ユリパニ!
百合だから仕方ない。ユリユリパニック!
「ふぁ~、おなかいっぱーい!」
「ふふ、よかったですの。」
「…。」
すごいうれしそうだな…華琳。こっちは…
「ッキ!」
なんで、度々睨まれないといけないの…?
「恭子?どうしたの?」
「いいえ、なんでもないですのよお姉様。」
あんな顔した後に、すぐ笑顔に戻れるものだろうか…。
「それよりお姉様、次はどうしますの?」
「う~ん、じゃあ遊ぶ~。」
なんだか今日の華琳はくだけた感じだな…。
「何して遊ぶの?」
会話に入ってみる。
「ッキ!」
「っひぃ!」
だ、だめだ。何しても睨まれる…!
「よーし、トランプをしよー!」
華琳はこっちの状況に気づかない…。気づけ!
「なら、私の部屋に行きましょうですの。準備お願いね。」
また、黒服の人が出ていく。
「ひ、ひつじだよ…!涼!」
2、2回目だよ…!華琳!
「じゃあ、私の部屋に案内しますの。ッキ!」
もう、いやだよー…。
「ここですの。」
通された部屋には天蓋付きのベッドがあった…。
「お、お姫様のベッドだよ…!涼!」
「う、うん…。」
天蓋付きのベッドなんて初めて見たよ。なんなんだよ、こいつ。
「ねぇ…恭子…。」
「なんですの、お姉様?」
「ダイブしていい…!」
「えっ?…いいですけどお姉様、今日はスカーt―――」
ボフッ!
言い終わらないうちにベッドにダイブする。
まぁ、俺は華琳のパンツなんて見ても面白くはないのだが、一応言っておこう。
白と青のしましまだ。
「死ね!ゴミ野郎!お姉様が汚れる!」
突然、恭子がグーで思いっきり殴りかかってきた!
俺は、それを華麗に…
「うぐっ!」
避けることができず、地面に這いつくばる。
「な、なんで…。」
なんで突然…そりゃ、パンツ見ちゃったけどさ。
「死ね!ゴミ!」
「兄弟…だから…かん…けい…な…い…。」
だって、そうだよね?妹のパンツなんて見ても関係ないよ。ってか、普通に洗濯物で干されてる時とかあるし。ましてや、洗濯物の取り込みとかもやってる俺って!?更に、たたみますよ!?それなのに「涼のエッチ~」とか言われた時にはどうしたらいいかと思いましたよ………―――
「ん?どうしたの~?」
なにか後ろで物音がした気がするので振り返ってみる。
「いえ、なんでもないですの。弟さんが疲れたみたいで休んでるだけですの。」
「え~、涼は体力ないな~。」
まったく、悲しいよお姉ちゃん。弟がそんなに体力ないなんて、お姉ちゃん悲しい!
心の中で言ってみる。今はお姉ちゃんだからいいんだよ~。
「お・ね・え・さ・ま~!」
「おっとと!」
恭子が胸に飛び込んできた。
「どうしたの~恭子?」
頭を撫でてやる。
「今日はなんでお一人で来ませんでしたの?」
猫撫で声で聞いてくる。かわいい!
「ん?涼は邪魔だった?」
「正直、お姉様だけがよかったですの。」
「そっか~でも、今回の目的は弟の紹介だからね。我慢して?」
「はいですの…。」
しょんぼりとしている恭子。かわいい!
「また、違う機会に一人で遊びに来るよ。それでいい?」
「はいですの!」
元気を取り戻した恭子。かわいい!
恭子は見ていて飽きない。表情がくるくると変わっていく。
「どうしましたの?お姉様?」
恭子が不思議そうに聞いて来る。
「ん?何が?」
「ずっと、私の顔を見て…何か付いてますの?」
「いんや~恭子は見てて飽きないな~って思ってね。」
「そ、そうですの…?」
「うん、表情がくるくる変わって面白いよ~。」
「は、恥ずかしいですの…。」
顔を赤くして恥ずかしがる恭子。かわいい!
こういうのが見てて飽きないんだよね。
「それよりもさ~、恭子~。」
「なんですの、お姉様?」
「そう、それ。なんで私の事お姉様って言うの?」
今まで話してきて、何時も気になっていた事ベスト3に入る事を質問してみる。
「お姉様だからですの。」
「でも、同級生だよ?」
クラスは違うけど、恭子とは同級生だ。
「それでも、お姉様ですの。」
「さらに、誕生日も恭子の方が先だよ?」
「それでも、お姉様ですの。」
「ん~。そっか、なら仕方ないね。」
どうしてもお姉様なんだろう。
「そうだ、私も聞きたい事があるですの。」
恭子が身を乗り出して迫ってくる。
「な、なにかな?」
顔が近いよ~!
「お、お姉様は女の子同士ってどう思いますの!」
「何が?」
「だ、だから!お、女の子同士で…ごにょごにょごにょ…。」
「ん?なんて言ったの?聞こえないよ~?」
「お、女の子同士で…え、えっちぃことする…のどう思いますの?」
「えっ…?」
えっちぃこと?…女の子同士で?…えっ?えっ!?えーーー!!!
「えっ?あ、う…。あう、うん。えっ?えっ!?」
「お姉様…顔を真っ赤にして…かわいいですの…うふふ。」
「あ、あのね。お、女の子同士は悪い事じゃないけど、女の子同士だよ!?」
「お姉様………。」
え?どんどん恭子の顔が近付いてくるよ?
「きょ、恭子?私達女の子だよ?きょ、恭子!?」
も、もう顔が目の前に…!
思わず目をつぶってしまう。しかし、何も起こらない。
目を開けてみると目の前には恭子の泣きそうな顔。
「お姉様は嫌…ですの…?」
恭子が泣きそうな声で聞いてくる。
でも、恭子は女の子。私も女の子。でも、恭子は泣きそうで。でも、私は女の子で、恭子は女の子で、恭子は泣きそうで…
「お、お姉様…?」
恭子は女の子。私も女の子。二人は女の子。でも、恭子は泣きそうで。でも、女の子、女の子女の子女の子女の子女の子女の子お―――
「にゃっふ!」
ボフッ
「お、お姉様…?どうしましたのお姉様?お姉様!?お姉様!」
大変ですの!お姉様が気を失って目を覚ましませんの!
「…気を失って…目を覚まさない…!」
これは…!やっちゃっていいって合図ですの…!?
「……お、お姉様ー?」
ペチペチ。頬を少し叩いてみる。
「ん…ぅん…。」
「………。」
か、かわいい…!なんですのこのかわいいさ!反則ですの!
「はぁ…はぁ…お、お姉様…もう、耐えきれませんの!」
がばっ!
「お姉様ー!……あれ…ですの?」
あ…ありのまま今起こった事を話しますの!
私はお姉様を襲っていたと思ったら、いつの間にか襲われていましたの。
な…何を言っているのかわからないと思いますの、私も何をされたかわからないですの…。
頭がどうにかなりそうでしたの…百合だとか百合じゃないだとかそんなチャチなもんじゃ断じてありませんの。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったですの…。
「お…お姉様…?」
「はぁ…はぁ…恭子…。」
いやー!お姉様!顔が近いですの!顔も赤いですの!!息も荒いですの!!!
「本当は…女の子同士なんて駄目なんだよ…。」
「っ…!」
それは…わかってますの…。でも…
「でも…私はお姉様が好きですの…。」
「うん…だ、だから…き、キス…だけだよ…!」
「ぅむっ!?」
お、おお、お姉様と…き、キス!
…もう、思い残すことは何もないですの…。
あわわわわわ!!!!恭子とキスしちゃったよ!いくら勢いとは言え女の子同士なのに…!あわわわわわ!!!!……ん?
「恭子?」
ボケー。
「大丈夫!?恭子!」
「らいじょうぶれすのよ~おねぇさまぁ~。」
「なんかぐでんぐでんになってるよ、恭子。」
「ヒヒ…ウヒヒヒヒ…。」
「きょ、恭子が壊れちゃったよ…。」
それでね。俺がなんて言ったと思います?俺は言ってやったのですよ!パンツなんて布に過ぎない!布を見て興奮する奴があるか!とね。どうです?もっともでしょう。それで何を思ったのか、パンツを侮辱するなー!って殴りかかってきましてね。もう、喧嘩ですよ。喧嘩。本当になんな―――
「起きてよ!涼!」
「うぐぅ!」
は、腹に蹴り入れやがった…!
「ちょ…まって、まじ痛い…。」
「助けてよ!涼!恭子が!恭子が!!」
助けて欲しいのはこっちだ!バカ!
「恭子がどうしたんだよ…。」
人の腹に蹴り入れてまでの用事だ。大したことなかったら…どうしようか。
「恭子がね!恭子がね!…壊れちゃった…。」
「ハハ、ハヒヒッッ…。」
「………。」
恭子がベッドの上で変な声を上げながら変なポーズをしていた…。
「涼!もう、私どうしたらいいかわからないよ…。助けてよ…。」
泣きそうな華琳が助けを求める。
「何あれ。何したのお前?」
お嬢様な恭子が…今やオラウータンレベルまで知能が低下している。いや、オラウータンに失礼だ。オラウータンは頭のいい動物だ。恭子はどうにも言い表せないぐらいおかしくなっている。
「わかんないよ…急にああなっちゃったんだよ…。」
「えぇ~…。」
「涼…元のちゃんとした恭子に戻してよ…。あんな恭子嫌だよ…。」
「ンチャ!ハヒヒッ…。」
元に戻したいのは山々だが、あんなのに近付きたくない。
「と、とりあえず、執事さんに助けを求めれば…!」
「私呼んでくる!」
華琳が部屋から走って出ていく。
間もなくして執事さんと華琳が部屋に入ってくる。
「華琳、ちゃんと言った?」
「うん。ひつじさんに恭子を元に戻してって言ったよ。」
執事さんは恭子のそばまで行って何か耳打ちしている。
「ヒソヒソヒソヒソ…。」
「なんて言ってるんだろうね?」
「さあ、元に戻す呪文でもあるんじゃないか?」
しばらくすると執事さんは帰っていた。恭子はと言うと…
「………。」
「なんかげっそりとしているんだが?」
「恭子大丈夫かな…。」
「お姉様…。」
「恭子?大丈夫?」
「はいですの…。それよりもお見苦しい所見せてしまい申し訳ないですの。」
「大丈夫だよ!私もたまにああなるって!」
お前のはタイプが違うがな!
「私の事嫌いにならないでくれますの…?」
「もちろんだよ!それに…」
「…?」
「少なくとも嫌いだったらあんな事しないよ?」
「お姉様…!」
ぎゅっ
気絶していた時に何があったかわからないが解決したらしい。
「キッ!」
「ひぅ!」
なんで睨まれたの俺!?
「そうだ、恭子。」
「なんですの?」
「結構長居したし、私達家に帰るよ。」
「わかりましたの。今度は一人でいらしてくださいの。」
恭子はにっこりと笑ってそう言った。やっぱり俺の事、嫌だったんだな…。
「うん!今度は一人でお邪魔しに来るよ!」
華琳も元気にと笑ってそう言った。俺って何のために来たんだろう…。
「………。」
あれ?俺が寝ている内にトランプしたのか?
書いていて途中よくわからなくなってきたけど、涼君をいじめる事には成功した。これでいいのだ。
4000文字も書いたから余談はいいよね?