⭕ 観戦しよう 5
マオ
「 でもさ、スポンサーになれたとして──、選手達に対して何をしたら良いんだ? 」
セロフィート
「 マオが心配する必要は無いです 」
マオ
「 それを言われたら身も蓋も無いじゃないか── 」
セロフィート
「 ワタシも知りませんし 」
マオ
「 えっ…………マジぃ? 」
セロフィート
「 勿論です。
とは言え、選手さん達に必要そうな物の検討は付きます 」
マオ
「 何だろう? 」
セロフィート
「 雨風も防げ、安心して就寝の出来る宿泊施設は必要でしょうね 」
マオ
「 そうだな。
確り休めないと次の試合に響くだろうし 」
セロフィート
「 選手さん達に合う栄養とバランスの取れた食事も必要です。
選手さん達をサポートする信頼の出来るトレーナーも必要でしょう。
訓練場も必要ですし 」
マオ
「 疲れた身体を解して癒してくれる温泉も必要じゃないかな? 」
セロフィート
「 保証された衣食住と安心,安全を提供し、可能な限り選手さん達を支援すればスポンサーの役目も果たせるでしょう 」
マオ
「 至れり尽くせりだな 」
セロフィート
「 選手達がスポンサーを裏切る様な事が有ったとしても、スポンサーは選手を裏切らない,見限らない,見捨てない誠実さを持ち合わせていなければなりません。
選手を裏切るスポンサー,選手を金儲けの道具に利用するスポンサーは、スポンサーの皮を被った詐欺師と言えるでしょう 」
マオ
「 厳しい事、言うな~~。
それにしても、スポンサーって大変なんだな。
支援金を出せば良いだけじゃないんだ…… 」
セロフィート
「 ふふふ……。
スポンサーとは謂わば、選手に惚れ込んだファンだと思えば良いでしょう。
1度惚れてしまうと自分に出来る方法で推しの選手を応援したくなるものです。
その想いを行動に移したのが支援です。
支援は選手を支え、選手の助けとなります。
支援を受けた選手はファンに励まされた分,貢献された分を結果で返します。
選手の頑張りがファンへの励みにもなり、生きる希望にもなります。
選手とスポンサーの間で良い関係が循環すれば、どちらもハッピーで居られます 」
マオ
「 全ての選手とスポンサーが良好な関係を築ければ良いけど、実際には中々難しそうだよな? 」
セロフィート
「 それは仕方無い事です。
人間は欲深い生き物ですから、どうしても本来の目的を見失い、ズレてしまうものです。
キノコンに任せていれば、そんな心配事は起きません 」
マオ
「 そだな。
キノコンは欲深さとは無縁だもんな。
食欲が旺盛なだけで………… 」
セロフィート
「 ワタシが亜人類のスポンサーになるのです。
人間の選手は亜人類の選手達には勝てなくなります。
ふふふ…。
今回の武術大会は荒れますね♪ 」
マオ
「 めっちゃ楽しそうだな…… 」
セロフィート
「 マオ、待っていても状況は面白くなりません。
面白くしたければ、周りを巧妙に上手く動かす事です 」
マオ
「 結局さ、支援する選手達はセロの被害者になるんだな 」
セロフィート
「 違いますし。
選手さん達の手助けをするだけです。
善意の親切ですよ 」
マオ
「 へぇ…………セロに “ 善意 ” なんて有ったんだな。
初耳だぞ 」
セロフィート
「 心外です。
今の心無いマオの言葉にワタシの繊細な心が傷付きました 」
マオ
「 人形は心を持って無いだろが! 」
セロフィート
「 はいはい。
そうでした。
亜人類の選手さん達の事はキノコンに任せて、マオはワタシと観戦を楽しめば良いです 」
マオ
「 うん……。
でもさ、ずっと見てると試合に出たくなっちゃうもんだよな~~ 」
セロフィート
「 マオが出場すると亜人類の選手さん達が負けてしまいます。
今回は観戦に徹してください 」
マオ
「 それを言われちゃうとなぁ……。
亜人類が出場しない試合ってないかな? 」
セロフィート
「 それなら、50階以上で開催される試合です。
武器の使用は禁止されてます。
ドーピングは許可されてますけど、マオなら問題無いでしょう。
50階からは挑戦者の勝ち抜き戦を観戦出来ます 」
マオ
「 勝ち抜き戦? 」
セロフィート
「 挑戦者は1人で100名の対戦者と戦い、勝ち抜きます。
試合は挑戦者 VS 対戦者ですから、休憩無しで戦う事になります。
マオなら楽勝でしょう 」
マオ
「 1人ずつと戦って、1敗もせずに100勝すれば良いのか 」
セロフィート
「 100人抜きが出来ると51階へ上がれますよ。
51階では挑戦者 VS 対戦者となります。
合計200名と戦い、勝つ必要が有ります。
階が上がれば、対戦者の数も増える様になってます。
59階では対戦者は9名となり、休憩無しの10試合を勝ち抜きます。
900名を倒す事になりますね 」
マオ
「 10試合をブッ通しで戦うのか…。
ドーピングOKだから、900名のバキバキなドーピング野郎を倒す必要が有る。
素手で相手をするのは一寸キツいかもだな 」
セロフィート
「 おや、自信が無いです? 」
マオ
「 はぁ?
勝てる自信しか無いけど!
誰に鍛えられてると思ってるんだよ。
負けたらセロの顔に泥を塗る事になるじゃんか。
オレがドーピング野郎に負けるか! 」
セロフィート
「 頼もしいです♪
ワタシをガッポリさせてください♥ 」
マオ
「 賭けれるんだ? 」
セロフィート
「 明日、50階に在る受け付けへ行きましょう。
登録をしても空きが出来る迄は闘技場内で待機です。
色んな試合を観戦しながら楽しみましょう 」
マオ
「 直ぐに出れる訳じゃないんだな 」
◎ 訂正しました。
泥を塗る事になるじゃんかよ。─→ 泥を塗る事になるじゃんか。