表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3つの宝石  作者: oga
13/27

ブラックについて

「ブラック、ダイヤモンド!?」


 目の前の男は、一体何者なのか?


「君の頭の中を整理するために、経緯を説明しよう。 順番に話をした方が、分かり易いだろうからな」


 ブラックは、これまでのことを語り始めた。





 

 ブラックは、世界を放浪する医者であり、同時に、レアアイテムを集めるコレクターでもあった。


 ある日、5つの宝石の話を聞き、それらを集めようと思い立つ。

レッドストーンがオークションに出品される話を聞きつけ、多額の資金を支払い落札したが、宝石を何者かに盗まれた。

その犯人こそ、会場の客になりすましたキャット

であり、その日から、ブラックは彼女を追っている。


 しかし、相手は変装の達人であり、そう簡単には見つからない。

確かなのは、キャットがブルースフィアを狙っている点であり、ブラックは先回りして待ち伏せすることにした。


 三面記事を読み、船長の近辺を張っていると、案の定、キャットが現れた。

しかし、同時にクロードも現れ、迂闊に近くことが出来なくなる。


 諦めずに、レストランで隙を窺っていると、船長がナス湖の竜神に手を出そうとしている話を盗み聞きする。


 以前、ブラックは、ナス湖のブルースフィアを手に入れるために、情報を集めていた。

サハギンのマントを売る店主から話を聞き、ナス湖の底にはサハギンの都があることを知る。

更に、その都を守るために、竜神がいるとのことだ。

 ブルースフィアは、都の社に祀られている。


 ブラックは、しめたと思った。

勝手に竜神に挑み、やられてくれれば、後で海の底を探って、キャットの亡骸から宝石を回収してしまえばいい。

店主から譲り受けたサハギンのマントを着れば、水中で呼吸できる上に、竜神の目を欺くことができる。


 朝になり、船長一行を尾行していると、ゴブリン荒野でクロードが囮にされるシーンを目の当たりにする。

 キャットは周りの男を手なずけ、利用する。

哀れだな、という気持ちもあったが、自分は医者である。

もし命が助かるのなら、そうするべきだと思い、ゴブリンが身ぐるみを剥いで立ち去った後で、地面に伏したクロードの元にやって来た。





「……という経緯だ。 理解出来たか?」


「……ん?」


 鼻くそをほじるクロードに、たき火の木を一本取りだし、投げつけた。


「ぶわっ!? おまっ、危ねーだろっ!」


「せっかく分かり易く話してやったのに、聞いてなかったのかっ!」


「ふざけんな、お前の話、面白くねーんだよ!」


 お互い立ち上がり、取っ組み合いのケンカとなる。


「うらあっ」


 クロードは、ブラックの胸ぐらを掴み、投げつけた。

ぬかるんだ地面に仰向けに倒され、背中が泥まみれになる。


「貴様…… 俺はお前の命を助けたんだぞ! 本来なら、金貨一万枚を請求している所だっ」


「知らねーよ、お前が勝手にやったことだろ」


 ブラックは立ち上がり、はあっ、とため息をついた。

もし、自分に泳げない、という欠点がなければ、ここまで食い下がらなかっただろう。


「……何にしても、協力してもらうぞ」 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ