⭕ 観戦しよう 1
◎ 興味の有る読者さんは、暇潰しに【「 セロ 」もしも、マオとセロフィートが暗黒武術会っぽいのに出場したら……。】も読んでみてください。
──*──*──*── キャピラト大陸
──*──*──*── ホホルルの都
マオ
「 うわぁ~~!
随分と高い建物だな~~~~。
何処まで在るんだろうな? 」
セロフィート
「 地元で有名な “ 天空闘技場 ” とは此処の様です 」
マオ
「 観光名所にもなってる?
えぇと──、戦う選手達の勇姿を観戦する事が出来るんだっけ? 」
セロフィート
「 折角ですし、観戦してみます? 」
マオ
「 してみたい!
どんな戦いが見れるんだろうな! 」
セロフィート
「 行列が出来てます。
並びましょう 」
マオ
「 4列も並んでるのかよ。
人気が有るんだな 」
セロと一緒に行列の最後尾に並ぶ。
観戦客が多くて吃驚だ。
マオ
「 これってさ、何時間待ちかな? 」
セロフィート
「 開場は1時間先の様です 」
マオ
「 1時間!?
マジかよ……。
1時間も立ちっぱで待つのかよ…… 」
セロフィート
「 マオ、見てください。
闘技場の紹介がされてます。
モニターを見ていれば直ぐです 」
マオ
「 そだな。
それにしても≪ 都 ≫ってのは、何処もハイテクだよな。
他の≪ 街 ≫とは雲泥の差だな 」
セロフィート
「 人口の桁が違いますし、≪ 都 ≫は謂わば “ 首都 ” です。
近代化がズバ抜けて進んでいる理由も解ります 」
マオ
「 でもさ、亜人類が差別や迫害に遭ってて、今でも狩られてるのは、やり過ぎな気もするけどな~~ 」
セロフィート
「 ≪ 帝都 ≫で暮らす皇帝が亜人類を毛嫌い,危険視している様ですし、仕方無いでしょう。
亜人類の事を “ デコル ” と呼び、蔑んでますし 」
マオ
「 ≪ キャピラト大陸 ≫の亜人って確か──、最初は実験体として作られたんだっけ?
亜人を作った研究者達は、亜人達の事を “ ディコストゥル ” って呼んでたんだよな?
それを省略して “ デコル ” になったんだったかな? 」
セロフィート
「 偉いですね、マオ。
合ってます。
大地震が起きた時代、実験体だった亜人類が実験施設から脱走しました。
自由を求めて多くの亜人類は大陸中に散々に逃走しました。
当時の亜人類は人類よりも繁殖力が非常に強く、爆発的に人口が増加しました。
一時期は人類と立場が逆転し、亜人類が≪ キャピラト大陸 ≫を支配していた時代も有りました 」
マオ
「 そ…そうなんだ……。
人類と亜人類が逆転……。
その時代の亜人類は人類に何をしたんだ? 」
セロフィート
「 爆発的に増加した亜人類でしたけど、人類に対して危害を加える事はしなかった様です。
人類とは “ 友好的な関係を築きたい ” と考えていたからでしょう。
逆に人類は亜人類に対して、好戦的で好ましく思ってませんでした。
武器を手に取り、亜人類に戦いを挑んでました 」
マオ
「 そ…そうなんだ……。
人類と亜人類は平行線だったんだな 」
セロフィート
「 亜人類は戦に依って天涯孤独となった人類の子供達を保護し、亜人類の子供達と共に育てていました。
それを知った一部の人類は、自分達で育てられなくなった子供を口減らしする為、亜人類が統治する≪ 領地 ≫へ捨てていました 」
マオ
「 酷ぇ……。
親に捨てられた子供達は亜人類に保護されて生き延びてたんだな…… 」
セロフィート
「 亜人類との戦に負けてばかりの人類は、叡智を結集させ科学技術を発展させる事にしました。
科学技術を発展させる事が出来た人類は、亜人類の駆逐を始め、多くの亜人類を大量に虐殺しました。
亜人類を減少させた人類は、再度≪ 大陸 ≫の支配者に返り咲く事になりました。
今から700年程前の出来事です。
科学技術を駆使した人類に負けた亜人類は、奴隷に堕とされ人類に逆らう事が出来なくなりました。
皇帝が代わる度に亜人類の立場も境遇も悪くなり、逸しか亜人類は “ デコル ” と呼ばれる様になりました。
奴隷だった亜人類は、人類が遊びで狩る為の獲物にまで成り下がりました。
現在も捕らわれた亜人類は狩り場に送られ、富裕層達のくだらない娯楽の犠牲者となってます 」
マオ
「 酷い話だよな……。
人類が亜人類に勝った後、亜人類に保護されていた人間達は、どうなったんだ?
同じ人間だし、保護されたのか? 」
セロフィート
「 はい?
当時の人間が亜人類に保護されていた人間を生かす訳ないでしょう。
人類を裏切り亜人類に寝返った反逆者として、亜人類と共に虐殺されました。
反逆者とされた人間達の中には見せしめとして、生きたまま全身の皮を剥がされる拷問を受けた者も居ました 」
マオ
「 ……………………同じ人間に対して迄…………酷いな………… 」
セロフィート
「 700年も前の話です。
昔話ですよ 」
マオ
「 そうだけど……。
気分が悪いよ…… 」