表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/272

第19話 魔法の存在

 神の意志の元に産まれる子供。

 それが天啓の子供。

 俺も神から優遇されて転生したが、それと天啓とは違うはず。





「なるほどの、ソーマの泉の魔素でも、正気を保てる訳だ。」

「なに?」


 俺がどんな病魔にも屈しない身体で産まれてきた事を知り、おっさんは何か納得する。


「どう言う事だ?」

「つまりおまえは、あらゆる状態異常に耐性があるって事だ。」

「状態異常?そりゃあ、麻痺とか毒とか呪いとか?」


 なんか知らんが、安易な単語が出てきたな。


「ああ、それに洗脳も平気だろう。」

「じゃあ、普通に獅子の穴に行っても、平気だったって事か。」

「そう言う事だ。」


 うーん、そうだとしたら、ここ数話は何だったのか。

 まあ、ソーマの泉の魔素で、劇的にパワーアップ出来たんで、良しとしよう。


「それよりおまえは、カスミーティア様に会ってるんだろ。何か言われなかったのか、天啓の子供として。」


「うーん、それなんだが、」

 あのくそ女神とのやり取りを思い返しても、天啓とやらに心当たりはない。

「俺以外に居るんじゃないかな、天啓受けたヤツが。」


 俺は前世の事を思い出す。

 俺が人間として産まれるはずだった身体を、天道から堕ちてきたヤツが奪った事を。

 つまり今生でも、似た様な事がおきてるのかもしれない。

 つか、みんな冒険者になりたがるとか、言ってなかったか?

 おいおい、俺はドラゴンに転生なのに、そいつらは普通に人間なのかよ。


「ひょっとして、人間の世界にはギルドとか有ったりするのか?」

「な、何で知ってんだよ。」

「やっぱりか。」


 そりゃ、異世界に転生して、冒険者って言ったら、そうなるよな。

 だったら天啓受けたってヤツは、冒険者のヤツらなんじゃねーのか?


「ついでに、魔法とかあったりする?」

 魔素が大気中を流れてるとか、思わせぶりな要素もあるしな。


「ああ、あるぞ。」

 おっさんはニタリと笑う。

「おいおい、何でそんなに嬉しそうなんだよ。」

 俺はやっぱりかと思うより、おっさんの悪そうな表情が気になった。


「そりゃあ、魔力は人間どもより、俺たちドラゴンの方が上だからな。世間で有名な魔道士ってヤツはみんな、ドラゴンなんだよ。ドラゴンが人間に化けれるって事、知ってる人間はほとんどいないからな。」


 おっさんの言葉から、人間ってバカだろって思いが感じとれる。

 ドラゴン最高種のダーズンドラゴンであるおっさんは、人間よりもはるかに魔力は上なんだろな。


「ついでだ、ちょっと来い。」

 おっさんは俺を連れて歩きだす。


「人間どもは5歳になると、神の洗礼の儀式を受ける。そこで、自分の魔力の属性を知る事になる。」


 俺たちは、とある一室にたどり着く。

 台座に大きな水晶玉が置かれている。


「この水晶玉に手をかざせば、魔力の質と量が分かる。それを人間どもは、カスミーティア様からの贈り物、って言ってんだよ。」

 と言いながら、おっさんは左手をかざす。


 水晶玉は青みがかった紫色になり、眩しく輝く。


 この水晶玉は、触れる者の魔力により、赤、青、緑のどれかに染まる。

 単一の色の場合がほとんどだが、稀に複数の属性を合わせ持つ者も存在する。

 その場合、属性をかけ合わせた色になる。


「さ、おまえもやってみな。」

 おっさんにうながされ、俺も左手をかざす。


 眩い閃光が、部屋中に走る。

 突然の閃光に、俺もおっさんも目がくらむ。


 俺は即座に左手をおさめるが、俺の目には閃光が焼きついている。

 状態異常に耐性がある俺でも、外的な衝撃はダメージを受ける。


「これって、俺の魔力量が多いって事だよな。」

 視力も戻ってきた頃、俺はおっさんに聞いてみる。


「そうだけど、ちょっとおかしい。」

 おっさんは目を押さえながら答える。

 おっさんはまだ、ダメージから回復していないみたいだ。


「おかしいって、何がだよ。」

 そりゃあ、おっさんの光量より凄かったんだからな。


「て、天啓を受けた者なら、黄金色に輝くはず。なのに無色の色だった。」

「無職の色?」

「おまえ、天啓を受けたのか?」


 えと、それに関しては俺、ずっと否定してこなかった?


「そ、それが、俺にもよく分からないんだ。俺はこの世界に無理矢理転生させられただけだから。」

 真っ向から否定しても伝わらないのから、少しひねって伝えてみた。


 おっさんは首を横にふる。

「いけないなぁ、神を悪く言うなんて。」


 むぐぅ、あんなくそ女神、悪くしか言いようがないのだが。


「ん?転生?今おまえ、転生って言ったのか?」

 おっさんはなぜか、転生という言葉に引っかかる。


「えと、言ったけど?」


「そうか、おまえ転生者か。天啓を受けた転生者なら、ドラゴンに転生はありえないな。つまりおまえは、間隙の救世主!」


 うーん、また訳分からん単語がでてきたぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=44752552&size=200
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ