15.警察署にて 拳銃~
と、まぁ警察署へ行くことが決まったので近所の警察署へ向かっております。
「・・・・・・なぜ警察署なんですか?」
当然の質問ごもっともです。俺にだって考えはあるんだよ?
「あれだよ、拳銃。恵だって襲われたとき拳銃があったほうがいいだろ?」
俺の答えに恵は顎に手をやり考える動作をしてからウンと頷く。
「なら警察署がいいだろう、あそこならいっぱいありそうだよ」
「まぁ・・・・・・そうですけど。でも危なくないですか?」
「ん?ゾンビか?警察署にウジャウジャいるかも知れねえけど、まぁいいだろう」
「いや、そうじゃなくてですね・・・・・・。拳銃なんて扱ったことありますか?ないですよね、暴発とか色々怖いじゃないですか・・・・・・」
「いや、あるよ。拳銃なんて常日頃から使ってたよ」
俺がそう言うと恵は目を大きく見開く。
「そうなんですか!ゆうとさんって結構頼りになるんですね」
結構ってなんだよ、バリバリ頼りになるだろ。と、その結果、警察署で拳銃を手に入れることを許可された。もちろん、俺は拳銃なんて扱ったことがないし直で見たことなんてない。
「では、いっきましょーう!」
恵は何やら楽しそうに張り切っている。なんか性格変わってきてない?気のせいかな。
「おう」
×××
「暗いですね」
「そうだな」
今俺たちは警察署の内部へと侵入を成功した。というと格好いいが、ただ単に入口が開いていたので普通に入っただけだ。不用心なことで。
警察署へ行く道中、ゾンビを見かけはしたものの、殺すことはしなかった。
「ひどい有様ですね・・・・・・」
呟いた恵の方へと向く。その先は、警察関係者の血と思しき赤い液体がダラダラと地面に絵をかいていた。その光景はひどい殺し合いだったと想像できた。同じ警察関係の人を拳銃で撃ち、ゾンビの餌食にしたであろう痕跡が残っていたからだ。
「そうだな」
恵の言葉に返事を返し無視して進んだ。
「それにしても扉がいっぱいですね。なんなんでしょうか」
「さあ」
「あ、こことかは」
「いや、そこは違う」
否定すると恵は頬を膨らませて拗ねている。
「どうした?」
「なんでもありません」
力強く言われて一瞬びびったわ。どうしたんだろうか・・・・・・。
「あ、あの扉ちょっと違いますね、何かあるかもしれませんね!」
「どうだろうな」
言ってその扉を通りすぎる。すると恵は驚いた様子を見せ、鋭い目で俺を睨む。
「さっきから何なんですか!なんでそんな愛想のない返事しかしないんですか!」
「えっ。あぁ、さっきからムスっとしてたのはそういうことか」
やっと理解できた。なんで怒ってんのかなーと思ったけど。やっと理解できた俺が安堵すると恵は俺の方を見て言った。
「誰がブスですか!」
いや、古いよ。
「ここは・・・・・・」
恵がぼそぼそと呟く。俺たちの目の前にあるのは拳銃のより取り見取り大セールだ。こんな表現では理解に乏しいとは思うが実際そうなのだよ。たくさんの拳銃が壁に掛けられており、ショットガンや他の銃まで揃っている。いや、ランチャーはまずいでしょ。
「・・・・・・どれにしますか?」
「そうだなぁ・・・・・・」
どれがいいのだろうか?俺わかんない。とりあえず普通の警察の人が持ってるハンドガンでいいか。
「これが安全でいいぞ。初心者にはこれだ」
まるで自分は銃のスペシャリストかのように振る舞う。
恵は目をキラキラとさせて、
「すごいです!ゆうとさんって本当に銃の扱いに慣れてるんですね、正直疑ってました」
「はは、まぁいいよ」
笑い飛ばして誤魔化すが、誤魔化しきれるわけもなく、
「どうやって撃つんですか?」
「・・・・・・ワカラナイ」
答えると恵はシレーっと冷たい目で俺を睨みため息をついた。
いや、銃って難しそうじゃん?しょうがないじゃん!そりゃ、嘘ついた俺も悪いけどさ、でもしょうがないよ!
銃の取扱説明書が机の上にあったためそれを見て使い方を俺と恵は覚えることに成功した。もう完璧です。
「試しに、ゾンビ撃ってみます?」
その目は輝いており、反論することを許してくれない、そういった目をしていた。
「わ、わかった」
そう答えずにはいられなかった。