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第9話 温泉見つける

 畜生道に堕ちた俺は、ドラゴンとしての生を余儀なくされた。

 元居た地球とは違い、異世界への転生となった。

 この異世界に生きるドラゴンは、人間に変化出来るらしい。

 それが出来ない俺は、千尋峡谷へと落とされた。




 俺に、ついて来いと言って、俺の前を歩くドラゴン。

 彼女の名はミーシャ。

 ミーシャはドラゴン目線で言えば、美少女と言える。

 人間の目線では、どのドラゴンも変わらないだろう。

 種族が違えば、個々の変わりなど、大差なく感じるものだ。


 そんなミーシャは、かわいいだけのドラゴンではない。

 この千尋峡谷にて、空を飛ぶ事が出来るのは、ミーシャだけである。

 俺やミーシャを含め、どのドラゴンの翼も、どれも同じ作りをしている。

 この翼で、どうやったら空を飛べるのか。

 俺には分からない。つか、ミーシャ以外、誰も分からない。


「どお?つけられてないよね?」

 俺の前を歩くミーシャが、聞いてくる。


「ああ、近くには誰もいないぜ。」

 俺をどこに連れて行くのか知らないが、ひと気のない所へ連れて行かれるのは、正直怖い。

 だから周りには気を配っている。


「うふふ、あんたを襲うなら、こんな所に連れこんだりしないわ。」

 俺の不安をかぎつけたのか、ミーシャは俺を安心させる。つか、不安をかき立てたるだけかもしれんが。


「いや、そんな事より、この口の砂利っぽさを、なんとかしてくれるんだろ。」

 ミーシャに関わる事に恐怖感はあるが、今は前回地面ごと食べてしまった事への、不快感の方が強い。


「うふふ、私、そんな事言ったかしら?」

 ミーシャはニヤける。

「はあ?言っただろ?」

 俺は反射的に答えるが、確かに言ってない気がする。

 だけどここは、このまま押し通す。口中の不快感が半端ない。


「なあ、頼むよミーシャ。早くなんとかしてくれって。気がくるいそうだよ。」

「うふふ、あんたが気がくるおうが、私には関係ないけどね。」

 ミーシャの言葉にカチンとくる。

 だけどここでミーシャを襲っても、俺が返り討ちにあう。

 ドラゴンの本能よりも、前世の人としての本能が優ってしまう。


「やっぱりあんた、変わってるわね。」

「え?」

 ミーシャが何かつぶやく。俺にはよく聞きとれなかったが。


「着いたわ。」

 俺たちは、絶壁に接した建物跡の前まで来た。

 その建物は他の建物と違い、屋根を残していた。そして半地下構造になっていて、屋根の高さは少し低いが、中の高さは外からの見た目よりも高かった。


「つけられてないわね?」

 ミーシャはもう一度確認する。

「う、と、途中までは。」

 俺は口の中の不快感で、今は周囲の探知が疎かになっていた。

 この不快感、一度意識してしまったら、凄く気になってしまう。

 正直に話さなくてもいい事だけど、つい口走ってしまった。


「そう、途中まで、ね。」

 ミーシャは辺りをキョロキョロ見渡す。

「あんたのそういうところは、信用してるんだけどね。」

 そういうところ?どういうところだろう。


「まあ、いいわ。行くわよ。」

 ミーシャは建物跡の中に入っていく。

 俺も後に続く。


 建物の内部構造は、絶壁内部まで続いていた。

 奥の方にはなんと、温泉が湧いていた。

 お湯が溜まり場から、ちょろちょろ溢れている。


「あ、ありがてえ。」

 俺は溜まり場に駆け寄ると、口を突っ込む。


「ちょ、何してんのよ!」

 ミーシャは俺の首を掴み、お湯から俺の口を出す。


「ごほ、何って、口すすいだだけだろ。」

「すすぐだけなら、こっちでいいでしょ!」

 ミーシャは俺の首を、お湯の溜まり場から流れ出ている壁に、叩きつける。


「ああもう、しばらく使えないじゃない。何してくれてんのよ!」

 ミーシャはなぜか、怒ってる。

 口はすすぎ終えた俺は、ちょろちょろ流れるお湯を飲む。

 そういや、水を飲むのって、この世界に来て初めてだな。

 今までは餌の子羊の血で、なんとかなってたんだろうけど、今度からはここにこよう。

 水さえあれば、そんなに餌は必要ないし。


「あんたにここを教えたのは、間違いだったわ。今度ここで見つけたら、ぶっ殺すから!」

 俺はミーシャに、追い出されてしまった。


 まあ、ミーシャが居ない時に来ればいいか。

ども(・ω・)ノ

いやー、温泉とドラゴンとは言え、美少女。

ときたら、アレですよね。

(・∀・)


今回はそこまで書きたかったんですが、長くなるんで辞めました。

そんな訳で次回は、みんな大好き温泉回です。ヽ(´▽`)/

え?ドラゴンの入浴シーンなんて、どうでもいい?

ふ、甘いですな。温泉回と宣言する意味を、考えてくださいな。

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