かるちゃーショック!
まさに!異文化交流の域にまで達した恭子の家。
初めてのお嬢様交流に姉弟(笑)どうなる!!
では、いきましょう。かるちゃーショック!!!!!
「なんじゃこりゃ…。」
入ってまず驚く。
玄関は馬鹿みたいに広く、天井は2階までぶち破ってるんじゃないかと思えるほど高い。
おまけにシャンデリアなんてものがぶら下がっている。
壁とか床はなんかすべすべしてる…。これが世に言う大理石か…。
「小さな家ですが我慢してくださいね。」
これで小さいだと…。
「ねぇねぇ、涼。シャンデリアがあるよ…!」
華琳が指を差して驚きを俺に伝えようとしている。
「見てよ、でっかい人の絵が飾られてるよ…!」
華琳が差している絵を見る。そこには尊厳な顔つきのおじいさんの絵があった。絵の大きさは人より大きいんじゃないかな…。
「あれは、私のご先祖様ですの。」
「「へぇー。」」
もう、へぇーとしか言いようがない。
本当にこんなお嬢様が日本にいたんですね。しかも、妹の友達…。もといファン。
「さあ、お上がりくださいの。お部屋でお話をしましょう、お姉様。」
「わかったよ。行こ、涼。」
「ああ…。」
まだ若干放心状態の俺はフラフラしながら華琳のあとについていく。
よく見ると、華琳もフラフラしてるじゃないか。
廊下には、色々な絵が飾られていた。どれもどこかで見たことあるような画風だった。
どんな人の絵かはわからないが、きっと高価な絵なのだろう。
俺たちが通された部屋には長いテーブルがあった。
よくテレビで見る、昔の貴族とかが使ってそうなあの長いテーブルである。
「ながーい!」
言わなくてもわかるよ。
「ちょうどおやつ時ですし、お食事も兼ねてここでお話をしましょうか?一応、外にもテーブルはありますけど…。」
「外暑いもんねー。中にしようよ。」
わざわざ、この暑い中外に出ておやつなんて食べようとはあまり思えないな。
「と言う事なのでよろしくね。」
どこに話掛けているのかと思ったら黒服の人がこの部屋を出て行った。
「ひ、ひつじだよ…!涼!」
執事な。ひつじじゃねぇ。
「私が子供のころからいる執事ですの。」
本当にお嬢様だ、こいつ。
「お茶とお菓子が来るまでお話しましょう、お姉様。」
「うん。」
華琳が近くにあった席に座ろうとすると、
「お姉様、私の隣に座ってお話しましょう?」
「わかったよ~。」
華琳がテーブルの向こう側に行ってしまう。
「じゃあ、僕も…」
「弟さんはそちら側に座ってお待ちください。」
えっ?なんで?
「わかったよ…。」
疑問を持ちながらも向かい側の席に座る。
「お姉様、聞いてくださいですの。私やっと…」
「ほんとに?すごいねぇ~…」
目の前では華琳と恭子が話をしている。
俺はというと…
「………………。(キョロキョロ)」
キョロキョロと周りを見るだけだ。道でこんなことしてたら挙動不審で警察に事情聴取を受けるだろう。
「うふふ、そうですの。すごいですの…」
「でしょでしょ!これで…」
何なんだ!これは!
俺と彼女たちの間に何か壁がある。ATフィールド展開中かよ!
よし、見てろ!
いろいろやったんだがな…。結局無視された。
無視するどころか途中、恭子に睨まれた…。
「お茶とお菓子をご用意しました。」
黒い服の人がいつの間にかお茶の準備をしていた。
「ご苦労様。」
「ありがとー。」
「ありがとうございます。」
テーブルにはさまざまな洋菓子が出されていた。
「うわー、おいしそー!」
華琳が歓喜の声を上げる。
「気に入ってもらえてうれしいですの。うふふふ。」
本当に嬉しそうに微笑む恭子。
「ね、ね、これ全部食べていいの?」
え、全部食べるの?結構な量ありますよ?
「はい、そのためにご用意しましたの。」
「じゃあ、いっただきまーす!はむはむはむはむ…」
華琳は近くにあるケーキを一口に入れてしまう。
行儀がわりぃな…。これは流石に注意するんじゃ…
「凄いですの、お姉様!とても豪快でかっこいいですの!」
い、意味がわからん。何なんだこいつ…。
でも美味しそうだし、俺も頂こうかな~。
パクッ。はむはむ。
う、うまい!何だこれは!今までこんなのうまいお菓子食べたことないぞ!
夢中になってお菓子に手を伸ばしていると、
「ッチ…」
「ん?」
今、舌打ちが聞こえたような…。
「ッチ…ボソボソ…ボソボソ…ッチ…」
何かボソボソ言っているな…何だろう。
顔を上げてみると、恭子が何かボソボソ言っている。
何だ?何ていっているんだ?
華琳の咀嚼音に邪魔されながらも耳を澄ましてみる。
「ッチ、ガキの癖にむしゃむしゃ食いやがって、お前のために用意してねぇんだよ。ッチ、私とお姉様のお菓子なのになんであのガキが食べてるんだよ。ッチ、私とお姉様の時間が少なくなって…」
「………。」
とりあえず、食べるのを止めた。
余談「華琳は太らない体質?」
「お姉様…そんなに食べて大丈夫ですの?」
「ん?何が?」
「何がって…お姉様は運動などをしていて、とてもスレンダ-ですの。でも、そんなにお菓子を食べたら太ってしまいますの。」
「ああ、大丈夫だよ。私あんまり太らないから。」
「そうですの?うらやましいですわ。」
「普段、動いてるからね。食べ過ぎても、胸がむかつくぐらいで何も問題はないよ。」
胸がむかつくほど食べるのは問題じゃないですの!?
「そうですの…でも、あまり食べ過ぎたら体に悪いですの。少しはセーブしませんと。」
「そう言っても手が止まんないんだよ~。美味しすぎるよこのお菓子~。」
今度からはお姉様のためにもローカロリーなお菓子をご用意しませんといけませんの!
そう、心に誓った恭子でしたとさ。