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1 侵入

 甲高く耳障りな音を立てて、電車は停まった。

 到着を告げるアナウンスもなく、画面は静止ししばらくの間時間が停まったかのような。

 ややあって、ドアが開き一人の男がホームに立った。

 男は穏やかな笑みを浮かべ、辺りを見渡す。シンプルな白いTシャツにジーンズと身軽な格好であり、鞄の類も持っていない。

 古ぼけた無人の改札口を通り抜ける。外に出て、緑喧しき風景を首をぐるりと巡らして眺めつつ、男は独り呟いた。


「今度は、こんな世界か」


 

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