表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂は、猫のかたちをして  作者: velvetcondor guild


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/23

第十一話 お風呂が好き

 第十一話 お風呂が好き


美咲は仕事から帰ると、

あきおを抱き上げて言った。


「今日は寒かったし……

お風呂、入ろっか?」


普通の猫なら逃げるところだが、

あきおはむしろ尻尾をぴんと立てた。


(風呂……!?

温泉……!?

最高じゃん!!)


美咲は目を丸くした。


「え……逃げないの?

猫ってお風呂嫌いじゃないのに……」


あきおは胸を張るように「にゃっ」と鳴いた。


(俺は違う!

人間の頃から風呂大好きなんだよ!)


---


◆ 湯気の中で


湯気がふわりと立ちこめる浴室。

美咲は湯船に浸かり、

あきおは洗い場の桶にちょこんと座っていた。


「……なんか不思議だね。

猫と一緒にお風呂って」


あきおは湯気を吸い込みながら、

気持ちよさそうに目を細めた。


(あ〜……最高……

温泉かよ……)


美咲は笑った。


「ほんとに好きなんだね、お風呂」


あきおは桶の縁に前足をかけ、

湯船を覗き込む。


その瞬間、美咲が慌てて胸元を押さえた。


「ちょ、ちょっと……!

あき、見ないの!」


(いや、見ようとしてるわけじゃ……!

高さ的にこうなるだけで……!)


猫の身体なのに、

人間としての“気まずさ”が込み上げてくる。


尻尾が恥ずかしそうに揺れた。


美咲はその様子を見て、

くすっと笑った。


「……なんか、

猫なのに人間みたいだね」


あきおは思わず顔をそむけた。


(やめろ……

図星すぎる……)


---


◆ タオルで拭かれる


風呂上がり。

美咲はタオルであきを包み、

優しく拭いてくれた。


「ふふ……あったかいね、あき」


あきおはタオルの中で目を細めた。


(……悪くない。

いや、むしろ最高だ……)


美咲はふと呟いた。


「……あきおと温泉行った時、

こんな感じだったのかな」


その言葉に、

あきおの胸がぎゅっと締めつけられた。


(……覚えてるよ。

あの時も、美咲はこんな風に笑ってた)


タオルの中で、

あきおはそっと美咲の手に頭を押しつけた。


美咲は驚き、

そして優しく微笑んだ。


「……あき。

あなた、本当に不思議な子だね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ