⭕ 観戦しよう 3
──*──*──*── VIP席
マオ
「 うわぁ~~!
眺め良いな、此処ぉ! 」
セロフィート
「 ふふふ…。
マオが喜んでくれて嬉しいです♪
此処なら誰にも邪魔されず、じっくり観戦を楽しめます 」
マオ
「 そだな!
こんなに良いVIP席が空いてたなんてラッキーだよな。
特等席じゃないか? 」
セロフィート
「 マオの為に頑張りました♪
惚れました? 」
マオ
「 とっくの昔に惚れてるよ♥ 」
セロフィート
「 嬉しいです(////)」
セロが御機嫌だ。
何で御機嫌なのか分からない。
気になるけど、敢えて触れないでおこうと思う。
器人形
「 セロフィート様,マオ様──、≪ 屋台 ≫の料理を買って参りました 」
マオ
「 有り難う!
助かるよ 」
セロフィート
「 これで食べながら観戦出来ますね、マオ 」
マオ
「 そだな 」
椅子の前には高級そうなテーブルが置かれている。
使用人に扮した〈 器人形 〉がテーブルの上に買って来てくれた料理と飲み物を並べてくれた。
闘技場の観戦席は満員御礼宜しく、次々と観戦客が入場して来ている。
観戦客は試合が始まるのを待ちわびているみたいだ。
マオ
「 賑やかだな。
オレもワクワクして来たよ! 」
セロフィート
「 マオ、開始の挨拶が始まります 」
マオ
「 いよいよだな!
いつぞやの暗黒武術大会の事を思い出すよ。
キノコンの胞子で戦い所じゃなかった試合が印象的だよな。
筋肉ムキムキになったキノコンが衝撃的だったよ……。
声まで変わっちゃってさぁ…… 」
セロフィート
「 懐かしいです♪ 」
マオ
「 オレは暫く、ムキムキマッチョなキノコンの悪夢に魘されたけどなぁ~~ 」
開始の挨拶が終わると試合が始まった。
殆んどの選手は人間で、亜人類の選手は少ないみたいだ。
戦闘に特化した亜人類でも背中に刻まれた奴隷紋の所為で本来の能力を封じられているから苦戦している様に見える。
マオ
「 武器は使わないで戦うんだな 」
セロフィート
「 1階 ~ 99階で行われる試合では、武器の使用が認められて無い様です。
素手のみで勝ち上がる決まりの様です 」
マオ
「 ふぅん?
素手なら楽勝じゃないか?
本来の能力を封じられててもさ、人間よりも優れてるんだろ?
勝てそうな気がするんだけどな~~ 」
セロフィート
「 ふふふ…。
武器の使用は不可でも、ドーピング剤の使用は禁止されてない様ですよ 」
マオ
「 ド…ドーピング剤?
ズルするって事かよ? 」
セロフィート
「 そうでもしないと亜人類には敵いませんし。
屈強な選手ですら、試合前にドーピング剤を飲んでるぐらいです。
それだけ亜人類は油断ならない相手です 」
マオ
「 奴隷堕ちさせて、能力を封じても人類からしたら脅威なんだな 」
セロフィート
「 マオ、見てください。
子供が試合に出てます 」
マオ
「 えっ?
子供も試合に出るんだ? 」
セロフィート
「 マオより幼いです。
良かったですね、マオ。
これで安心して試合に出れます 」
マオ
「 オレ、成人してるんだけどぉ~~ 」
試合に出ている子供は緑色の髪をしている。
此処からだと選手の顔は見えないけど、モニターに映るから選手の顔を拝める。
マオ
「 …………人間だよな。
あんな幼い子供が大人相手に勝てるのか?? 」
セロフィート
「 マオ、見た目で判断しない事です。
無害そうな容姿をしている者は警戒するに限ります。
体術にも色々ありますし、子供でも大人を負かせる事もあります。
マオ自身が身を持って知ってるでしょう 」
マオ
「 まぁな~~ 」
子供は “ マルバ ” って名前らしい。
選手紹介曰く、修行の一環で100勝を目指しているんだとか。
大した子供だと思う。
マオ
「 相手の選手は48勝してる無敗の選手だってさ。
強敵かな? 」
セロフィート
「 マルバさんは11勝してますね。
どちらが勝つと思います? 」
マオ
「 う~~ん………………マルバかな?
そんな気がする? 」
セロフィート
「 おや、意外です。
マオは脳筋さんを選ぶと思ってました 」
マオ
「 見た目で判断したら駄目なんだろ? 」
セロフィート
「 ふむ?
本当にそうでしょうか? 」
マオ
「 さっきと言ってる事が違うじゃないかよ! 」
セロフィート
「 はて?
そうでした?
試合が始まります 」
マオ
「 皆、注目してるみたいだな 」
試合開始のゴングが鳴り響いた。
◎ 訂正しました。
戦い処じゃなかった ─→ 戦い所じゃなかった