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あめ

作者: らる鳥
掲載日:2024/01/01



 ある朝、目を覚ますと、激しく雨が降っていました。

 ざぁざぁと、大きな音をたてながら。

 枕元の時計を見るとまだ六時。

 もう少しだけ、眠れます。

 朝の布団は温かく、柔らかく、とても優しい。


 もう一度、目を閉じました。

 でも音は、止まることなく鳴ってます。

 ざぁざぁと、それからついでに、時計の針は小さく小さくカチカチと。


 もぞもぞと布団の中で丸まりながら、考えます。

 どうして音が、鳴るのだろう。

 時計の中には歯車があって、噛み合いながら動いてます。

 少しずつ、かち、かち、かち、かち、と回ります。

 多分きっとその、歯車が頑張ってる音なのでしょう。

 もしかしたら、実は違うかも知れませんが。


 なら雨も、恐らくは何か理由があって、ざぁざぁと音を立ててるに違いありません。

 雨が降ってる事を、知って欲しいのでしょうか。

 ちゃんと傘を持って家を出るようにと、音で教えてくれてるのかも。

 どのみち家を出る時には気付くので、余計なお世話な気も、少しだけ。


 目を閉じて、耳を澄ませて聞いていると、ざぁざぁという音も、時々変わります。

 強くなったり、弱くなったり。

 なのにとても単調で……、音が頭に溶けていく。



 ピピピピピッ!

 音が、音が、鳴りました。

 ハッと気付けば、雨音なんかよりずっと大きく、時計が自己主張をしています。

 少し前まで、あんなに大人しかったのに。


 だけど時間を見ると、もう七時。

 そろそろ動く時間でしょう。


 いやいやながらに、もぞもぞと、布団を這い出してみれば、あぁ、ひんやりとした寒さに震えます。

 雨が降ってるからでしょうか、今日は一段と寒く思います。

 だけど雨音は、もうあまり気になりません。


 おはようございます。

 顔を洗って歯を磨いて、朝ごはんをたべましょう。

 そしたら着替えて、出掛けます。

 あぁ、そうそう、傘はちゃんと、忘れずに。


 行ってきます。


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― 新着の感想 ―
[一言] 行ってらっしゃい(*^^*)
2024/09/20 17:19 退会済み
管理
[一言] おふとんの中で聞く音 と聞いて 幸田文の 台所のおと を思い出しました
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