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短編小説どもの眠り場

“光”を宿す少女

作者: 那須茄子

 私は生まれつき目が見えない盲目だった。この瞳は未だ、光というものを知らないでいる。


 ....私自身はというと、それほど気にしていない。なぜなら、私は他の感覚を通じてこの世界を感じ取ることができるから。


 例えば、私は音を通じて物事をある程度理解できる。

 部屋の中で鳴る時計の音や、街中から聞こえてくる車の音、さらには人々の声。それらの音から、私は自分の周りの状況を察知することができた。


 また、触覚も私にとって重要な感覚。指先で物を触れることで、その形状や質感を感じ取ることができる。

 冷たさや温かさ、滑らかさやざらつき。これらの触覚の情報から、私は物の特徴や性質を把握することも可能だった。



 そんな私にとって、音楽だけは他とは違う、特別な存在だった。


 音楽は私にとって色彩となり、私の心を豊かな世界へと誘う。

 ピアノを弾くことで、指先で鍵盤を触れることで、音が奏でられ、私の心も共鳴する。


 その瞬間、心に広がる豊かな音の世界を感じる。


 音楽の世界に没頭すればするほど。

 私の指先が鍵盤を軽やかに奏で、音楽が生まれ、私の心も美しい旋律と共に響く。



 盲目だからこそ、私は他の感覚を研ぎ澄ませ、この世界を感じ取ることができると思う。

 視覚がなくても、私は自分自身の個性としての“光”は、しっかりと見つけている。


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