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3つの宝石  作者: oga
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戦闘開始

12時までに終わらない~

 しばらく時が経ったのを見計らい、クロードたちは滝つぼへと向かった。

その手前で、木に登って状況を確認する。


「婆さん、グリズリーとゴブリンが交戦中だ!」


 グリズリー1匹に対し、ゴブリンは10匹。

さすがにグリズリーが不利かと思われたが、そんな考えを払拭するかのごとく、腕を一振りしただけで、2,3体のゴブリンが吹き飛んだ。


「小僧、ゴブリンの配置を教えろ!」


「……暗くてわかりにきーけど、一匹、滝つぼの前に陣取ってる奴がいんな」


 降りてこい、と言われ、一旦地面に降り立つ。


「今見張りがいる付近に、もしかしたらコロボックルの里への入り口があるかも知れん」


「……でも、周りには岩肌と川しかねーぞ」


「……なら二択じゃ。 滝の裏か、川の中に道があるはず!」


 




 剣を抜いて、縄張りギリギリまで近づく。

縄のかかった木の裏に隠れ、クロードは深呼吸をした。

 剣の扱いに関して、クロードは全くの初心者であり、手練れのゴブリンを倒すには、奇襲以外にはない。


「……婆さん、ついて来れるか?」


「心配は無用じゃ」


 グリズリーの雄叫びが響き渡る中、クロードは地面を蹴り、見張りのゴブリンへと駆けだした。


「……!」


 相手に気づかれるも、他のゴブリンはグリズリーで手一杯である。

不意を突くことには失敗したが、1対1のチャンス。

お互いの間合いの手前で立ち止まり、クロードは剣を構えた。

相手の武器は、腰から引き抜いたナタだ。


「うおらあああーっ」


 クロードが躍りかかった瞬間、顔面に火の粉が散った。


「ぶあっ!?」


 ゴブリンは、近くのたき火を蹴り上げた。

思わぬ目眩ましに、クロードはパニックになった。


(しまっ……)


 その時、蹴り上げられた火の粉とは比べものにならない程の熱風が前方から巻き起こり、クロードは尻もちを着いた。

目の前のゴブリンからは炎が上がり、耳元では聞いたことのない女の声がした。


「あんたみたいなだらしない冒険者、初めてだわ」


 振り向くと、そこにいたのは老婆ではなく、女性。

しかも、盗賊のような格好をしている。


「老婆はただの変装よ。 私はキャット。 宝石泥棒なの」


 キャットと名乗った女の手には、赤いルビーのような宝石が握られていた。

宝石を覗くと、中でメラメラと炎が巻き起こっている。


(ただの宝石じゃねぇ……)


 キャットは、そのまま滝つぼへと消えた。 

 




 




 


  

 

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