合間
雨降りの合間の夜、
傘を持って歩いた。
先を人に当てないように、
箸みたいに摘んで。
同じように、
持つ人は見なかった。
多くは刀を持つように、
鷲掴みだった。
危ないことはやめて。
傷つくことはやめて、
そっとしておいて。
合間、合間で。
町ん中にいるものだから、
そんなに濡れないでいい。
何処かに潜り込めたら、
しばらくいればいい。
雨降りに
戻っていても、
傘を摘んで歩き出す。
地下街を地下鉄へと。
濡れないようにしよう、
濡らさないようにしよう。
そっとしておいて、
合間、合間で。
どうでもいいこと、たぶん、
そう、たぶん。どうでもいい。
じゃあなぜ、気にかける。
誰かを傷つけるかもと。
いつだって
嫌われないように、
よく思われるように、
雨降りごとの見映。
ほんとの気持ちでいたい。
優しい気持ちでありたい。
そっとしておいて。
合間、合間で。