余談「弟養成プログラム」
いつもの余談です。なんですが、文字数が多くなったがので後書きを飛び出しました。お楽しみください。
「はい。これ見て。」
一枚の紙を手渡される。
「なんだよ。これ。」
「まあまあ、読んでみなよ。」
納得はいかないがとりあえず読んでみる。
弟養成プログラム☆彡
君もこれで理想の弟になれる!
①女性にあったらとりあえず「お姉ちゃん」と呼ぶ。(お姉ちゃんと言えない、恥ずかしがり屋さんはお姉さんと呼ぶのも可。)
②身長が低いならGOOD!上目遣いで可愛く喋ろう!(相手が自分より身長が低くても頑張って上目遣い!)
③人前で決して本性を晒さない。(少年よ!常に猫を被るのだ!byくらーく)
④頭の中で一人のか弱い少年を思い浮かべその少年と自分を重ねよ!(高等テクニックだ!頑張って使いこなせ!)
⑤明らかに年下の人がいても自分の少年を演じ切れ!(プライド?そんなもの捨てちまえ!)
⑥お姉ちゃん達の言うことは素直に聞く。(断りたい時ははっきりと言わず、言いよどむなどの遠回りな表現をする。)
⑦出来る事があっても周りのお姉ちゃん達に助けを求めてみる。(自分では何もできないというか弱さをアピールするのだ!ベターな失敗も可。)
以上。弟養成プログラム七ヶ条。これらを守ればきっと君も素敵な弟になれる!
「どう?どう?私が考えたんだよ?すごいでしょ!」
うん。なんか、俺の妹ってこんなやつだったけ?
「うん…まぁ…よく考えたな…。」
「そうでしょ、そうでしょ。」
腰に手をあて胸を張る華琳。いや、誇れることなのかこれ。
「で、まだ時間あるし、さっそくだけど練習開始!」
「なっ!ちょっと待てよ!へぶっ!」
いきなり殴られた。
「私が弟じゃないと思ったら殴るから気を付けてね。」
最初に言えよ!
「…。」
「…。」
「…。」
「…。」
「…。」
「何か喋ってよ!」
理不尽だ!
「何かって何だよ。いてっ!」
でこピンを食らう。
「言葉遣いが乱暴。」
「じゃあ、何かって何ですか?うっ。」
頭に軽くチョップを食らう。
「丁寧過ぎる。もっと、なんて言うか…未熟者!って感じで。」
「何かって何?」
「うん。そんな感じ。あとは…上目遣いでやってみて。」
「何かって何?」
首を傾げて言われた通り上目遣いで聞いてみる。
「はぅ!」
胸を押さえて悶える華琳。馬鹿か。
「はぁ、はぁ。じゃあ、さっきの感じで「お姉ちゃん」って呼んでみようか。」
危ないおじさんみたいな感じになってきている。でも、逆らえないので素直に従う。
「お、おねえ…ちゃん?」
「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!」
華琳が吹き飛ぶ。馬鹿だ。いや…待てよ…。
「お姉ちゃん…大丈夫?」
首を傾げて心配そうに聞いてみる。
「どわああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
華琳がまた吹き飛ぶ。やっぱり馬鹿だ。だが…これは使える!
「はぁ、はぁ…もういいよ。もう、弟やらなくてもいいよ。」
息が荒い華琳が言う。これまで幾度となく戦闘を繰り返してきたがここまで息が荒くなることはなかった。
「華琳。お前は大変なものを呼び覚まさせてしまったな。」
「何を言っているの。大変なものって…まさか!」
「ふっ!とどめだ華琳!悶え死ぬがいい!」
俺は渾身の笑顔と上目使い、口調で華琳に突っ込む。
「お姉ちゃーん!」
ぼふっ。華琳に抱きつく。
「……………………………………。」
ん?
反応がない。
普通なら
「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!」
とか
「どわああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
とか言うはず。
だが、反応がない。
体が震えているのはわかるがそれ以外の反応がない。
「あ…あは…は…」
やっと、反応があったが…嫌な予感がとてもするのでそっと離れて距離をとる。
「おい、華琳大丈夫か?」
「はは…ははは…」
なんか放心状態みたいなことになっている。
「なあ、大丈夫かよ華―――」
「ハ、ハ、ハハ、ハハハ、アハハハハハハハハァァァ!!!!!!!」
…華琳は壊れてしまった。
「ヒ、ヒヒ、ヒャヒャッヒャハハハハハハ……………涼。」
「な、何だ?」
突然壊れている状態の華琳から声がかけられる。
「私、もうダメみたい…。ごめんね…。」
「何だよ急に、もう死ぬみたいな声出しやがって。」
「………逃げて。」
「えっ。」
「ハ…ハハハ……アハハハ…アハハハハハハーーーー!!!!!!!」
華琳が奇声を上げながら俺に襲い掛かってくる。
「おまっ!やめろ!マジできつい!」
俺は一瞬で押し倒されて身動きが取れなくなる。
「リョウ…リ…ヨウ…リョウリョウリョウ…。」
あー。目がプリン状態だ。あーあ。マジかよ。これはプリン状態に捕縛されたと言うことと同じか。でも、今回は俺が目的だ。ってことは…俺、食べられるの?いやいや、待てよやばいだろ!
「待て!落ち着け!いや!本当に落ち着いてください!いや!いやー!!」
ガブッ。
「…えっ。…いってえぇえええ!!!!!!」
噛みやがった!俺はてっきり(性的な意味で)が付く方の食べられるだと思ったらマジで食べにきやがった。
ガブッ。
ガブッ。
ガブッ。
ガブッ。
ガブッ。
ガブッ。
「ぎゃあああ!!!!!いっつ!い!いたい!いたい!痛いって言ってるだろ!いっつ!」
肩から首にかけてをありったけ噛まれる。
カプッ。
カプッ。
カプッ。
ん?噛む力が急激に弱まってきたぞ。
カプッ。
カプッ。
カプッ。
「へ、へへへっ…。あーん。」
カプッ。
「なあ、おい。」
ギクッ!
「お前、今普通の状態だろ。」
完全に目を逸らす華琳。
「まず、噛むのをやめろ。そして、離れろ。」
噛んでいる口を外し、そして離れる。
「あー。いってえ。」
文句を言いながら立ち上がる。
「ごめんなさい…怒ってる?」
床に座ったまま、本当に申し訳なさそうな顔で謝る。そんな顔されちゃ怒る気もなくなる。
「少しはな、でも俺も悪かった。だからお相子だろ。」
色々傷を負ったことを考えるとお相子ではないがそういうことにしておく。
「ありがとう…お兄ちゃん。」
うっ。なんだかむずがゆい。いつも呼び捨てなのにこういう時にお兄ちゃんなんて呼ぶなよ。
「と、とりあえず、今後は気をつけるように!」
「…はい。」
「まだ、元気ないな。怒ってないって言ってるだろ。」
「うん、わかってるよ。…ちょっと顔洗ってくるね。」
「ああ、行ってこい。」
「はぁ、やっちゃったな。」
また、涼を怒らせてしまった。
「でも、涼もいけないんだよ。」
そうだ、あんなことするから暴走するんだ。こっちの身にもなってほしいよ。
バシャッ!
顔を水で洗う。目の前には鏡に映った私がいる。
「あなたは何がしたいの?」
返事はない。本当に何がしたいのかな。
「はぁ…。」
思わずため息をつく。考えても結論はでない。結論なんてないのかもしれない。そもそも、そんな難しいこと考えない。今が楽しければいいのだと思う。だから、失敗もある。そこは諦めよう。
「よしっ!」
今はいつもの自分を涼に見せることが一番だ。笑顔笑顔。
「いいんじゃないかな?」
元気も戻ってきた。
「それじゃ、行きますか。」
今は涼と一緒に遊べればいい。それだけで十分楽しい。
「へっへー。もどってきたよー。」
元気は戻ったみたいだ。
「そうそう、元気ないと華琳じゃないな。」
「そうかな?そうだね!じゃあ、ご飯食べて友達の家に遊びに行くぞー!」
「あ…。」
そのことがあったああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!
途中絶対的にエロ方向に傾きました。もう、どうやってKENZENな方向にコメディーな方向に向かせるか悩みました。どうにか無理やりコメディーな感じにまとめました。ふと気付くと時計の針は朝の4時を指していました。眠い。