までのネタバレを含みます。ご注意ください。
エイク 年齢:三十七 人種:人族
鈍色の髪と紺色の瞳を持つ強面の男性。元々山賊を率いていた頭であったが、王子軍を強襲し敗北。そのまま王子軍に吸収された。
山賊団や師団を長年率いていた経験上、普段は冷静な行動をとろうと努めているが、元来の性格がノリで突っ走りやすい傾向にあるため、タガが外れると暴走することもしばしば。
眼光鋭い男で、右顔にある刺し傷の跡も相まってなかなかの強面だが、口を開けば割と普通なおっさん。涙腺がガバガバ。
スティア・フェルディール 年齢:不詳 人種:ハーフヴァンパイア
腰ほどまである流れるような銀髪と、ルビーのような赤い目を持つ美しい女性。その体型はスレンダーと言うよりは痩せぎすと言ったほうが良いほどで、無駄な肉付きが無いかなりの痩身。
人族にあまり良い思い出が無く、目を合わせて喋るのが苦手。
四属性の上級魔法を操る魔術師であると同時に、短剣を使った近接戦闘も高いレベルでこなす凄腕。
普段は淑やかで物腰が柔らかいが、敵と見なした相手には態度が急変することも。
ホシ 年齢:不詳 人種:不詳
緋色の髪を首元まで伸ばした少女。髪と同じく緋色のくりくりとした目と、屈託の無い笑顔には見る者を和ませる愛らしさがある。
人族の子供にしか見えないがその実オーガの子供らしく、額の生え際に小さなツノが二本、並んで生えている。
類稀な怪力を誇り、一端暴れると手がつけられない。良くも悪くもノリが非常に良い性格。
直感が鋭く頭も悪くないが、精神年齢がお子様のため基本的に自由気まま。
バド 年齢:不詳 人種:森人族 (ダークエルフ)
鳶色の瞳と短く切った白髪が特徴的なイケメン。しかし最も特徴的なのはその肉体美だろう。その二メートルを超える恵まれた体躯を活かした鉄壁の守りで今日も今日とて仲間を守る。鎧込みの身長は、正確には二メートル三十八センチ。
呪い(仮)によって常に真顔。しかも喋ることも文字を書くことも出来ないため、意思の疎通が殆どできない。本人は克服しようと努力しているが、悲しいかな今のところ実を結んでいない。
料理に対して並々ならぬ情熱を燃やす、優しさと筋肉の塊。
シャドウ 年齢:? 人種:?
エイクの影に潜む謎生物。意外と気配り上手。
摩訶不思議かつ多種多様な能力でエイクや仲間達を手厚くサポートする。
ガザ 年齢:不詳 人種:魔族
狼の頭を持つ男性。第二次聖魔大戦で敗走時に本隊と逸れ、それ以降人族から隠れ生活していたところをエイク達に拾われる。”狂爪”の二つ名を持つ優れた戦士。
アクアサーペントから致命傷を負い、さらに大地の穢れ(破傷風)にまで感染している。現在は瀕死の状態。
ロナ 年齢:不詳 人種:魔族
狸の頭を持つ小柄な女性。ガザと共にエイク達に拾われる。元々後方支援部隊所属の薬師であり、戦う力は無い。ガザの義理の妹。
敗走時に右足を負傷したが満足に治療できなかったため、自由に動かせなくなった。
オーリ 年齢:不詳 人種:魔族
狼の頭を持つ男性。ガザと共にエイク達に拾われる。
コルツ 年齢:不詳 人種:魔族
狼の頭を持つ女性。ガザと共にエイク達に拾われる。
デュポ 年齢:不詳 人種:魔族
狼の頭を持つ男性。ガザと共にエイク達に拾われる。現在禿治療中。
アゼルノ・ゼクツェン 年齢:三十 人種:龍人族(黄龍族)
その技の冴えから”紫電剣”の異名をとる龍人族の男性。長い黒髪を首元で縛っているが、ファッションではなくただ無頓着なだけ。
厳格な性格で、自分の人生において、己を鍛え上げることにかなりの比重を置く求道者。
腰に差す打刀から放つ剣技、”飛燕剣”を得意とする。
下着はフンドシ派。
ククウル 年齢:二十 人種:鳥人族
背に天使と見紛う白く大きな翼と黄色い嘴、鳥のような下半身を持つ鳥人族の女性。
空を自在に飛翔しての上空からの滑空攻撃を得意とするが、風の上級魔法を行使できる魔術師でもあり、”蒼天の雷槍”という二つ名も持つ。
相当な能天気かつ鳥頭で、トラブルメーカー気質。鳥人訛りで話す。
ジェナス・ルードリヒト 年齢:二十五 人種:人族
ルードリヒト男爵令嬢。第二師団を率いる師団長で、非常に清廉潔白な人物。一年以上王都を魔族の侵攻から食い止めた貢献から”堅牢地神”の二つ名でも呼ばれる女傑で、軍務についている際はいつも、胸まである明るい茶色の髪を後頭部で結い上げている。
普段は生真面目が服を着ているような人物だが、私生活では花を愛でる女性らしい一面も。
二十五歳、独身。仕事はまじめでそつなくこなすが今ひとつ会話が盛り上がらない女。彼氏募集中。
アウグスト・ガヴェロニア 年齢:二十九 人種:人族
第一師団団長。聖魔大戦時、その勇猛さと鳶色の髪色から”赤獅子”と呼ばれた猛将。その激しい槍捌きであげた魔族の首級は数知れず。
王国の重鎮らが揃う会議にてエイクを糾弾し、彼に出奔する決意を固めさせた張本人。しかしそれには他の人間の意図も絡んでいるようで……?
オディロン・メイノス 年齢:二十七 人種:人族
メイノス男爵の三男坊。神聖アインシュバルツ王宮騎士団の中でもエリートと言われる近衛騎士隊に所属する一人。少々癖っ毛のため、美しい金髪を持つが短く切っている。
騎士と言う職業に憧憬を抱いており、騎士である自分に誇りを持っている。そのため常々騎士の模範であろうと己を厳しく律しているが、それを嘲る者には手心を加えない苛烈さも持ち合わせる。
枕が合わないと眠りが浅くなる神経質な部分がある。
カーク 年齢:二十四 人種:人族
元ランクD冒険者の軍人。ジェナスの部下で第二師団第四中隊所属。ダークブラウンの髪と赤銅色の瞳を持つ好青年。
人好きのする笑顔で何処へでも潜り込み必要な情報を引き出すことに長ける、意外に強かな人物。危険を察知する嗅覚が鋭く、逃げ足は一級品。
ジェナスからの密命を帯び、エイクを助けるためオディロンに同行する。
エーベルハルト・ウィル・アインシュバルツ 年齢:二十四 人種:人族
神聖アインシュバルツ王国の王子。濃紺の髪と金色の瞳を持つ美男子。年の離れた妹が一人おり、兄妹仲は良い。
文武に長けた非常に優秀な人物だが、それ以上に優秀な父親の威光の前に霞み、幼少の頃から軽んじて見られることが多かったため、少々性格に鬱屈したところがある。
非常に焦ったとき奇行に走る悪癖がある。イーノとは幼馴染かつ親友で、お互いの絆は固い。
イーノ・モルト・バージェス 年齢:二十六 人種:人族
宰相デュミナス・モルト・バージェスの嫡男。王子エーベルハルトとは幼馴染の間柄。
舛花色の髪と碧眼の美丈夫だが、鉄仮面などと揶揄されることもあるほど表情に感情を映さない。しかし実際は意外と茶目っ気のある人物で、人をからかって反応を楽しむ一面がある。どちらかと言えばS。
幼少期から王子と共にいたことで彼の自己評価が低いこととその理由を知っており、彼の擁立に全てを賭けると己に誓いを立てている、胸の内は熱い人物。
ガドラス・ゲーアハルト・アインシュバルツ 年齢:四十八 人種:人族
神聖アインシュバルツ王国の現国王。英雄王の再来とまで呼ばれる文武に優れた人物。
五年前、魔族の強襲を受けたことで負傷。現在療養中。
デュミナス・モルト・バージェス 年齢:五十九 人種:人族 ?
長年王国の宰相を勤める、国王の信頼厚い男。爵位は候爵。現在は国王より全権を委任されている。
頭髪は苦労が偲ばれ白一色であるが、その振る舞いはかくしゃくとしており、年老いてなお健在であることを伺わせる。
聖皇教会と共謀し、王都からエイクを追放するために動いていた。白龍族追放の噂を流した張本人。
ルートヴィッテ・ジョン・ボルドウィン 年齢:五十八 人種:人族
聖皇教会の枢機卿を勤める人物。教皇である国王を除けば、教会内では最も権力を持つ男。
敬虔な信者であると同時に聖皇教会の元筆頭騎士でもあり、穏やかな服装と厳つい見た目にはかなりの隔たりがある。
主神フォーヴァンの威光を脅かす存在には無慈悲とも言える裁定を下すこともあり、一部の人間からは恐れられている。裏でエイク追放に動いていた。
ヴェヌス・ラト・イル・シェンティッド 年齢:四十八 人種:龍人族(白龍族)
肩にかかるほどの白縹色の髪と透き通るような白い肌、月を思わせる淡い黄色の龍眼を持つ、美しい白龍族の姫。ただし人族のような箱入りの姫ではなく、腰に佩く大太刀を豪快に振るい一族の進むべき道を先陣で切り開く、文字通りの武士達の総大将。
龍人族は人族より長命であり、人族換算ではまだ二十歳半ば程度の女性。
しかし剛の者が揃う白龍族を束ねるだけあって、普段は淑やかだがふとした時に放つ存在感は圧倒的。
白龍族を追放しようとしたエイクの動向に感づき、いち早く追っ手を放った。