三章 人物紹介
三章終了までのネタバレを含みます。ご注意ください。
サイラス 年齢:二十二 人種:人族
伝説の土の勇者と思われていた青年。その実力を期待されていたが、魔族との戦いに参戦しなかったことで顰蹙を買い、二年に渡りシュレンツィアの人間から白い目で見られてきた。
幼少期から父親に虐待されていた影響で、大人の男が大の苦手。また周囲の人間に恵まれず、自分に価値がないと無意識に思ってしまっていた。
エイクを慕っているが、それは自分に初めて父親のような優しさを向けてくれたから。そんなエイクが残した手紙は彼自身を見つめ直す切っ掛けとなった。
ウォード 年齢:二十三 人種:人族
サイラスの幼馴染で親友。弱腰の気性である彼は幼少期からサイラスに何かと助けられることが多く、それ故サイラスに対して強い憧れを抱いていた。
実は土の勇者に選定されたのは彼だったが、憧れるサイラスの方が勇者にふさわしいと思い込み、彼に神剣を譲っていた。しかしその行動のせいでサイラスが生死をさまようことになり、後悔に打ちのめされることとなった。
以降は土の勇者として訓練に励みながら、毎日サイラスの見舞いを続けている。
亡き父親が画家であり、その遺作に魅せられた影響で彼も絵画を嗜んでいる。
フィリーネ・エルザ・ハルツハイム 年齢:二十一 人種:人族
ハルツハイム伯爵家の長女。輝くプラチナブロンドと金色の瞳を持つ、美しい令嬢。
婚約者の浮気で婚約を解消したことを切っ掛けに、伯爵家の威光を取り戻すべく槍の道へ足を踏み入れた。
正義感が強く曲がったことを許せない性格だが、それ故に謀略渦巻く貴族社会では孤立しており、親しい友人は一人もいなかった。
エイクが元盗賊と聞き悩んでいたが、父に背中を押されたことで、真実を知るためリリと共に彼を追う旅へと出発した。
ノーコン魔法の使い手。自称”赫熱のフィリーネ”。
アルベール・リーヴェン・ハルツハイム 年齢:四十一 人種:人族
ハルツハイム伯爵家の当主。魔法に関して卓越した力量を持ち、火魔法なら上級魔法すら巧みに操る実力派の魔術師。
かつてスティアに助けられ、魔法を指導して貰ったことから、彼女を師として敬愛している。
民を愛し、ハルツハイムを愛し、そのために己の身を切ることを厭わない誇り高い人物。
思うところがあるものの、エイクに対して抱く謝意は本物。しかし師への嫉妬心を嫌悪感と勘違いされ、エイクにそれが伝わることは無かった。
ベルナルド・ヴェーゲナー 年齢:五十四 人種:人族
長きに渡りハルツハイム家に仕え続けてきた、ヴェーゲナー男爵家の当主。
二年前、ハルツハイム家のため動いたエイクらに対して辛辣な態度を取ってしまったことを、今もなお後悔している。
今回その非礼を詫びるため裏で精力的に動いていたが、その甲斐なく恩人が消えてしまい、人知れず落胆していた。
結果彼らの力になれればとアルベールに暇を申し出、リリ達の旅に同行することになった。
オーギュスティーヌ・オーグレーン 年齢:七十二 人種:人族
シュレンツィアで魔法陣に関係する仕事に携わっている老女。その前は王宮魔術師として王都にいたが、貴族優遇社会が肌に合わなかったこともあって、アルベールに引き抜かれる形でハルツハイムに移住した。準男爵。
粗暴で明け透けな物言いが多いが、教え子達への愛情は非常に深い姉御肌。だがそんな性格故、魔族との戦でかつての教え子が大勢死んでしまったことで、すっかり元気を無くし消沈してしまっていた。
守るべきものは自分で守れとのエイクの一喝で目を覚まし、以降は矍鑠とした元の姿を取り戻した。スーパーアグレッシブマジカルお婆ちゃん。
オットマー・レッケブッシュ 年齢:二十六 人種:人族
シュレンツィアに在住するハルツハイム騎士団所属の騎士。シュレンツィアに留まるフィリーネの護衛役を任され、一時的に彼女の護衛任務についていた。
現実主義者だが柔軟性もほどほどにある男で、エイクらの訓練にいち早く目を付け、参加する意義を護衛騎士らに説いた。
フィリーネの元護衛騎士の一人。
カリアン・カロッサ 年齢:二十六 人種:人族
シュレンツィアに在住するハルツハイム騎士団所属の騎士。シュレンツィアに留まるフィリーネの護衛役を任され、一時的に彼女の護衛任務についていた。
自尊心が高い故に、エイクと反りが合わなかった男。現在猛省中。
フィリーネの元護衛騎士の一人。
ルッツ・ハイド 年齢:二十二 人種:人族
シュレンツィアに在住するハルツハイム騎士団所属の騎士。シュレンツィアに留まるフィリーネの護衛役を任され、一時的に彼女の護衛任務についていた。
かつて騎士団で槍の名手と呼ばれたフォルケン・ハイドの実弟。
兄に才能がないと言われ槍を諦めていたが、エイクに発破をかけられ再度憧れる槍の道へ。後に豊かな才能を危険視され、兄に嘘をつかれていたことを知った。
現在、尊敬する兄を超えるため、兄から託された魔槍を手に訓練に励んでいる。
フィリーネの元護衛騎士の一人。
ダミアン・リンドバーグ 年齢:二十三 人種:人族
シュレンツィアに在住するハルツハイム騎士団所属の騎士。シュレンツィアに留まるフィリーネの護衛役を任され、一時的に彼女の護衛任務についていた。
一回しか名前が出てこなかった人。
ハンス・ヴィルケ 年齢:二十一 人種:人族
シュレンツィアに在住するハルツハイム騎士団所属の騎士。シュレンツィアに留まるフィリーネの護衛役を任され、一時的に彼女の護衛任務についていた。
一回も名前が出てこなかった人。
ケティ 年齢:二十五 人種:人族
ランクBパーティ、”雪鳴りの銀嶺”の一人。ランクC冒険者。
短剣を武器にする斥候役で、明るく楽しいもの好きな調子の良い性格。パーティのムードメーカー。
放置されればされるほど輝くらしい。さあもっと輝けケティ。夜空に輝く彗星の如くな……!
ヴェンデル 年齢:二十八 人種:人族
ランクBパーティ、”雪鳴りの銀嶺”の一人。ランクC冒険者。
パーティの先頭に立つ重戦士。厄介な癖がなく割と素直な性格をしているが、思い込むとそれを否と考えることができない頭の固い部分も持つ。
薄くなってきた額に並々ならぬ危機感を抱く男。
ジエナ 年齢:二十四 人種:人族
ランクBパーティ、”雪鳴りの銀嶺”の一人。ランクC冒険者。
巧みに魔法を使いこなす魔法使いで、おっとりとした性格。
二年前、思い人を失ったことで精神的に衰弱し、周囲同様にサイラスを憎むだけの気力が湧かなかったが、その結果パーティの不協和音に気付くことに。
彼女なりに何とかしようと二年の間試行錯誤していたが成果が出ず、疲れ果て諦めかけたところ、偶然出会ったエイクに思い人に似た雰囲気を感じ取り、彼に望みを託した。
アーレン 年齢:二十一 人種:人族
ランクBパーティ、”雪鳴りの銀嶺”の一人。ランクC冒険者。
ジエナの弟。サイラスに対して思うところはなかったが、町の敵意を集めている彼に姉が近づかないよう常々促していた。
少々シスコン気味だがそれには理由があり、冒険者という危険な道を選んだ姉を自分が守らなければという少年時代の思いからきている。
今は魔法陣という興味対象ができたため姉への依存は薄れ気味の、脱シスコン魔法使い。
カイゼル 年齢:二十七 人種:人族
ランクBパーティ、”雪鳴りの銀嶺”の一人。ランクC冒険者。
長剣を武器にする剣士。英雄に憧れるが英雄願望はないという面倒くさい男。
ライバル視していた親友が死亡し、目標を見失っていたが、エイクに触発され目が覚める。
斜めに構えたところがあり、人を煽るような発言をすることが多いため、友人が少ない。
アノールト・クレイマン 年齢:三十二 人種:人族
”月茜の傭兵団”を率いる団長で、精技”破砕撃”を得意とすることから、”砕鎚”の二つ名を持つ人物。
ランクB怪物とも正面切って戦える、確かな実力を持つ男。クレイマン男爵家次男。
王国軍第三師団、第二部隊の第二中隊隊長を務めていた男で、当時は”鉄砕傭兵団”の団長だった。
懇意にしていた”水月傭兵団”の想いを継ぎ、シュレンツィアに本部を置く”月茜の傭兵団”を立ち上げた。
真っ赤な髪が特徴の男。そのせいか一部の人間からトマト頭と呼ばれることもある。
ガリウス・ガリオン 年齢:六十五 人種:人族
元ランクB冒険者。かつてランクAパーティに所属し、オーク魔窟の第五階層まで下りたこともある凄腕の魔術師。現シュレンツィア冒険者ギルドのギルドマスター。
以前は神聖魔法のみを操る魔法使いだったが、三十年前の翼竜襲撃事件を機に、精霊魔法の必要性を認識し、習得。魔術師と呼べるほどにまで腕を磨いた実力派。
ランクA冒険者に遜色ない実力と、精霊魔法と神聖魔法を自在に操る実力から、冒険者の間では”大魔司教”とも呼ばれる。
何かと間の悪い人物で、二年前のシュレンツィア防衛戦、そして本編にも登場できなかった。




