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姉弟演技  作者: 瀬名孝太
9/13

ふぁんファンfan

次のお友達はファンの子です。

「ほらー、遊びに行こうよ~、りょーうー。」

「いやだ、お前の友達まともじゃない。」

 ガクガクブルブル

「奈津実は特別なんだよ~。他の子は大丈夫だよ~。」

 特別って言うより特殊、特異だろ。

「とりあえず、今から遊びに行く子の話聞いてよ。それから行くか考えてよ。」

「はぁ~、聞くだけだからな…。」

 1時間近く説得されて続け疲れてきたよ。

「う~んっと、これから遊びに行こうかと思っている子は私の同級生です。白百合恭子って名前。知り合ったのは部活終わった後、女の子にいっぱい囲まれてる時に助けてもらった子だね。」

「なんで女の子に囲まれるんだよ。何かしたのか。」

「いや、ファンの子達だよ。」

 ファンいるのかよ!いや、身長高くてスポーツ出来てかっこいいけども。

「ファンの子達に揉みくちゃにされてる時、手を引いて助けてくれたんだ。」

「へぇ、いい子だな。」

 だが、その子もファンの子達の中にいたのだろう。ってことは、きっとそいつもファンなんだろう。

「そのあと、お話したりしていい子だな~って思って連絡先交換したの。」

「へぇ~。」

「気遣いも出来るし、いい子だし、いい子だし、いい子だし!」

「いい子しかいってないぞ。」

「とりあえず、とってもいい子なの。だから、安心していいよ。」

「う~ん。メールの返信の文を聞かせてくれるか?」

「え?なんで?」

「メールに素が出るんだよ。」

 奈津実の時の不安感は的中していたしな。

「わかった。じゃあ、読むよ。」

 携帯を開いてメールを読む。携帯は使える。まぁ、これまでに何台も壊したんだがな。

「『いいですよー♪大歓迎です~。弟さんもくるんですか、わかりました。準備して待っておきますね。楽しみに待っておきます。』、以上。」

 どうだろう、普通だ。華琳にも普通の友達がいたのか…。しかし、ファンの子だよな。…なんか、怖いな。

「なんか、怖い。」

「えー。おかしい所どこにもなかったじゃん。」

「んー。なんというか、普通なんだよ。」

「普通じゃないよ。いい子だよ!」

 この言い知れぬ不安を伝える手段がどこかにないのか!

「だから、行こうよ~。恭子は大丈夫だよ~。行こうよ~。」

「う~ん。わかったよ。行くよ。」

「やったー!」

 そこまで俺を連れて行きたいのか…。


「ここだよー。」

 高級住宅街に並ぶ家を指す。

「結構いいとこのお嬢さんなんだな。」

「う~ん。そんな感じはしないけど、口調はそうかもしれないね。」

「そっか、しかし…俺はなぜまたこの恰好。」

 そう、短パン小僧セットだ。

「ごまかしやすいから?」

「…そっか。」

 意地でも小学生に見せたいのか…。

「じゃあ、呼ぶよ。おーい。恭子ー。」

 やっぱり、インターホンは使わないのか。

シーン。

「おーい。恭子ー。遊びにきたよー!」

 シーーーーン。

「あれ?いないのかな?」

「いや、インターホン使えよ。」

 奈津実みたいに玄関で待ってないでしょ。

「ああ、その手があったか。」

 思いつかなかったのか。

「ピーンポーン…ダッシュ!」

 ピーンポーン。

変な掛け声をつけて華琳がインターホンを押す。

「はい。白百合ですの。ご用件は何でしょうか?」

 女の子がインターホンに出る。

「あ、恭子。遊びに来たよ~。」

「あ、お姉様でしたの!今開けますわ。」

 しばらくして、

「お姉様ー!」

 女の子(恭子)が出てくる。

「お姉様よく来てくれましたの。」

 手を広げて華琳を迎える。

「うん。来たよ~。」

 それに応えるように華琳がハグをする。

なぜ、ハグをする。

「そちらの方はどなたですか。」

 すっごい睨まれてる。

「弟連れて来たんだ。紹介するよ。弟の涼だよ。」

「そうなんですの。」

「こ、こんにちは…。」

 なんか、すごい見られてる。

「小学生で…しょうか?」

「うん。6年生だよ。」

「そうなんですの…。」

 なんか、ものすごい見られてるんですが。

「ここで話すのもなんですから家へ入ってください。」

「ふぅ…。」

 なんか、すごい見られてたよ。ところで…。

「なんで、ハグしてたの?」

 普通、ハグはしない。

「ん。あれが普通らしいよ。挨拶する時ハグするんだって。外国式だよね~。」

「ふ~ん。」

 帰国子女だったりするのか?長く外国に住んであそこの習慣になれてるって感じなのかな?

それとも、華琳にだけなのか…。

「ほら、そんなとこで突っ立てないで行こ。」

「あ、うん。」

 お城みたいな家に入っていく。


余談「奈津実の家から帰って来て」


「りょーうー!」

 がしっ!

「なんだよ…。」

「りょーうー!!」

 ぎゅっ!

「なんなんだよ…。」

「りょーうー!!!」

 ぎちぎちっ!

「あが、が、し、締まってる…!」

「あ、ごめん。」

 拘束を解いてあげる。

「どうしたんだよ。こっちはもういろいろくたくたなんだよ…。」

「いやぁ、奈津実に襲われてる時に助けたでしょ。」

「ああ。」

「その時、涼が泣いて『お姉ちゃんお姉ちゃん』って抱きついてきて。」

「ああ。」

「あの時は奈津実の前だったから平静を装ってたけど、すっごい涼が可愛くて。」

「ああ。」

「その時の感情?っていうの、それが蘇って思わず。」

「ああ。」

「涼大丈夫?なんか魂抜けてる感じだけど。」

「ああ。」

「涼は華琳の弟である。」

「ああ。」

「涼は小学生だ。」

「ああ。」

「むぅ。もういいや、私部屋に帰る。」

 無反応なんて面白くない。


バタン。

「うわー。俺何やってるんだよー。妹に抱きついて『お姉ちゃんお姉ちゃん』って…。」

 うわー。うわー。うわー。うわー。うわー…。

「うわー。」

 そりゃ、怖かったさ。何かにすがりたくもなるさ。でも、妹に『お姉ちゃん』はねぇよ。

「はぁ…。」

 …忘れよう。


この頃、この小説の方向性がよくわからなくなってきた。

いや、きっとこれは涼君を楽しく華琳ちゃんが可愛がる小説だ。

そんな感じで行こう。

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