憲法記念日
ゴールデンウィークの中ほどに位置している憲法記念日。
その日、高校2年の井野嶽幌は、双子の姉の桜とともに、友人の山口鈴の家に遊びに来ていた。
鈴の家には、すでに鈴の彼氏である永嶋山門がいた。
「今日来るのは、これで全員かな」
「ええ、そうね」
幌が鈴に確認をすると、そう返される。
特にこれといってすることはない。
ゴールデンウィーク中の宿題は、ここにいる全員が済ませていた。
「ちょうど祝日で、よかったね」
山門が、3人に言った。
「今日は、憲法記念日だったな」
思い出すように、幌が言った。
「どうして憲法記念日が今日になったんだっけ」
桜が幌に聞く。
「1947年の今日、日本国憲法が施行されたんだ。それを記念して設けられた祝日さ。今は、ゴールデンウイークの一日になってるけどな」
「そんなことよりも、しません?」
ゲームのコントローラーを片手に、鈴が桜たちに微笑みかけた。
「そうだな」
山門が鈴にそう答えて、 みんなはゲームの方に興味が移った。