黒いソレ
ちょっと読んでいってよ、そこの人!私の処女作品だよ!処女作膜破りついでにSSDT卒業しちゃいなよ!三擦り半で読み終わるよ?
ちょっとホラー(?)だけどそんなに、いや全然怖くないから読んでみて。
で、良ければ感想くださいな。
「…………ぎっ…!……ぁ!………っ!」
ここはとある町の裏路地、一心不乱に走り続ける人影、そいつは必死の形相で走っていた。
「おにぃさ~ん~♪おにぃさ~ん~♪どこいくの~♪フ~ンフフン~♪」
走る人影にソレは鼻唄混じりに後を追う、その鼻唄を聞いた人影は更に走る速さを上げようとしたが、今まで何十分も全速力で走り続けていた人影は足を絡めてしまい転んでしまった。
「はぁ、はぁっ…、な、…ナンなんだよ!?ぁっ、てめぇ…はぁ!…っ!」
人影は自分の後からの鼻唄に対して息も切れ切れに叫んだ。
「ん~♪おにぃさぁ~ん転んじゃった!だぁ~いじょ~ぶぅ~♪あっ~ひゃひゃひゃあ~ぁ~♪」
ソレは人影の質問には答えない、唄い笑いながら人影へと近づいてくる。
月明かりが路地裏に差し込み、転んだ人影が男だと解るのに対し、ソレは黒かった、月明かりに照されながらも闇の如く黒かった。
黒いソレは男の周りをくるりくるりと踊りだす、唄い笑いながら踊りだす、ソレが近くに寄りだすのを見ながら男は恐怖を感じて逃げ出そうとするが、うまく腕が、足が動かない、恐怖のあまりに体が言うことを利かない。
「ひゃふふ♪おにぃ~さ~ん♪どぉ~うしたのぉ~?ケェ~ガでもしぃ~たのかなぁ~♪
」
「ひぃっ!?やめろっ!こっちに…来るんじゃねぇ!」
「ヒィ~ドイなぁ~♪ヒドォ~イよぉ~♪おにぃさぁ~ん♪」
黒いソレは恨めしそうに唄いいつの間にか男の背中からウデを回し、優しく抱きしめながら男に囁く。
「でもアンタの方がよっぽどヒドイけどね、ね?連続殺人鬼のおにぃさん♪」
「…っ?!…っ!な、何の事だ?お、俺は、俺は誰も殺しちゃいねぇ!デタラメ言うんじゃねぇっ!!」
男は背中の黒いソレを振り払おうとしたが、今度は顔に優しく指を添えられ、囁かれた。
「だぁめだぁめウソはぁだぁめ、ちゃぁ~んと観てたんだらぁ~♪最初の~♪獲物は~♪町娘のロゼッタちゃん♪お使い頼まぁれたロゼッタちゃん♪とってもよいこなのに~♪殺人鬼に殺されたぁ~♪可哀想ぉ~なロゼッタちゃん見ぃ~つかぁ~らないよぉ~うに丘の上から落とさぁ~れたっ♪」
「?!」
「二人目ぇ~はぁ~♪町のパン屋のご主人エェ~ドゥ♪ワァ~ドゥ♪町のみん~なのたぁ~めに毎日~毎日~美味しいパンをやぁ~いていたぁ~♪けど♪おにぃさんは殺しぃ~ちゃったの♪」
「三人四人目ぇ~はぁ~♪領主のぉ~♪奥さぁ~んと愛人のボルド卿♪領主をぉ裏切った~二人をまとめて殺した~♪」
「なっ?…それ?」
「たぁ~くさん♪たぁ~あぁ~くさん♪殺した殺人鬼のおにぃさん♪自分じゃバレてなぁっあーいと思ってた♪♪でもでぇ~も見てたよ♪ボクたち♪ワタシたち♪せんぶ♪ぜんぶ♪ぜぇ~~んぶ♪」
『アレを見ていただとっ?しかも全部だとっ!バカなあり得ない!』
「殺人鬼~のおにぃさん♪みぃ~んなから怨まれたよ♪そうだね♪そうだよね♪だってみんなが言っている♪アイツにコロサレタト言っている♪」
黒いソレは男の視線の先に指をのばす、それにつられて男は路地の先を見る、そこには…………。
男が今まで手にかけてきた被害者たちがたっていた、誰も彼もが殺された時のままの姿でこちらを見ている、皆男に対して怨みの籠った、怒りの籠った顔を向けていた。
「さぁさぁ、殺人鬼のおにぃさん♪解るかな♪彼らはおにぃさんがとっても!とぉ~~………おぉ~……っても許せないんだって、でもでも死んだ人たちは恨めはすれど~♪何にぃ~♪も出来ない~♪それって可哀想だぁ~よね♪」
「だ・か・らぁ♪ボクたちワタシたちがおにぃさんを~♪」
「〇〇〇〇〇しちゃいまぁ~すっ!ドンドンドン♪パフパフ~♪」
「えっ?なに?!」
男は恐怖で麻痺していてその言葉を聞き逃してしまった、しかし、黒いソレには知ったことではない。
男の周りには、男に殺された死者たちがいつの間にか男を囲み、男を見下ろしていた。
「さぁさ、始めよう皆の衆♪悪に染まってしまったこの身体♪、この命、この魂、この穢れ…浄めたもうにはもう遅い、さぁさ皆の衆、この悪に生を奪われた皆の衆、この悪の身体を、この命を、この魂を、この穢れをこの闇に放り込め!後の事はお任せを♪二度とは戻れぬ黄泉時へ送り、永久の痛みを約束しよう♪皆の衆が健やかな御霊に成れるまで、穢れた魂は逃げられない♪」
黒いソレが唄いだすと男の廻りに居た死者たちが男を持ち上げ黒闇へと男を放り出した、黒い闇が溢れだし男をゆっくりと呑み込みだし、男は恐怖で叫びだす!
「や、やめろ!やめてくれ!俺はまだ死にたくないぞ!?イヤだ!やめろ!…あぁ…、なんだ?!黒いのが俺を飲み込んでいく?痛い?呑み込まれた先から痛みがあぎゃ!いだい痛い痛い痛い痛いいぎゃあぁいぃいぎぎぎ~ぃあきゃぎゃあああああぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~!死にだくぐぃねぇぎゅべっ」
その叫びは男が闇に呑み込まれるまでの間ずっと続いていた、朝が訪れるほんの少し前まで。
「さぁ、みんな、あの殺人鬼はこれからも自分の犯した罪の責めを受けることになります、これでみんなが現世へ留まる事は無くなりました、どうか安心して光の御霊の眠る場所へ逝ってください、このまま留まっても良いことありませんからね。」
死者たちは黒いソレに言われ一人また一人と天に昇って逝った、
最後の一人がこちらへと来た、最初の被害者のロゼッタちゃんだ。
「天使さまありがとうございました、パパやママに心配や悲しみを懸けてしまいましたが、これでやっと眠りに着くことができます、一つお願いがあるのですが…。」
「大丈夫だよ、君の願いは必ず届けるから安心して、さぁ、早く御霊の休まる場所へ…ね?」
「はい、本当に、本当にありがとうございます!黒の天使さま!」
こうして最後のロゼッタちゃんも天へと還って逝った。
「ロゼッタちゃん…ボクはワタシは天使さまじゃないよ…、ボクはワタシは悪に染まってしまった魂を喰らい滅するソウルイーターって悪魔だよ♪」
「さぁ、ボクたちワタシたちも還ろっか!ロゼッタちゃんたち家族に夢をで伝えてから、さっきの魂を料理して美味しく食べなきゃね❤」
そう呟いた後、黒いソレは路地裏からその姿を消したのだった。
どうでしたか?怖かった?怖くなかった?面白かった?つまんなかった?
ホントは…別の話が処女作品になる予定でしたが…話が富士の樹海並みになってしまい諦めたのよ。
これを読んでくれた貴方!ありがとうございます(о´∀`о)