プロローグ
初めまして。
沢山ある作品の中からこの作品を見つけて閲覧下さりありがとうございます!!
見切り発車ですが完結むけて頑張りますのでよろしくお願いします‼
…ピャァピャァ
ねぇねぇ女神さまっ…
リリアが起きたよ‼
リリア起きるよー
女神さまー来てーー
ピー…ピャァー…?
(ぅぁう?…なぁに?みんなだぁれ??)
ほらっ起きたよっ
リリアーおはよっ‼
リリアー
リリア‼
ピィッ‼ピャァピャァ‼
(なにっ‼ここどこ?)
「あらあら。貴方達そんなに騒いだらリリアがびっくりするわよ。リリア、待っていたわ。目覚めた気分は如何かしら?」
ピィ?
(めがみ…さま?)
「そうよリリア。…うんうん、身体はきちんと此方の世界に馴染んでるようね。とっても綺麗なドラゴンだわ。流石リリアね。癒しのドラゴンなんでリリアらしいわ。」
(からだ…ドラゴン……そうだ、わたし死んで…)
「思い出してきたみたいね。そうよリリア。此処は私達の世界<ラドリアルラ>よ。私達精霊は貴女を心から歓迎するわ」
リリアーよろしくねぇー
リリア‼遊ぼっ
かんげーするよ‼
ようこそ‼ボクたちの世界へ‼
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私は芦名々亜17才。
医者の父とバリバリのキャリアウーマンの母、そして年の離れた病弱の弟の流々斗の4人家族。
我が家はいつも流々斗を中心に回っていた。
身体が弱く、入退院を繰り返す流々斗。
流々斗の病気を治すために日々研究に没頭する父。
流々斗に付き添いながら莫大な治療費を稼ぐために働く母。
そして、中々家の事まで手が回らない母の代わりに家事全般をしながら学校に通う私。
と、ここまで来ると大抵周りに同情されるが、私はあんまり不幸だと思ったことはなかった。
何だかんだで両親も私の事を気に掛けてくれていたし、家事をしていたとはいえ友達もそれなりにいた。
弟もなついていたし、家事だって寧ろ好きな部類だ。
そんな私、芦名璃々亜は
「今日は流々斗が好きなみぞれ鍋にしようかなー」
なんて呟きながら歩いていた所を車に轢かれて呆気なく17年の人生を終えてしまったのである。
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ピィ、ピィァピャァ‼…ピィー?
(女神様?、私は何故此処にいるのですか?何故ピーピーいってるのかしら。しかも良く見てみたら羽があるみたい。真っ白でふわふわだわ‼…どういうことかしら?)
「ふふふ。それはね、リリアが彼方の世界で死んだ時に私が此方の世界に呼んだからよ。リリアがピーピー言って真っ白で羽があるのは貴女が今ドラゴンだから。とっても素敵よ。」
ピャァ!…ピーピー?
(ドラゴン‼でもドラゴンって硬い鱗を持っててコウモリみたいなツルツルの羽ではなくて?)
「そうね。普通のドラゴンはリリアの想像通りで合ってるわ。でもリリアは普通じゃないもの。<癒しのドラゴン>っていう種類で自分も周りも傷付かないようにふわふわなのよ。」
ピ…
(私も周りも傷付かないように…)
「そう。貴女の魂は死ぬときに愛を願った。とてもとても強い愛をね。だからそれに呼応してその姿になったの。<癒しのドラゴン>はその名の通り慈愛のドラゴンよ。死以外のあらゆる病を癒し、幸せを呼ぶドラゴン。愛を求めるのに愛を与える存在に転生するなんて優しいリリアらしいわ。」
愛を願う。確かに璃々亜は不幸ではなかったが心の何処かで愛情を願っていたのかも知れない。
今度は私だけを見て愛情を注いで貰いたい。
そんな願いが璃々亜をこの姿にしたのだと女神は言う。
ピィ…ピィピィ?
(女神様は何故私をこの世界に連れてきたのですか?)
「それはね、貴女はとても精霊に愛されてたからよ。リリアが事故に遭って亡くなった瞬間に精霊達が私のところに来てリリアを助けて!って沢山お願いされたの。でもね、死んでしまった貴女を生き返らせることはルール違反。女神であっても死者を蘇らせることはしてはならないの。だからあちらの世界からこの〈ラドリアルラ〉に貴女の魂を喚んだのよ。」
ピィピィピィ?
(精霊さん達が…?でも私今まで精霊の存在なんて知らなかった)
ボク達はいつもリリアの側にいたんだよー
これからは見えるねっ!!
沢山おはなしもできるねっ。うれしいなぁー
璃々亜が周りを見渡すとカラフルな精霊達が沢山寄ってきて話し掛けてくる。
おとぎ話に出てくる妖精のような姿の彼等に囲まれて璃々亜は漸くここは異世界で自分は死んだのだな……という実感が湧いてきた。
(お父さん、お母さん、親より先に死ぬ親不孝でごめんね。
流々斗は泣いてないかしら。私の分まで永く生きてね。)
心の中で家族に懺悔し、璃々亜は女神様達に向き合った。
ピィピ?ピピッ。
(精霊さん達ありがとう。女神様、私はこの世界で何をすれば良いのですか?〈癒しのドラゴン〉?なら誰かのケガや病気を癒すのですか?)
「変に気負う事はないわ。貴女はただ幸せにおなりなさい。でもそうね……貴女には素敵な出会いを準備しているの。ちょっとヤンチャな子達だけどきっと貴女にとってかけがえのない存在になるはずだわ。まだまだ知りたいこともあるでしょうけどそれはまた追々ね。その日が来るまでゆっくりと私達とこの世界のお勉強をしましょう。」
そう言うと女神様はニッコリ笑って私を抱っこしたのであった。
次回以降、大分ピーピー言わなくなってきます(多分)