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運命超克の忘却神皇 〜転生したのでゲーム知識を駆使して破滅する運命のヒロインたちを救います。〜   作者: 平康
第一章 忘却の転生者と光の巫女

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第二十四話 「未来への宣言」

クロとの話を終えた闘覇は微睡みから覚めるように現実へと戻ってきた。


それなりに長く話していたが現実では数秒と経っておらず、闘覇が意識を失っていたことはアリシアと輝夜の二人には気づかれていなかった。


その後、何度か試してみたものの、やはり、闘覇はディザイアを付与することはできず、闘覇に関してはディザイアは保留ということになった。


そして闘覇たちはこれから暮らすことになる、学園内にある輝夜の家へと歩きながら向かっていた。


「アリシアはこの後どうするんだ?やっぱり迷宮に行ってレベル上げか?」


「そうね、そうなるかしら。それよりも闘覇はどうするのよ。ディザイアを付与できないなら、これからはかなりキツくなると思うわよ。一年の時はいいかもしれないけど、徐々に差は開いていくわけだし」


「ああ、それについては一応当てがあるから問題ないよ」


「当てって何よ?」


「それは後で話すよ」


「本当ね?約束なんだから」


闘覇は分かったと返すとこれからの計画を練り始めていた。


(何から何までゲームと同じようにはいかないだろうけど、大筋は同じように辿るはず、となると主要メンバーのレベル上げはしておかないとな。じゃないと強さが足りなくなる)


未来のことについて考え込んでいると輝夜からもうすぐ家に着くという声を聞いた。考え込んでいると時間が経つが早いなと考えながら、闘覇は思考を打ち切って自動車の窓から外の景色を眺めることにした。


しばらくして、闘覇たちはこれから三年間住むことになる輝夜の家が見えてきていた。


「見えるかしら?あそこが私の住んでる家よ。これからはみんなが住む家になるのかしら」


それは家よりも屋敷と表現した方が適切であると感じるほどに大きく広いものであった。


全体的に白く、優に100人は住むことができそうなほどの広さを持っており、また門から屋敷の玄関にかけて、招かれたものの心を震わせるように色とりどりの花や木が植えられた庭が作られていた。


「………」


想像していたものの数倍は上をいくものが出てきたことにより、闘覇はただ無言で車から屋敷を見ていることしかできなかった。


「なぁ、アリシア」


「なに?どうかしたの、闘覇」


「この家、というか屋敷か。この屋敷ってアリシア的にはどのくらいのもんなんだ?」


「どのくらいと言われても、何個か別荘を持ってるけど、その中だと大きい方に入るような感じかしら。輝夜様の立場を考えると少し小さい気もするけど、このくらいは普通じゃないかしら?」


「そうか、わかった」


(そうだよな。アリシアは皇女様なんだよな)


「何かいま、私のことを馬鹿にするようなことを考えなかったかしら?」


「いや、考えてない、馬鹿にするつもりなんて毛頭ない。本当だ、信じてくれ」


闘覇が身振り手振りをしながらアリシアの誤解を解こうとしていた。そうこうしているうちに車が止まる。


「お、着いたみたいだな。それじゃあ、降りるか、アリシア」


「話を誤魔化された気がするけど、まぁいいわ、私も少し楽しみだし」


車から降りた闘覇たちは、たわいもない話をしながら玄関まで歩いていくと、そこに、闘覇たちを出迎えるためか、一人の女性が立っていた


「おかえりなさい。お母さん」


「あら、咲夜じゃない。どうしたの、こんなところで」


「お母さんが新しく住む人を連れてくるって電話で話してたから、少し早めに帰ってきたの。それで後ろの二人がそうなの?」


「ええそうよ、神崎闘覇君とアリシア・アルブ・オベニアス殿下。これからこの家で一緒に住むことになるわ」


「よろしくお願いします」


「どうぞ、よろしくお願いいたします」


闘覇とアリシアは輝夜の紹介に合わせて咲夜に挨拶をする。すると咲夜もそれに合わせて無言でお辞儀を返した。


「私の娘の神無月咲夜です。少し無口なところがありますが悪い子ではないのでよろしくお願いします」


輝夜の言葉に合わせて再びお辞儀をした。その後、輝夜に案内されて闘覇たちは屋敷の中に入っていった。






日が沈んで月が空の真ん中辺りにまできて、夜空を照らしているころ。闘覇は一人、部屋で考え事をしていた。


これまであったこと。落雷に打たれて死んでから五年間、異空間で過ごした時のこと。そして異世界に来てからこの屋敷に至るまでの目まぐるしい出来事のこと。


これからの事。これから襲来してくるであろう敵のこと。これから仲間になるであろう、様々な人たちのこと。起こるであろう様々な出来事の事。


そしてクロと話した事で極々僅かであるが思い出してきた、五年間のこと。


無数の事に考えを巡らせながら闘覇は未来を思い描いていた。


(強くならなければならない。強くなるようにみんなを導かなければならない。みんなが笑っている世界。みんなが幸せになる世界。それを実現するために、バッドエンドを覆すために)


思い描いた未来を実現させることを誓いながら闘覇は眠りについた。






そして——






月日は流れ、ディザイア迷宮学園の入学式の日、MDCにおける物語の始まりの日になった。


闘覇はアリシアたちとは分かれて学園に向かう事にした。その理由はとある人物たちに会うためであった。もうそろそろ入学式が始まる時間であり、ほとんどの生徒は教室で集まっている状態であった


(確か、MDCを参考にするならこの時間帯のはずだが)


そうして待つこと数分。闘覇が待っていた人物が桜が咲き誇る並木道を小走りで駆けていくのが見えた。


(きたな。よかったよかった)


そうして闘覇はその青年に並走しながら声をかける。


「もしかして、新入生?」


「え、あ、ああ、そうですね」


いきなり話しかけられたことに困惑したのか、その青年は少々ぎこちなくなりながらも返事をした。


「そうか、俺もなんだ。俺の名前は神崎闘覇。良かったかそっちの名前も教えてもらっていいか?」


「あ、はい。僕の名前は神代鏡也です」


神代鏡也、それはMDCにおける主人公の名前であり、同時に最強になるポテンシャルを秘めた存在でもあった。


「ところで、話は変わるんだが、このままで入学式に間に合うと思うか?」


「いや、どうだろう。多分遅刻してしまうかもしれないけど、それでも急がないと」


「そうだな、それじゃあ急ごうか」


そうして二人はペースをさらに上げて学園へと向かっていく。


(とりあえずはクリアってところかな。今日の時点で知り合うべき人物には知り合えたし、多分他のヒロインたちもこれから知り合えるだろうし)


これからの学園生活に期待と不安を思い馳せながら闘覇は走っていく。


「そうそう、せっかくだからここで一つ宣言しておきたいんだけどいいか」


「うん、いいと思うよ、何かな?」


鏡也の返答を聞いて闘覇は確固たる自信を胸に宣言した


「俺は最強になる。まずは学園最強に、そしてそれが叶ったら世界最強に、必ずなる。だから神代、お前も強くなろう。お前なら俺と同じくらい強くなれる筈だ。俺の勘がそう言ってる」


そして闘覇はさらに速度を上げて校門目掛けて駆けていった。




これにて一章は終了となります。


初めての執筆ということもあり、拙いところが多々あったと思いますが、それにも関わらずここまで読んでいただいた皆様には感謝しかございません。


二章開始は3月17日となります。


ここまでお読みいただきありがとうございました。




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