セロフィート
「 現在でも亜人類は奴隷として、人類に虐げられ惨めに生きてます。
そんな亜人類ですけど、奴隷から解放される手段が有ります 」
マオ
「 そうなのか?
それって、どんな手段なんだ? 」
セロフィート
「 ≪ ホホルル ≫に聳そびえ立つ《 天空闘技場 》に、種族の代表者が選手として出場し、1階の試合会場で1度も負けずに100勝しょうすればそ・の・種族に関しては、奴隷ドンクラから解放される事になってます 」
マオ
「 そうなのか?
100勝しょうすれば奴隷ドンクラじゃなくなる──。
一応の希望は有る訳か……。
それで、奴隷ドンクラから解放された亜人類ディコストゥルは居いるのか? 」
セロフィート
「 ふふふ…。
居いる訳ないでしょうに 」
マオ
「 何なでだ? 」
セロフィート
「 奴隷ドンクラの亜人類ディコストゥルの背中には、奴隷紋が刻きざまれているからです 」
マオ
「 奴隷紋?!
じゃあ、亜人類ディコストゥルは奴隷紋に支配されてるって事かよ? 」
セロフィート
「 そうです。
奴隷紋には亜人類ディコストゥルの能力ちからを封ふうじる効果が有ります。
亜人類ディコストゥルは獣じゅう人じん化かする事も獣じゅう化かする事も出来ません。
能力ちからが封ふうじられている為、本ほん来らいの力ちからを出でせない状態です。
1度も負けずに100勝しょうするのは簡単ではないです 」
マオ
「 亜人類ディコストゥルは不利な戦いを強しいられる訳か…… 」
セロフィート
「 戦闘に特化した種族なら未まだしも、非戦闘な種族は闘技場に出場する事すら出来ません。
非戦闘な種族は強い武ぶ人じんに依頼し、代理者として出場してもらう事が出来ます 」
マオ
「 依頼した代理者として100勝しょうすれば、依頼した種族は晴れて奴隷ドンクラから解放される訳か── 」
セロフィート
「 信用は出来ませんけど 」
マオ
「 何なんでだ? 」
セロフィート
「 無敗で99勝しょうした代理者が100勝しょう目めの試合で態わざと負ける場合が有るからです。
試合を盛り上あげ、観客を喜ばせるのが仕事です。
代理者は亜人類ディコストゥル味方ではなく、闘技場を運営する側がわに尻尾を振る愚ぐ犬けんの立場である為、決けっして信用,信頼してはい・け・な・い・相手です 」
マオ
「 そ…そうなんだ……。
『 奴隷ドンクラから解放してやる 』っていう美う味まい餌エサをブラ下さげているけど、亜人類ディコストゥルを奴隷ドンクラから解放する気きなんて最は初なから更さら々さら無いって事か…… 」
セロフィート
「 亜人類ディコストゥルは謂いわば、人間を楽しませる道化ピエロという立場です 」
マオ
「 …………そっか…。
なんか…………闘技場の運営側と出場する選手を全員、屠ほふりたくなった来きたかも…… 」
セロフィート
「 マオ、今日きょうは試合の観戦だけです。
堪こらえてください 」
マオ
「 分かってるよ……。
他ほかの方法で亜人類ディコストゥルを奴隷ドンクラから解放する方法は無いのか? 」
セロフィート
「 有るに決まってます 」
マオ
「 有るんだ!
どんな方法なんだ? 」
セロフィート
「 奴隷紋を刻きざんだ張本人──術師を殺ころすだけです。
奴隷紋を刻きざんだ張本人術師が殺しねば、亜人類ディコストゥルの背中に刻きざまれた奴隷紋は消えます。
亜人類ディコストゥルは奴隷紋により封ふうじられている本来の能力ちからを取り戻す事が出来ます 」
マオ
「 何なんだよ、他ほかの≪ 大陸 ≫の奴隷紋を消す方法と同じなんだな。
楽勝じゃんかよ 」
セロフィート
「 とはいえ、術師も人間です。
余よ程ほどの御馬鹿さんでもない限り、自分が死んでも奴隷紋が消えない様ように手は打って有る筈です。
現実には術師を死なせても亜人類ディコストゥルの奴隷紋は消えません 」
マオ
「 何なんだよ……糠ぬか喜よろこびだな~~ 」
セロフィート
「 反対に亜人類ディコストゥルの奴隷紋を強制的に解除し消してしまえば──、携たずさわった術師達を一斉に死なせてしまう事が出来てしまいます。
ですが奴隷紋を脅威だと解除し、消してしまえる術師は居いないでしょう 」
マオ
「 …………鯔とどのつまり、亜人類ディコストゥルが “ 奴隷ドンクラから解放される ” なんてのは夢物語なんだ…… 」
セロフィート
「 そういう事です。
マオ、順番が来きました。
話していると直すぐですね 」
マオ
「 本ほん当とだな! 」
《 天空闘技場 》の入いり口ぐちには受け付けが設もうけられていて、観戦客は入場券を買う必要が有るみたいだ。
セロが2人分ぶんの入場券を買ってくれる。
入場券をスタッフに見せると入場する事が出来る。
──*──*──*── 天空闘技場内
マオ
「 観戦客が多いな~~ 」
セロフィート
「 マオ、屋台で何なにか買います? 」
マオ
「 そうだな。
色んな料理が食べれるなら見てるだけでも楽しいよな! 」
セロフィート
「 買い物は〈 器うつわキ人にんニン形ぎょうカ 〉に任せて観戦席へ向かいましょう。
奮発してVIPビップ席せきを買いました。
行きましょう 」
マオ
「 えっ?
VIPビップ席せき?
そんな席せきが在るのかよ? 」
セロフィート
「 貴族も観戦に来くるのです。
在るに決まってますし。
どうせなら眺ながめの良よい場所で観戦したいでしょう? 」
マオ
「 確たしかにそうだけど……。
高かったんじゃないのか? 」
セロフィート
「 大たいした金額ではないです。
マオは気にしないでください 」
マオ
「 そうする 」
金カネなんて〈 テ原質フの源みなもと 〉で欲しいだけ構成が出来ちゃうもんな!
セロが買ってくれたVIPビップ席せきに移動する途中で、金カネ持もちそうな人達と何なん度どかす・れ・違・っ・た・。
全員、セロを見て驚いた顔をしていた。
まぁ、セロの美貌を見たら誰でも足を止とめて拝おがみたくもなるよな……。
う~~ん、恐おそるべし絶ぜつ大だいな人セロ形フィート魅了チャーム効果!
◎ 訂正しました。
1度も負けずに100勝るのは ─→ 1度も負けずに100勝しょうするのは
強い武ぶ人じに依頼し、─→ 強い武ぶ人じんに依頼し、
100勝め目の試合 ─→ 100勝しょう目めの試合