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by the Mainstreet

作者: 天ぷら3号

詩の体を成してないかも知れません。ご容赦、ご勘弁願います。

照りつける日差しの(もと)、幾年振りかに街並みを歩く。


そびえ立つビルの群れ、行き着けのカフェはもう跡形も無い。

「変わっちまったなあ」

思わず呟きが漏れる変貌振りだ。


窓ガラスの照り返しに顔をしかめた時、やわらかな視線を感じる。

徐に手をかざし、指の隙間に友の顔を覚えた。

かつての盟友(あくゆう)は幼女を傍らに従え、微笑みを浮かべ手を挙げて見せる。


直ぐに彼の(もと)へ駆け寄り、二言・三言の言葉を交わした。

他愛のない会話だが、恨めしそうな幼子(おさなご)の瞳が続けることを拒絶する。


「じゃあ、またな…」「ああ、今度ゆっくりと…」

数年振りの再会は名残惜しさを感じさせながらあっけなく終わった。

笑顔を残し横断歩道(クロスロード)を渡って行く親子。

見送りながら、あの頃の思いが蘇って来る。                                      

生き急ごうぜ!人生を倍速で駆け抜けよう!眠ってなんかいられやしない。

あらゆることを経験したいのさ。金も手間も、これっぽっちも惜しくないんだ!


何事も受け入れて、何時も突き詰めて、自身を追い込んだ果て。

いったい何が残せたのだろう?何も残らなかったのかも知れない。

全てを刹那に懸けて、そこから生み出されるものに気付かなかった頃…。                              

                                        

友の笑顔の目尻のしわは年月だけのせいじゃない。

苦労と少しばかりの幸福で刻み込まれたものなんだろう。

変わったのは街並みだけじゃないんだ。人も風景も変わって行くのは当たり前のこと。                   

                                        

それでも僕は『青春』という名の墓碑名を刻んで消え去った友の顔を忘れやしない。

                                        

それさえも受け入れた今、あの頃よりやさしくなってる。

時代がそうさせたのかも知れない。

でもそれは、決して弱さではない。


未だ明けやらぬ闇の中、辿り着かないものを求めて彷徨う。

愛しい(ひと)の声はホンの少し周りを明るく感じさせ、僕を勇気付けてくれるんだ。


このやさしさを持ち続けていたい。

伝えて行きたい。いつまでも…。 

                                        

希望の欠片を見つけた真夏の昼下がり。

再会に乾杯。笑顔に感謝。


Many thanks.掛け替え無き友へ。

ありがとう、僕の街…。


お読み下さりありがとうございました。

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