1話
短いですけどとりあえず更新
最後に認識できたのは自分の周囲が赤く染まっていく様子だった。
動こうとして体に力を込めるも、動く気配が無い。
視覚や聴覚も自らの役目を放棄したようで、何が起こったのか原因の把握すら不可能な状況に陥った。
どうやらここが自分にとっての終着点なのだろうなと、どこか他人事の様な考えが浮かんでくる。
何かを成すこともせず、またその努力すらしてこなかったのだ。
こんな所で原因もわからず死ぬ事は残念ではあるけども、なんとしてでも生き延びるとは思えない程度にはこの世に未練や執着心などはないのだろうな。
「ぁ……ぅ……」
口から出る言葉は吐息に変わり、ろくに喋ることも出来ないようだ。
何か言葉を残すことすら出来ないとは、まったくもって自分に相応しい最後だなと苦笑いしてしまう。
物語などではここから異世界に転生したりする事もあるのだろうけど、所詮はフィクションだ。
そんな事重々承知しているのだが、それを願う事くらい死の間際なんだ、許されるだろう?
既に瞼は閉じられ、微かに残っていた自我も溶けていくような感覚がしてきている。
あぁ、何かを悔いることが出来るほど物事に打ち込むこともせず、ただ無作為に、無意味に、無価値に生きてきた。
もし、もしもの話だけれども、次の機会が得られるのなら、こんな事を思う必要がないくらいに全力で足掻いて、最後には笑って死んでやる。
そんな決意を固めたところで、微かに残っていた自我は完全に溶けてなくなってしまう。
誤字脱字や間違った文法などありましたらぜひぜひ教えてください。
毎日できれば更新していくつもりです
作者のモチベーションのためにどんどん褒めてください。