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04 本気出したおじさんは周りにドン引きされる

B組男子に絡まれた俺は定番中の定番、校舎裏に連行された。

どうやら俺に絡んできたのはラグビー部所属の1年で大野くん。他3人の取り巻きもラグビー部らしい。

ラグビーてかなり暴力的なスポーツ(偏見)だからこういう輩多いよな~。

無秩序に絡んでくるのがラグビー部で、男気ある風に(あくまで風)絡んでくるのが柔道部てイメージだな。

どちらも覚えたての暴力を振りかざしたいのが見え見えなので似たような物だ。


「おいてめえ。随分、人のクラスでデカい顔してるじゃねーか。大した顔でもねぇーのに女とイチャイチャしやがってよ。」

大野くんは地面に唾を吐いた後、威圧するように俺に接近し睨みつけてきた。

周りの取り巻きはそれを面白そうにニヤついた顔で見物している。

ふむふむなるほど大野くん。君、きらりちゃんが気になってるんだね。

そして俺が仲良くしてるのが気に入らないと。ひょっとしてきらりちゃんをからかってたのも君じゃない?

思春期拗らせるのも勝手だけどそれは八つ当たりでしょ~。

まぁそんな事言っても余計怒らせるだけだし言わないけどね。


「別にデカい顔してたつもりはないし、仲良くなった子がいたから話に来てただけだよ?」

特に悪びれる事もなく冷静に返答した俺に大野くんは目を釣りあげて俺の胸ぐらを掴んだ。

「おい!てめえ!殺されてぇーのか!」

流石ラグビー部。胸ぐらを捕まれたままその勢いで俺は背中を壁に叩きつけられた。

俺、体重も45kgで軽いしまぁこうなるよね。

さてさてそんじゃ殺っちゃいますか。

俺はズボンのポケットからスマホを取り出し3桁の数字を入力し通話ボタンを押した。


「もしもし。あっ、はい。今暴行を受けてる所でして。えぇはい……名前は~……場所は……ええ、ええ。相手は4人ですね。はい。よろしくお願いします。」

通話終了。

「おい……おまえ何してる?」

「ん?今のは立派な傷害罪だからね。警察に通報したよ。君たち以外にもギャラリーいるみたいだし証人も十分かな。」

そう。大野くん達以外にも、興味を持った野次馬が影から何人も現場を覗いていたのだ。

こんな大イベントに中学生男子が興味持たない訳ないしねw


「ふっざけんなよ!てめえ!」

大野くんは更に胸ぐらを掴んだ手に力を込めた。

「あのね?分かってないなら教えて上げるけど、胸ぐら掴んだ時点で立派な犯罪だよ?しかも壁に叩きつけてるし今後の慰謝料に関しても親御さんと相談させていただく事になるね。更に何かするなら君は退学、後ろにいる子達も停学ぐらいにはなるかもね。」

そんな俺の言葉に大野くんは当然、後ろの取り巻き達も青ざめた。無関係な野次馬達も関わり会いたくないのかどんどん散っていく。

「てめえ!後で覚えとけよ!」

大野くん……俺リアルでその悪役セリフ聞いたの初めてです。あと忘れる訳ないじゃない?これから警察の取調べがあるんだから。

え?警察に通報したのはフェイクじゃないのか?って?いやいや世の中そんなに甘くない。

何度も言うけど日本は法治国家です。


そんなこんなでその日の放課後の職員室

「うちの子がごめんなさいね。」

ふくよかな体型のおばさんが申し訳ないというよりはどこか呆れた感じで息子(大野くん)の肩に手を置き俺に謝罪をして来ていた。

申し訳ないってよりは、こんな事で警察呼ぶなんてちょっと頭おかしいんじゃないの?この子。って感じだ(笑)


「謝罪をしていただくのはそちらの自由ですがそれを受け入れ今回の事を水に流すというご提案ならお断りします。そもそもわたしは息子さんに一切手を上げてないどころか会話をしたのも今日が初めてです。彼らはわたしが自分たちの教室にいる事が気に入らないと言い、校舎裏に強引に連行し、複数人で取り囲み暴行する素振りでした。事実、わたしは息子さんに胸ぐらを捕まれ壁に叩きつけられました。これについては警察の方が調査を行い、当事者および多数の第三者からも事実である事の十分な証言が取れていると伺っています。これは明らかに犯罪行為であり、適切な処分を行政および学校側に要求するつもりです。」


そんな俺の言葉に大野ママは明らかに動揺し顔を青ざめさせた。

だろうね。所詮は子供の喧嘩。被害者と言っても別段顔を腫らしてる訳でも骨折してる訳でもない。どちらが悪いかなんて水掛け論。ただ複数人で囲んでいたと言う事実と警官がいる事から一言親が謝罪すればそれで済む。そう甘く考えていたのだろう。

甘い甘い。ちょっと気に入らないからって無抵抗な人間を脅して従えようとするような子供の親なんてその程度だろうね。せいぜい「人様に迷惑掛けるんじゃないよ!」てゲンコツ落とすぐらいの教育しかしてしてないんでしょ?

それいつの昭和?(笑)


「えと……その!息子もこの通り反省しますし子供同士の事ですし今回は……」

とにかく謝罪だけで済まそうとする大野ママ。

「反省と仰いますが、先程から息子さんを見るにとてもそうとは思えませんね。ずっと仏頂面で睨みつけていますし、謝罪の言葉も1度もないじゃないですか?彼は事の重大さをまるで理解出来てないのだと思いますよ?」


「そんな事は!こら!あんた!ちゃんとごめんなさいしなさい!」

「そんな押し付けられたような謝罪をされても何の意味もありません。だけど……そうですね。大野くんちょっといいかな?」

「なんだよ?」

大野くんは今だ不愉快な顔を隠そうともせず睨みつけながら俺の言葉の先を促した。

「えっとね。ここまで来てもまだ理解出来てないようだから教えてあげるね?君のやった事は傷害罪といって立派な犯罪なんだよ。ちゃんと刑法によって定められたこの国の法律なんだよ。勿論、君は未成年で少年法に守られている。だからといって無罪ではない。俺がこのまま被害届を取り下げず立件されれば裁判の後、相応の処罰が下される。今回の内容だと民事まで縺れる可能性は高いけどそれでも弁護士費用やその手間暇、何より今後君は傷害を冒した少年として残りの人生を過ごすことになる。つまり君は中学生にして大きな足枷をおうことになる訳だね。」

「え……ちょっ……」

大野くんは青ざめた。そりゃあもう盛大に。

うんうん。脳筋系おバカさんだと思ってたけどこのぐらいは理解出来たみたいだね。おじさん感心感心。


俺の理路整然とした言葉に教師も大野ママも警察官さえ苦笑いを浮かべていた。

え?卑怯?せこい?格好悪いって?

うん。そうだね。物語の主人公なら返り討ちにしたり、言葉巧みに丸め込んだり、スポーツで勝負だ!とか青春しちゃったりするのかもね。

でも現実は甘くない。

仮に俺が喧嘩が強くて返り討ちにしたとして相手に怪我をさせたら?むしろこっちが犯罪者だよ?

言葉巧みに丸め込んだら?

無駄無駄。彼らのような人種は自分より弱そうな奴を見つけて力を見せつけ「俺は強い!」て実感を得たいだけ。何を言おうが土下座でもさせて俺はお前より上の存在なんだぞ!て満足感を得たいお年頃なんだよ。

じゃあスポーツで勝負だ!てか?

なにそのスポコン青春漫画(笑)

そんな提案受け入れる度量がある奴が難癖付けて気に入らない奴を複数人でボコろうとしないって。


それからは大野ママも大野くんもとにかく俺に平謝り。今後このような事を絶対にさせないだの、よく言い聞かせるだの有り体なセリフを山のように聞かされたけど俺の返事は「検討します。今後の息子さんを見て判断させていただきます。」

とだけ。大野くん涙目(てか泣いてた)

まぁぶっちゃけ被害届はそのうち取り下げるつもり。裁判とか面倒だしね。ただ、また絡んでこないようにしばらくは震えて待ってなさい(笑)

とっとと異世界転移させたいのですが学園編でやっておきたい事も多いんですよね(^_^;)

つまらないからとっとと転移させろ!ってご意見あればどうぞ。


お読みいただきありがとうございました。

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