ある装置
博士が取り出した装置は、一辺が1メートル四方の銀色をした箱形で、複数のスイッチやダイヤル、計器類が付いており、上部には小型のアンテナがあった。
博士は慣れた手つきで、銀色の装置に備え付けられたスイッチやダイヤルを操作し始め、装置はそれに従い、「ウィンウィン」と軽快な音と共にアンテナを回転させた。
そんな様子を見ていた助手が博士に聞いた。
「博士、これは一体何の装置ですか?」
「この装置は、回転する小型のアンテナから、ある特殊な電波を発信するのだが…」
その先を、博士は言いづらそうに続けた。
「問題は、発信する電波があまりにも特殊なので、私にも未だに効力がわからないという点で…」