第45話 超絶美少女の制服姿
ミーシャの命を狙う刺客が、人間の姿のミーシャの前に現れた。
人間の姿のミーシャも、刺客にバレてしまった。
「で、これからどうしよう。」
俺は今後のミーシャの身の安全を、懸念する。
ミーシャの傷の刻印は消えても、刺客は人間の姿で、ミーシャを認識してしまった。
刺客が何人いるのかは知らないけれど、あのふたりの刺客は、人間の姿のミーシャも襲える。
そんなミーシャを守るのに、俺は完全なドラゴンの姿に戻らないとだめだ。
人前からドラゴンに戻ると、ドラゴンばれで、討伐対象になってしまう。
「うーん、こうなったら、あいつらの近づけない、あそこしかないけれど、」
ミーシャはつぶやく。
どうやら、安全地帯のアテは、あるようだ。
「ねえ、あんたは人間の姿でも、魔素の流れは探れる?あいつらの探知は出来る?」
ミーシャは顔をあげ、俺にたずねてくる。
「いや、ドラゴンに戻らないと、ダメだな。あ、ソーマの泉。」
俺はこのホームと言う建物に、ソーマの泉がある事を思い出す。
ソーマの泉を飲んだ直後なら、人間の姿のままでも、魔素の流れを感じた。
「ソーマの泉か。」
ミーシャはボソッとつぶやく。
「ドラゴニックオーラ全開、ドラゴンの本能むき出しになるけど、まあいっか。」
このミーシャのセリフ、俺にはまあいっかしか、聞き取れなかった。
「まあいっかって、何が?」
聞き返す俺のタイミング悪く、ミーシャはなぜか、ドラゴンに戻る。
「え?何?」
ドラゴンに戻ったミーシャも、タイミング悪く、聞き取れなかったらしい。
そしてすぐさま、人間に変化する。
人間に変化したミーシャは、制服姿だった。
うおー!
元々超絶美少女だったミーシャだが、美少女度300%アップだ!
人間の服装は、ドラゴンにとってのウロコと同じ。
だから人間に変化する時、服装は自在に設定できる。
このミーシャの制服姿は、作画担当の御方に期待しよう!
そしてミーシャの美少女度を300%もアップされたら、ムラムラしないはずがない!
ここは畜生道。本能のままに生きるケダモノの世界!
「うおー!」
俺は本能のまま、ミーシャを襲う。
「ふん!」
ドゴォ!
「!」
ミーシャが右脚で、俺の股間を蹴り上げる!
その衝撃に、俺の身体は一瞬宙に浮き、動きがとまる。
そしてミーシャはその場で後方宙返り。
ミーシャの左足のつま先が、俺のアゴをかすめる。
脳を揺らされた俺は、その場に倒れこむ。
痛む股間を押さえたくても、両手をうまく動かせない。
「甘いわよ、サム。私がどれだけの男を、返り討ちにしてきたと思ってんの。」
ミーシャは俺が仰向けになるよう、蹴り転がす。
そして俺の股間に蹴りをいれる。
「がは!」
かつて経験した事のない痛みが、俺を襲う。
そのまま数発の蹴りをぶち込まれる。
防御したくても、蹴りを浴びるたびに身体は硬直して、腕の動きはとまる。
「今度こんな事したら、潰すわよ。」
ミーシャは俺の股間を踏みつける。そのまま徐々に、体重をかけていく。
「わ、分かった!もうしない!ごめんなさい!」
俺は命の危険を感じ、謝りたおす。
「本当に、分かったの?」
ミーシャは邪悪な笑みで、俺に聞いてくる。
「は、はい!」
俺は目に涙を浮かべ、何度もうなずく。
「じゃあ、今回はこれで、」
と言いながら、ミーシャは俺の股間を踏みつけてた脚を、後方へとゆっくり振り上げる。
「許してあげる!」
そのまま勢いよく蹴りつける!
俺は咄嗟に右に身体を転がし、ミーシャの蹴りをかわす。
ミーシャの蹴りは、俺のケツをかすめる。
「はあはあ。」
俺は上体をおこし、股間を押さえたまま、ミーシャをけん制する。
なるほど。
超絶美少女なミーシャにとって、男に襲われるのは日常茶飯事なのだろう。
護身術のひとつやふたつ、身につけていても、おかしくない。
「う、」
俺は立ちあがろうとするが、股間の痛みで立ちあがれない。
「回復魔法でも使ったら?」
ミーシャは冷めた目で言ってくる。
俺は無言のままうなずくと、回復魔法を使った。
股間の痛みは無くなったが、精神的な痛みは消えない。
「で、その姿は、なんなんだよ。」
俺は気持ちが落ち着いた所で、ミーシャに聞いてみる。
そう、ミーシャが美少女度をアップさせなければ、俺もこんな目に会わなかった。
「これ?リバルド学園の制服。かわいいでしょ。」
ミーシャはその場で一回転。フレアのスカート舞い上がる。
一瞬ムラっとするが、ミーシャが植えつけてくれた精神的ダメージのおかげで、その気になれない。
「リバルド学園?」
どっかで聞いた名前だな。
「そ、リバルド学園は全寮制の学園だから、あそこに入れば、刺客も襲ってこられないのよ。」
「あ、思い出した。あのおっさんが言ってたっけ。気が向いたら来いって。」
「ふーん、ならあんたも来る?リバルド学園。」
「え?」
まさか、このまま学園編に突入する流れか?
畜生道に転生した、ドラゴンの物語なのに?
ども(・ω・)ノ
前々から予言されてた、学園編。
これ、冒険者予備校にしようとも思いました。
そう、冒険者になるための予備校。
現世で言う、小説家予備校みたいな、そこに行かなくてもなれるでしょ、なんで行くのかな。って類いのヤツ。
でも、獅子の穴がそんな感じで、即終わらせちゃったので、同じ事は繰り返せません。
元々獅子の穴編も、熱い学園バトル物を想定してました。
おっさんが言ってたノリで。
でも、女性キャラの出番がないので、早々に切り上げました。かっこわらい
で、全寮制で安全とされるリバルド学園。
ミーシャはなぜそこから逃げだし、千尋峡谷に身を隠したのか。
そして、なぜまた戻ろうとするのか。
その理由が明らかになるのは、数十話あとになりますね。




