契約
知らない天井、横を見ると全てを反射してしまいそうなほどキラキラ輝いている銀髪の同い年くらいの少女がいた。
裸で...裸で!?
ちょっと待って、よくラノベとかで見るけど現実だと声が出ないんだけど。
冷や汗をダラダラとながしていると隣の美少女がもぞもぞと動き出した。
「?まだ朝ですよもっと寝よ〜」
裸の美少女が抱きついてきた
「!?!?!?」
まずいまずいさっきは状況がまったく分からなかったから反応してなかったけど今はもう息子がフルで起立している着席しろっ!頼む!。
全力で腰を美少女と逆の方向に向かせているがそれに合わせて美少女がこちらに抱きついてくる。
いい匂い、肌スベスベ、髪の毛綺麗、胸がでかい、まつ毛長い。
息子を着席させようとする程、淫らな考えが頭によぎる。
「お嬢様起きる時間です。」
優しい声音のお爺さんが入ってくる。昨日、美少女の隣にいたような気がする。
「わかったわ」
美少女が僕から離れてトコトコと部屋から出ていく。え?僕置いてけぼり?状況説明もなく?
「お嬢様は行きましたね。」
お爺さんがこちらに歩いていくる。
「すみません、いきなり倒れたものですから、許可を取らずに家に入るのもあれかなと思いお嬢様の住居に運ばせてもらいました。」
「は、はぁ」
何となく状況はわかった。でも何で僕を買ったんだ?まず信じる人なんて1人もいないと思っていたし。
「なんで僕を買ったんだ?という顔をしていますね。」
えっ?怖、エスパー?
「実の事を言うと私とお嬢様の事情が絡まってきます。」
「私は残り3ヶ月程度でこの執事という仕事を引退するのですが、その後継者を探している時にあなたを見つけました。」
僕よりも他に美少女にピッタリな執事なんかいくらでもいると思うのだが。
「そう!あなたなんかより優秀な執事はいくらでもいるはずなんですよ!」
本性表しやがった!こいつ!しかもまた俺の心を読んできた。何?執事になったらエスパーになれんの?
「だけど、お嬢様に会った若い執事はお嬢様の美貌に惚れてしまい襲いかねない、じゃあ女にしようと思っても女の執事がまず居ない。そこであなた!」
「私、趣味で古着を買っていまして。フリマアプリのまる狩りでおすすめ欄に何故かあなたが出てきてお嬢様に相談して」
「あなたの生い立ちなら大丈夫とお嬢様が確信していたので買いました。」
「な、なるほど?でも僕礼儀作法なんて何も知りませんよ?」
親が俗に言うDQNなので礼儀についてなんか
何も言われなかった、まず僕のことを見てもらえなかった。だが僕は父さんの方に性格が偏ったのか一般人程度には礼儀を弁えているつもりだ。
「今は何月ですか?」
今は5月21日、最近は日本の平均気温がバンバンと上がってきて迫り来る夏を感じさせる。
後1ヶ月で夏休みでクラスの人達も先生も消化試合とばかりに適当に授業を受けている。
「5月です。」
「そう!後1ヶ月で夏休み、お嬢様との17年間をあなたにみっちり教えこみます、休めると思うなよ?」
『ぐううぅ』
腹が鳴る、それもそうだ3日間断食したようなものだったのだ腹が鳴らない方がおかしい。
__________
「うまっ」
運ばれて来た料理の美味しさに思わず舌鼓をうつ。
1年振りのちゃんとした食事、思わず涙が出そうになるが胸の底に閉まっておく。
なぜなら
「あ、あのぅ」
「なーに?」
にっこり笑顔で僕の方を見る美少女、僕の顔はそんな面白くなるほどブスではないと思っていたのだが
「僕の顔ってそんなに面白い顔してますか?」
「別にむしろイケメンさんだと思うけど」
「そ、そうですか。ありがとうございます。」
執事の爺さんがトコトコと歩いてきて僕の耳に喋りかける。
「おいくそ坊主ぅお嬢様に色目使ってんじゃねぇぞゴラ!」
怖すぎぃぃ、僕なんもしてないじゃん!なんだよコイツ元ギャングかなんか!?
「お、お嬢様お名前を聞いても?」
よし、こういう時は無視、無視が一番、右側に般若の顔をしたガタイのいいお爺さんがいるけど無視
「あら、言ってなかったわね私は千秋雪、セツでいいわよ」
「で、ではセツさん僕が執事なんかでよかったんでしょうか?」
「言い訳ねぇだろくそ坊主ぅもの考えてから言えやゴラ、"お嬢様''だろおい!」
ひぃぃぃぃ、もうヤダこの人裏表明確すぎでしょ
「むぅぅ、セツでいいのに」
「そうね!そう!あなたがいいの!あなたが好きなの!」
「だから、彼氏兼執事がいいの!その方がずっと一緒にいられるでしょ?」
「でもね、これで司と付き合っても性奴隷と変わらないの」
性奴隷!?なんでお嬢様がこんな言葉知ってるの?
「あ、でももう司ら私のものだからルール作ったの逆らっちゃダメね」
目が笑ってない...もしかしてお嬢様ヤンデレと言う奴か?
「ルールというものは?」
セツさんが紙を広げて僕の方に見せてくる。
1.女の子と1分以上触れ合っちゃダメ
2.女の子とお出かけしちゃダメ.....
後4つくらいルールが書いていたがあまりにおぞましく見ない為に目を逸らした。
「ルール破ったらお仕置ね☆」
「あ、ちなみに司が住んでいるアパート契約切っておいたから」
「えっ」
今なんて?もしかして僕っておもちゃだった?住む場所を無くし遊ぶつもりだったのか
結局、僕の人生はこんなものかお金持ちに、期待させるだけさせられて外で死ぬそんな人生か。
「一緒に住むの」
「えっ」
「部屋は一緒、寝る場所も一緒」
「えっ」
「とりあえず今のあなたは髪がボサボサなので髪を切りに行きましょう。」
「あ、はい」