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第2章:力の論理

こんにちは、読んでくれてありがとうございます。

今回の章は「力の論理」がテーマです。

冷静なゼロの頭脳戦にご注目ください。

さあ、どんな謎が待っているでしょうか?

黄金の画面が静かに私の前に浮かんでいた。待っている。


1000ポイント。スキルか特性か。チュートリアルもなく、手取り足取りもない。


リストをざっと見た。基本スキル、属性適性、身体強化。

「マナの天才」「自然の子」「剣聖」「大魔導師」など、強力すぎる特性もたくさん。

派手な称号。どれも強力だ。


眉をひそめて、リストを閉じた。


「ねぇ、カイ……もっといい案があるんだ。」


「オリジナルスキルを作りたい。できるか?」


<そんな面倒なこと、どれだけ大変かわかってる?壊れ特性はたくさんあげたよ。さっさと選んで使えばいい。>


「俺の心を読んでみろ。」と、ニヤリ。


<……わかった。>


カイは頭の中に浮かぶ考えを読み取った。


<記憶を読んだときからお前がイカれてると思ってたけど、こんなにぶっ飛ぶとはな。前はもっと消極的だったのに。>


「知ってるか、カイ。選択できるのは強者だけの特権だ。弱者に選択肢なんてない。強者の残り物を与えられ、感謝しろと言われるだけだ。そんなの自由じゃない。錯覚だ。」


「昔、金じゃ幸せは買えないって言う貧乏人がいたけど、俺は今、力を持つなら欲しいものは全部手に入れる。誰も奪わない。でもこの世界で何かを手に入れるには、力が必要だ。大量のな。」


「で、スキルはくれるのか?」


<残った神力の大半を使うことになる。それにお前が望むものは完全に壊れてる。ほかの奴らと一緒に呼んでたら絶対できなかった。でも遅れてきたから…今は神力のコストが安い。>


カイはニヤリと笑った。


<でも全部取り戻せるとわかってる。そしてもっと重要なことが——>


二人同時に言った。


「面白くなりそうだ。」


――


十分後。


――回想――


すべてが始まる前、最初の狼が現れる前……


「システム、」俺は言った。「何よりも先に名前を変える。これからはゼロと呼んでくれ。」


<ゼロか。いいだろう。>


俺が聞く前にカイが口を挟んだ。

<スキルや特性に手を出す前に、性格を覗いてみた。システムはお前に受動的にいくつか特性を割り当てている。神のボーナスだ。>


――現在――


『システム、ステータスを見せてくれ』と考えた。


きれいな画面が開いた。


名前:ゼロ

HP:100/100

MP:200/200

クラス:なし

STR:10

INT:15

AGI:10


特性:

– 冷静な洞察(計算高く感情に流されない)

– 狡猾なヴェール(戦略的本能、操作と欺瞞にパッシブボーナス)


アクティブスキル:なし

パッシブスキル:\[リバーサルフィールド]


タップした。


【リバーサルフィールド】

自分の意図と認識に反応し、危険と判断した物理攻撃をはじき、2倍の威力で返すパッシブバリア。

✦ 魔法、幻覚、非物理効果には効果なし。

✦ 形状と大きさを自在に変えられる。最大範囲2メートル。


「これで物理攻撃は無効化できるな。」


茂みが揺れた。


左を見ると、灰色の狼のようなモンスターが現れた。赤く光る目、汚れた毛並み、口から涎が垂れ、黒い縞模様が横腹に走っている。


「狼か?まあ、興味深い。」


背後からさらに六匹…いや、八匹現れた。最初の一匹が跳びかかる。


空中で何かに衝突し、ラグドールのように弾き飛ばされた。


バリアを体だけに縮小した。


別の狼が突進。手を上げると、その顎が見えない抵抗に当たり、上顎と頭蓋骨が不自然な力で後ろに跳ね返る。嫌な音を立てて顎が砕け、背骨の一部も折れて血と骨片が草に飛び散った。


【灰狼撃破。ショップポイント5獲得。】


「選ばなかったスキルはショップに入って、キルポイントで買えるのか?カイ、都合よすぎるだろ。」


特性欄を確認。


「システム、マナ操作に関する特性を出してくれ。例えば:

– アンビエントマナチャネリング

– マナ効率向上

– 呪文習得加速

– 魔法理解

– 適応キャスティング

– 元素調整

– 迅速分析

– 高速学習」


【新人割引で全部セット購入可能:999ポイント】


「多いな……」


狼が爪を振りかざしたが、バリアで粉砕。


「まずはこれを終わらせよう。」


さらに二匹が突進。一匹は膝から足を失い、もう一匹は木に叩きつけられて悶絶。


「出血で仕留めるか。」


再びショップを開く。


「スキルを買おう。」


【風刃 – 必要条件:基本風属性】


「やっぱりか。」


【特性購入:風魔法(基本)– 10ポイント】


タップし【はい】。


【25ポイント消費。

特性獲得:風魔法(基本)

スキル獲得:風刃(基本)– MP消費10】


「やっと攻撃手段か。」


血が地面に染みる瀕死の狼に近づく。


目の間に指をそっと当て、頭蓋を貫けるか考えたが本能が働いた。無理だ。首の側面を撫でる。


「風刃。」


薄い空気の刃が深く切り裂き、狼は動かなくなった。


同じことを繰り返し、息のある狼はいなくなった。


二時間が過ぎ、足跡をたどる。


途中でさらに狼に遭遇。怯えた個体か増援だろう。反応は同じ。唸り、突進、死への牙。鼻に黒い斑点のある老獣もいたが問題ない。フィールドに触れた途端、頭蓋が紙のように折れ、血が樹皮や草に飛び散る。


別の狼は回り込もうとしたが、フィールドの形を変え後方へ追いやった。飛びかかると肋骨が空中で折れ、地面に倒れた。


【灰狼3匹撃破。ショップポイント15獲得。】


歩みを止めなかった。


やがて、開けた場所に出た。


影がかかる。


ゆっくり振り返る。


巨大な緑肌の人型が立っていた。身長約2.4メートル、筋肉隆々の巨体。禿げた頭は戦いの傷だらけで、太い牙が広い口から突き出ている。黄色い歯をむき出しにし、鼻孔を大きく開きながら激しく息を吐いている。獣のような鋭い赤い目が俺を見据えていた。


腰に動物の皮を粗末に巻きつけている。乾いた血がまだ付いている。大きな手には原始的だが致命的な斧を持つ。欠けた石の刃が太い木の柄に獣の腱と鉄の釘でしっかり固定されている。その武器は一撃で人間を真っ二つにできそうな重さだった。


姿勢は攻撃的で、肩を前に出し、頭を少し傾け獲物を観察している。


危険そのものの存在だった。


「オークか?かっこいい……危険そうだ。」


まばたきした。


「……俺、興奮してる?何年ぶりだろう。」


オークが斧を振り上げた――


その一撃が弾かれた。


「腕が折れなかった?手加減か。」


再び斧を振る。壊れない。


怖くはなかった。ただ退屈だった。


故郷で感じていた無感覚な退屈感――長い夜に何も起きず、時間だけが過ぎる感覚。思考は恐怖やパニックではなく、数字やパターンに向かう。昔、数学や物理が好きだった。論理的な美しさ。変数や定理、裏切らない構造。科学は嘘をつかない。人は嘘をつく。


当時、みんなが笑い、戦い、泣く中、俺は問題を解いていた。唯一、自分をコントロールできる実感があったからだ。入力は予測可能で、結果も予測できた。


そして今。このシステム、この新世界――まさにそんな感じだった。


最初は神のいたずらかと思った。頭に突然現れた統計やメニューに戸惑った。でもスキルや特性、コストの構造を理解した瞬間、納得した。


この世界は俺の言語を話している。


戦いの最中でも、オークに半身を引き裂かれそうになっても感情的に反応しなかった。角度、応力点、跳ね返りベクトルを計算していた。これは戦いではない。


解くべき問題だ。


フィールドを角度のついた殻の形に変えた。


次の一撃は跳ね返り、粗末な斧が自分の喉に半分刺さった。


血が飛び散り、オークは倒れた。


【オーク撃破。10ポイント獲得。】


森からさらにオークが現れた。


二体の一般兵。中央に巨大な一体。金属の肩当てを付け、磨かれた両手斧を持つ。


「あいつは違う。」


【識別:オーク戦士。数々の勝利を経て選ばれたエリート。強くて危険。】


「戦士か。よし、もらおう。」


一般オークが突進。結果は同じ。腕が折れ、脚を失い、悲鳴をあげて倒れる。


最後にオーク戦士が来た。


斧を振る。跳ね返る。


掴もうとするが、手が折れる。怒って吠える。


風刃で脚や顔、関節を削っていく。


ついに折れた。斧を掴み、咆哮し、全力で投げた。


俺は受け止めた。


斧は飛んで戻り、自分の胸に突き刺さった。


【オーク戦士撃破。45ポイント獲得。】


そしてカードが浮かんだ。


【クラス解放:戦士】


笑った。


「カイの神力が大量に消えたやつだ。」


――回想――


「唯一無二の能力がほしい。クラスで誰かを倒したら、そのクラスカードを得る。制限なし。カードを合成して上位クラスを作れる。所有するクラスカードを他人に渡すこともできる。ただし取り戻すには殺さなければならない。」


<ケケケ、それは歪んでる。気に入った。>


――現在――


「戦士カードはとりあえずキープする。」


進む道を見た。


「ポイントはいくつ?」


【240ポイント】


「ここにある言語をすべて理解し話すスキルは?」


【はい。特性:領域の舌 – 210ポイント】


「買う。」


振り向くと、また一体のオークが森から飛び出した。


数瞬後、斧が自分の足に刺さり倒れた。


「俺の言葉がわかるか?」


「チュエック……人間の言葉を……話すのか?」


オークが喉をかすれさせて言った。


「よかった。死ぬ前にお前の村の場所を教えろ。お前のチャンピオンに挑戦したい。」


強いオークが一対一の戦いを待ったのを思い出した。彼らには礼儀のコードがあるのかもしれない――一対一の戦い、力を尊重する。だからこのやり方を試している。


オークが咳き込んだ。


「チャンピオン……強い……バラック……村は……あっち……」指差した。


そちらを見た。


「最後に一つ聞きたい。」


微笑んだ。


「アンデッドはどこにいる?」


――つづく――

ゼロはこの新世界を戦いではなくパズルのように捉えている。彼の冷静で論理的な思考は、多くの人が不確実な状況にどう向き合うかを映し出している。すなわち、問題を分解し、コントロールし続けることだ。


オークたちの一対一の礼儀のコードは、この世界が単なる混沌ではなく独自のルールを持つことを示している。ゼロのそのルールへの敬意は、彼がただ盲目的に戦うのではなく、適応していくことを暗示する。


カイは少し予測不能な楽しみを加え、ゼロのアンデッドに関する問いは今後の大きな謎を予告している。


これからも楽しんでいただければ幸いです!


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