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第9話 英語の授業

次の日の朝、冴木陽斗はいつもより少し早めに学校へ向かった。昨日の記念配信の余韻がまだ残っており、胸が高鳴っていた。星野ソラが1000人登録者を達成したことで、彼の中で一層のやる気が湧いていた。



教室に入ると、大森美優紀が友達と話しているのが目に入った。美優紀はいつもクラスの中心的存在だ。陽斗は内心ドキドキしながらも、自分の席に座り、授業の準備を始めた。


1限目の英語の授業が始まった。今日はグループ発表の時間で、各グループが準備してきたテーマについて英語で発表することになっていた。陽斗は亮太と同じグループで、緊張しながら自分たちの発表を待っていた。


数分後、美優紀のグループが前に出てきた。美優紀が原稿を手に取り、堂々と話し始めた。その流暢な英語に、教室内は静まり返った。


陽斗は驚きと感心で美優紀を見つめていた。彼女の英語力はまるでネイティブのようで、その自信に満ちた姿が印象的だった。


(美優紀さん、こんなに英語が上手だったんだ…まるでソラちゃんみたいだな…)


陽斗の心に星野ソラの姿がよぎった。ソラもまた英語が得意で、配信中に英語のコメントに対して流暢な英語で返答することがある。その共通点に驚きを感じつつも、陽斗は美優紀の発表に聞き入った。


発表が終わり、教室中から拍手が湧き起こった。美優紀は少し照れくさそうにしながらも、微笑んで席に戻った。隣からは


「美優紀、英語めちゃくちゃすごいじゃん!」


とクラスメイトが声をかけていた。


「小さいころから勉強していて、海外に友達もいるんだ。」


と美優紀が答えていた。


陽斗はその後も彼女の姿を目で追いかけていたが、授業が終わると、亮太が声をかけてきた。


「陽斗、美優紀さんの英語、すごかったな。お前もびっくりしただろ?」


「ああ、本当に驚いたよ。美優紀さんがこんなに英語が上手だなんて、知らなかった。」


「だよな。彼女、かなりの努力家なんだろうな。」


その日の放課後、陽斗は亮太と一緒に帰りながら、美優紀のことを思い出していた。


「美優紀さんの英語、ソラちゃんに似てるところがあるよな…」


「確かに、ソラちゃんも英語が得意だし、美優紀さんも同じようにペラペラだったしな。お前が美優紀さんに興味を持つのもわかる気がするよ。」


「ソラちゃんの切り抜きを広めるために英語の勉強とかもしてみようかな。海外のリスナー向けに英訳した字幕付けて作ったら流行らないかな」


「いいじゃん!でもちゃんと作ろうと思ったらそれなりの英語力が必要になってくるけど、陽斗の英語は・・・」


「やっぱ難しいよな・・・。今まで通り頑張って切り抜き作ることにするよ。」


夢物語を描きながらも現実を見つめる陽斗は、自分の力でできる限りのことを続けるようと心に決めた。切り抜き動画を通じて、少しずつでも星野ソラの魅力を広めていくことが自分の使命だと感じていた。



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