7.恵
「どこが安全かな」
俺が呟くと恵は口を開ける。
「わかりませんが、ゆうとさんといると不思議と安心します」
可愛らしく言う恵にドキリとさせられてしまうが、首を振り安全な場所を探す。
ショッピングモールとかは占領されてるしなぁ・・・・・・やっぱ家しかないか。
結論に到り、恵の方を向いて聞く。
「恵の家って・・・・・・どうかな・・・・・・?」
言うと、恵は少し俯いてしまう。何かまずいことでも聞いたのかな。心配になったが、恵は顔を上げると笑顔で言った。
「はい、大丈夫です!」
×××
「おぉ、広いな」
今は恵の家にいる。これがなかなかな広さで驚いた。道中にゾンビは何百と出くわしたが全て避けていった。
その間ずっと恵の手を握っていたのだが、理性が・・・・・・。
手を繋いでいただけだというのに、もう一人の俺が暴走しだしそうなほどだった。それほどまでに恵は可愛い。
「あのー・・・・・・着替えたいんですけど・・・・・・」
顔を赤らめ、恥じらいながら言う恵に顔を背ける。
「あっ、ごめん!出るね」
「あ、はい。すいません」
そう言って部屋を出る。さっきの部屋は恵の部屋で、二階である。
ドアは閉めたが、ドア越しに着替えの音が聞こえてくる。
シュルシュルと服を脱ぐ音なのか、ブラを取り外す音なのかは俺にはわからないが、どうにも興奮してしまう。ドアの向こうには裸の恵がいる。鍵は付いていなかったため、見ようと思えば見ることができるが俺にそんな度胸はない。
「・・・・・・」
ゴクリと唾を飲み込む。ドアノブに手をかけ、決心する。
(開けよう・・・・・・)
瞬間、ドアが開く。
「着替え終わりました!どうぞ」
笑顔で言う。着替えた服装は、なかなかなもので、胸の谷間が見えている。前かがみになったら全てが露わになるのではと思うほどであったが、そうなった場合俺も前かがみになってしまう(意味深)。
「はは、早いね」
残念な気もするが、安心もした。あのままじゃ開けていたな、と自身に語り反省する。俺、もう少し我慢しろよ・・・・・・。
さっきも思ったがこの部屋いい匂いするな。女の子らしい部屋だし。まぁ、女の子の部屋初めて入ったけど・・・・・・。
俺がきょろきょろしすぎていたのか、恵が注意する。
「あの、そんなにまじまじ見られても困ります・・・・・・」
もじもじしながら言う。少し体が揺れるだけでぷるんと揺れる上物に見惚れてしまい、また追加で怒られた。
「・・・・・・どこ見てるんですか。・・・・・・変態!」
そう言って恵は一階に下がって行った。ドンっとドアを閉めていたため、怒っていることはわかった。・・・・・・やらかした。
どう謝ろうか。
悩んでいると、恵の悲鳴が聞こえた。
「っ!」
急いでドアを開け、一階に飛ぶように走る。階段でこけたが即座に立ち直し恵のもとへ走る。そこにゾンビや人の姿はなく、ただ恵がへたりこんでいるだけだった。
「どうした!?」
俺の緊迫した声に驚いていたが、恐る恐る指を指す。あそこを見ろってか!?なにがあるんだ!?
指す方向へ目をやる。
黒い物体。カサカサと動いている。黒光りした綺麗な光沢を持っており、羽が収納されている。
「・・・・・・なぁ、新聞紙あるか?」
その後は新聞紙で叩き、駆除した。
「はぁ・・・・・・何事かと思ったわ!」
呆れた。心配して損した、正体はあのゴキさんかよ。
「だって、だって・・・・・・恐ろしいもん!」
意味の成さない理由に違和感を覚えつつも、それで納得する優しい俺。
恵の目には滴が溜まっていたため、説教することを躊躇してしまっただけではあるが、しょうがないかとため息をつき何事もなかったかのようにする。
「ご、ごめん、なさい」
「いや、いいよ。ゾンビとかじゃなくて安心したよ」
俺の精一杯のやさしさ。恵は顔を綻ばせ、俯いた。顔はわからないが、耳はすごく真っ赤である。頬に熱さを感じたのか、俯かせたままそそくさと自室へ閉じこもる。
俺は玄関や窓の戸締りを確認してから飲み物を上まで持っていってやっ