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音楽と魔法と異世界と (仮)  作者: さんぼんせんろっく
第一章 未熟な初心者
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第9話 力の差

もっと、忍術忍術な感じでドッカンドッカンさせたいと思っていたのに、どうしてこうなった

「ヨワイニンゲン…スグシヌ。」「オワル。スグオワル。」「カンタン。タベモノ…ニンゲン。ゴチソウ。」


好き勝手言ってくれやがって…。しかし、多勢に無勢。どうすればいいか…

こういう集団はリーダー格のボスを倒せば大体良いんだろうが…ボスみたいなやつは見当たらない。


「コイツ…オレ…ヤル。」


そして、1匹が前に出てきた。焦げ茶色の毛が月明かりに照らされる。

1対1ならまだ勝機はありそうだが…。いつの間にか手にしていた鉈を右手で持って構える。


「ドウシタ。ニンゲン。カカッテコイ。」


格下に見られてやがる…。


ーふぅ


ため息を付き…風遁!と叫ぶ。青と緑の混じった魔力が身体全体を包み込み消える。

そして、相手を見据えて呼吸を整え…行くぞっ!

右足のつま先で地面を蹴り上げる。一瞬で猿との距離を縮めて鉈を振り下ろそうとした瞬間。

俺は吹き飛ばされていた…。何が起こったのか分からないうちに家の壁に打ち付けられ家の壁を破壊する。


ーカハッ…


いっ痛てぇ…頭がグワングワンとしてくる…左頬を殴られたみたいだった…。

瓦礫の中からよろめきながら起き上がる。アンナのプロテクト・バリアが無ければ絶対に死んでいたような感じだ…

口から頭から血を流しているのが分かる…


「ヨワイ。コンナモノカ。オマエ…シヌ。コレカラ。」


風遁でのスピードが弱かったのか…もっと…もっと早く…。そして、馬鹿正直に正面から突っ込まぬよう…

魔力強目の風遁を掛けて…鉈を構え…もう一度、つま先で地面を蹴り上げる。

今度は正面から突っ込むと見せかけて猿の後ろに着地したと同時に鉈を逆手に持ち替え斬りかかる。

がっ無残にも鉈は空を切り、足で身体を力強く踏まれる。


ーぐあああっ


そして、蹴飛ばされてまた家に打ち付けられる。

げほっげほっ

キュイ夫人が怯えながら俺を見ているのが分かる。少しでも助けが来るまで時間を稼がねぇと…

フラフラになりながらも起き上がる。突っ込みが無理なら…

土遁…と小さく呟き…


土蛇(つちへび)


地面に手を叩きつけた瞬間、土が盛り上がりながら蛇行し猿へと向かう。猿との間合い5m程で土から蛇が出てきて猿に巻きつき、大きな口を開けて猿を襲う。がっ猿が力を込めると土で出来た蛇はいとも簡単に崩れてしまった。

残念。それは囮だ!

土蛇を放った直後に風遁を掛け空高くジャンプしていたのだった。頭上から猿の頭を狙う。

次の瞬間、猿は顔をグルンとこちらを向いてきた。


「オマエ…ソノテイド。アキタ。モウコロス。」


猿の頭を狙っていた右手を掴まれ一回転したのちに地面に叩きつけられる。


ーガハッ


そして、もう一回転したかと思うと投げられて再度、家に叩きつけられる。

やべぇ…段々と力も意識も遠のいて行くような感じがする…地面、冷てぇ…身体も冷たくなっていくような感じだ…


ドシンドシンと音を立てながら俺のところまで来る猿。

そして、髪を掴み俺を持ち上げる。


「ラクニ…コロシテヤル。」


「てめぇ…俺の…髪はなぁ…自慢のツイストドレッドなんだよ…いくら…かかってると思ってんだよ…」


悪態をつき、猿の顔に唾を吐き掛ける。イラっとしたのか掴んだまま地面に叩きつけられて連打で殴られる。

もう…無理だ…力が出ねぇ…


猿は俺を殴るのに飽きたのかキュイ夫妻に目をやる。

おい…やめろ…


猿はそのままキュイ夫妻に近づき、ご主人の首を掴み持ち上げる。

おい…!やめろ…!


夫人が泣き叫ぶ。

意識が遠のく中、ご主人の逃げろおおおおお!と叫ぶ声と奥さんのいやあああああああ!やめてええええええ!

と泣き叫ぶ声が聞こえる。


おい…やめろつってんだろ…

必死に目を開け見る。首を掴みあげられているご主人が最初はジタバタしていたのが力つきグッタリしていくのが分かる。

猿の足元には泣き叫ぶ奥さんがしがみ付いていた。


おい…お前の相手は俺だろ…

やめろよ…やめろよ……やめろ…やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ…


やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお



心に一滴の水が落ちるような感覚がした。



猿が驚いたようにこっちを向く。


「ヨワイニンゲン。マダタツ。」


ご主人の首を離し、こちらに歩いて来る。ご主人が咳き込み、ご主人に抱きつく奥さん。

良かった…ご主人まだ生きてた…

身体から湯気が出るような感じが分かる。


「お前の相手は…俺だろ?俺はまだ死んでねーぞ…」


フラフラになりながら立ち上がる。


「ダイジョウブ。モウオマエ…シヌ。ラク…シテヤル。」


そう言うと右手を振りかざし俺めがけて殴って来る。

が、左足を前にし右足を後ろにする体勢にして。猿の右手を左手でいなす。と同時に右手の手の平を猿の腹に付けて一呼吸。


猿は、右手をいなされた事に驚きながらも、こんな弱い力で何をしているんだと?といった顔をする。


ー風遁…気爆(きばく)


そう言うと猿の上半身がグチャリと音を立てて吹っ飛ぶ。


「ナカマ…シンダ。」「コロサレタ。」「ヨワイニンゲン…コロシタ。」「ウラミ…アイツ…コロス。ゼッタイ。」


残っている猿達に動揺が広がり咆哮が広がる。

ふらつきながら、残っている猿へと歩みを進める。


足踏みし地慣らしをする猿共に向かって言う。



「どうしたよ。猿共。かかってこいよ。」

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