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フラスコの中の少年 ――異世界で過ごす夏休み!――  作者: 奥野 丁路
第三章【空中都市とクレスケンス大陸】
9/25

02

「よう、随分遅かったじゃないか。迷ったのかと思ったぜ」


 お使いのご褒美に、犬型ホムンクルスに干し肉のようなものを投げてやる。ホムンクルスはそれをくわえると尻尾を振りながら廊下を走っていった。


「で、どうだった? 風呂を見た感想はどうだ? お前の世界とは違うものだったか?」


 ウォルターは好奇心に目を輝かせている。待たされた事については気にしていないようだ。


「いえ、僕が知るものと大差なかったです」

「そうなのか? ……ふーむ、大差ないか……そうかそうか、大差ないのか……」


 興味深い、といった表情で頷いている。今のウォルターからは昼間のような狂気を感じられない。勇気を出し、伊織からも質問を投げかける事にした。


「ウォルターさん、イタリアかスペインという国を知りませんか?」

「イタリア……? スペイン……?」


 記憶を探るようにウォルターが目をつむる。


「……いや、知らんな。というより、そういった国はこの世界に存在しない」

「じゃ、じゃあ……イギリス、フランス、ポルトガルは?」

「…………それらの国も存在しないな。ところで、それはお前の世界の国々か? だったら違う世界であるこちらに存在する訳がな――――いや……そうとも言い切れんか」


 否定しかけたが、何故かそれを途中で取り消した。その言葉に何処か不自然な物を感じ、伊織は怪訝な表情を浮かべる。


「イオリ、お前には一ヵ月俺の従者として働いてもらうが、お前の一番重要な役割を伝えておこう。なに、難しいことじゃない……だが、異世界から来たお前にしか出来ない事だ」


 いったいどんな無理難題を言われるのか。伊織は不安げにうつむいた。


「お前には雑用がてら、色々とこの世界の事を見て回らせるが、元の世界と似たものがあれば何でも良いから教えてくれ。とにかく時間の限り、片っ端にだ」


 その言葉に伊織はホッと胸を撫で下ろしていた。ウォルターは『時間の限り』と言った。それはつまり約束の期限を違えるつもりはないという事だ。


 もしも第三者が見れば伊織をお人好しと言うかもしれない。だが、ウォルターが約束を守ってくれるのなら自分も頑張ろうと思えた。

 本来無理やり呼び出された伊織にそんな義理は無い筈なのだが、『ノ―と言えない日本人』気質とでもいうべきか、素直に頑張ろうと決意していた。


 しかしそうなると、細かく内容を確認したくなるのが優等生というものだ。


「あの、『似たもの』って何でも良いんですか? ウォルターさんが何を知りたいのか教えてもらえれば、それに関する事に注意しようと思うんですけど……」

「……ふむ。俺の知りたい事、か――――」


 言葉を区切り、しばし黙考する。


「いや……余計な先入観は無い方が良いだろう。それに、お前が些細な事だと判断し、報告しなかった事が重要な情報の可能性もある。とにかく片っ端から教えてくれ」

「何でも良いんですか? それはそれで凄い量になりそうなんですけど……」

「ああ、何でも良いぞ。さっきの質問といい、既に思いつく事があるんじゃないか?」


 そう、似ているものなら既に見付けている。建物の雰囲気や調度品、食材に料理の内容、極めつけは話している言語だ。異世界だというのにあまりに似すぎている。


「え、と……ちょっと気になったんです。ここは異世界の筈なのに、まるでヨーロッパみたいだな、って……」

「ヨーロッパ……? 聞いた事が無い言葉だが、それも国名なのか?」

「国と言うか何と言うか……この館を見て回った感想なんですけど、ヨーロッパ大陸の文化によく似ている気がして……」

「ヨーロッパ大陸……? よくわからんな……よし、ちょっとこれを見てくれ」


 そう言ってウォルターが取りだしたのは、一枚の地図のような紙。地図の『ような』といったのは、伊織はそれに見覚えが無かったので地図だと確信できなかったためだ。


「これがこの世界の地図なんだが、ヨーロッパとやらに当てはまる地域はあるか?」


 地図に書いてあるのは、三日月型の大陸と月でいう『欠けた部分』に浮かぶ幾つもの島々。


「いえ……これは僕の世界の地図とは違います……あの、まさかこの世界の陸地ってこの大陸だけなんですか?」

「ああ、その通りだ。地球儀でもあればわかりやすいんだがな」

「『地球』儀……なら昼間に空に浮かぶのは『太陽』で、夜に空に浮かぶのは『月』ですか?」

「正解だ、が……なるほどな。二つの世界は大陸の形こそ違えど、同じ太陽系には変わりないという事か……なら気候や重力といった環境も同じと考えて良いだろう……しかし、それなら何故大陸の形は違うんだ……?」


 伊織の質問から、二つの世界の構造が非常に似通っている事を察したようだ。宇宙規模という非常に大きな視点から見れば同じでも、大陸の形が違うのは人間視点では大きな違いだ。


「僕の世界の大陸は幾つにも分かれてて、その大陸ごとに文化が違うんです……それで、その中の一つがヨーロッパ大陸で、その中の一つの言語がこの世界で使われてるんじゃないかと思ったんですけど……」

「その中の一つ……? まさか、言語が複数あるのか?」

「それは、まあ……複数どころか、だいたい国ごとに違いますから。百以上はあるんじゃないでしょうか」

「なんだと!?」


 何の気なしに答えた内容に、ウォルターが初めて驚きの表情を浮かべた。伊織には当たり前の事なのだが、ウォルターには考えもしなかった答えのようだ。


「馬鹿な……国ごとに言語が違っていたのでは、どうやって意志の疎通をするというのだ……もしかして、それらの言語はほとんど違いが無いのか?」

「いえ、確かに似た言語もあるみたいですけど、大半の言語に互換性は無いんです……少なくとも、僕が話せるのは日本語だけですし……」


 後は学校で習う英語くらいか。だが、それもあくまで試験のための英語であり、それを使って会話できるかと言われると自信がない。


「ただ、一応英語というものが世界の公用語として扱われているので、意志の疎通ができないという訳ではないんです」

「……なるほど……考えてみれば、確かにそうかもしれんな。文化が違えば言語が違ってもおかしくない。だが、それなら何故この世界は……陸続きだからか? ……いや、それなら諸島の言語は違っていた筈……だが俺達が普段使っている言語は一つだけだ……天上も地上も同じ言語を使っている……」


 伊織はこの時初めてウォルターが常人離れした知性の持ち主なのだと実感した。伊織の言葉はこの世界の常識ではありえないものだったようだが、ウォルターは瞬時にそれを受け入れ、その上でこの世界との相違の理由を考えている。


 そんな馬鹿な。有り得ない。そう一笑に付す事も出来ただろうに、そうしなかったばかりか、論理的な考えから今までの常識の方を疑っている。識者はえてして頭が硬くなるものだが、ウォルターにそれは当てはまらないようだ。


「あの……やっぱり、僕の世界とこの世界は似てるようで違うものだと思うんです。出来れば、今度はこの世界の事を教えてもらえませんか?」


 どれだけ世界の構造が似ていても、この世界と元の世界には明らかな相違がある。その一つが『ホムンクルス』であり、それを扱うと思しき『天道術』と呼ばれる技術。


 状況に流されるままで、ろくに質問も出来なかった伊織でもわかる。この世界の社会の根本は、元の世界とは全く違うものなのだ。


「世界の説明、か……言われてみれば、なかなか難しいな。常識を言葉にして説明する機会などそうそう無いからな……さて、どこから手を付けたものか……」


 口にしてから、伊織はちょっと曖昧すぎる質問だったかと悔やんだのだが、ウォルターは文句も言わずに真剣な表情で自らの考えをまとめようとしている。


「……よし、取り敢えず社会システムから説明していこうか。世界を知るには、社会の成り立ちを理解するのが一番の近道だろうからな」


 そう言うと、ウォルターは世界地図を指し示した。示したのは伊織も気になっていた部分。三日月形の大陸に時計の文字盤のような物が描かれていた。等間隔に並ぶ、一から十二までの数字とそれらを結ぶ円の軌跡。

 ウォルターはその数字の中から、十の数字を指差している。


「まず初めに、今俺達がいるのがこの第十空中都市メルクリウスだ。空中都市は全部で十二あり、円の軌道で時計回りに移動している。一ヵ月移動した後、一ヵ月その場に留まり――――」

「ちょ、ちょっと待って下さい! 『空中都市』って、まさか空中に浮いている都市って意味なんですか!?」


 話の途中だったが、伊織は思わず声を上げていた。元の世界にも空中庭園というものがあったが、当然の事ながら空中に浮かんでいる訳ではない。高所に作られている事を『空中』と言い換えただけのものだ。

 だから何度か話に出ていた『空中都市』という言葉も、高所に作られているだけだと考えていたのだ。だが、どうやらそれは間違いだったのかもしれない。


「ああ、空に浮かぶから『空中都市』なんだよ。それ以外になんだと思ったんだ?」


 不思議そうにしているウォルターに伊織は言葉が見つからない。


 有り得ない。空中都市がどんな大きさなのかはわからないが、そもそもこの建物一つ浮かべるだけでも不可能な筈だ。


「ち、ちなみにどれくらいの高さに……?」

「そうだな……正確な数字は俺も知らんが、雲の高さと思ってくれ」


 伊織は絶句した。今までこちらの世界で見たものは、まだ元の世界でもやろうと思えば出来るかもしれないと思えるレベルだった。ホムンクルスも遺伝子操作した動物と思えばまだ納得できる。立体型の魔法陣もホログラム的な技術の応用で何とかなる気がする。


 だが、これは別だ。常軌を逸している。


「ま、お前が驚くのも無理は無い……それに、これに関しては俺も疑問を抱いているしな」


 その理由をウォルターが説明する。空中都市を空に浮かべているのは天道術によるものだが、それの再現は現在では不可能らしい。なので新しく空中都市を増やす事も出来ない。


「空中都市にはそれぞれ管轄の研究分野が割り振られている……この第十空中都市メルクリウスなら科学や商業、第十一空中都市ネプトゥヌスなら治水、といった具合にな」

「え……治水、ですか?」


 空中に浮かぶ都市で治水を研究する。河川の氾濫もないだろうに必要なのだろうか。


「なかなか鋭いじゃないか、イオリ。その通り、ネプトゥヌスは自分達のために研究してる訳じゃない。そして、それはネプトゥヌスに限った話ではない」


 ウォルターは説明を続ける。


「俺達、空中都市に住む『天上人』は、天道術の研究によって得た成果を地上に住む『地上人』に分け与える義務がある。その対価として、地上人は俺達に物資を献上するという訳だ。これがこの世界の基本的な社会システムだな」


 空中に浮かぶ都市で生活するには物資の供給が必要だ。それを地上に住む人間が担い、天上に住む人間は知恵を授ける。一見理に適っているようだが、本当にそう上手くいくのだろうか。


「でも、地上に住む人が自分達で生活できるなら、わざわざ空中都市に物資を渡す必要も無いんじゃ……?」

「もちろん地上人には地上人の社会がある。だが、天道術を扱えるのは天上人だけだ。だから、どれだけ努力しようとも……地上人に天上人の真似はできない」


 そう呟きながら、再び世界地図を指し示す。


「この地図にふられた十二の数字が空中都市が留まる地点だ。一ヵ月この地点に留まり、次の一ヵ月で次の地点に移動する……さて、何か気付く事は無いか?」


 地図には都市名らしきものも記載されている。そして、それには明らかな偏りがあった。


「……空中都市が留まる地点に都市が集中してる……?」

「その通り。地上人は天上人の恩恵に依存しているんだ。だから、空中都市が留まる地点の周囲に人が集まり、結果その地は栄える事になる……そりゃ、努力せずとも結果を得られるんだからな、喜んで物資も献上するってものだ」


 この世界の構造は、特権階級にありがちな一方的な搾取ではないようだ。少なくとも、相応の恩恵を地上人は受けているらしい。


 地図を見ていた伊織はあるべきものが無い事に疑問を覚えた。


「……この地図って、国境は記載されてないんですね。この大陸にはどれくらいの国があるんですか?」


 しかしウォルターは怪訝な表情を浮かべている。


「国境……? ああ、もしかして城壁の事か? 流石にそんな細かいもんまでは載せないぞ。これは世界地図なんだからな。それに、悪いが都市の正確な数もわからん。小さい都市なんかはわざわざ載せないんだ」


 おかしい。話が噛み合ってない気がする。


「都市の数じゃなくて国の数を教えて欲しかったんですけど……」

「……? だから、都市国家の数だろ? 違うのか?」


 ウォルターの口ぶりだと、まるで都市=国のように聞こえてしまう。都市は城壁に囲まれており、それが国なのだと。どうにもピンとこないので、そのまま尋ねてみる。


「ああ、まさにその通りなんだが。お前の世界は違ったのか?」

「え!? だって、それだと都市以外の土地は誰のものでも無いって事になりますよ!?」

「その通りだが?」


 何を当たり前の事を。呆れ顔はそう言いたげだった。


「え、それじゃあ……勝手に空いてる土地を自分のものにして良いんですか……?」

「別に構わんぞ。ただ、事前にユピテルに申請する必要はあるがな」

「ユピテル……?」


 知らない言葉だ。たまにウォルターが口にしていた気もするが、意味はわからない。となると、これは共通語ではなく天上語なのだろう。


 ふと口に出しただけなのだが、ウォルターの表情があからさまに不機嫌なものへと変わる。


「ああ……第一空中都市ユピテルだ。ここはかなり特殊な空中都市でな……特に研究分野がある訳ではなく、『管理』を担っている」


 もし地上の都市国家間でもめごとが起こった時は、ここが調停に入り解決する。そして、ユピテルの『管理』は地上だけに留まらず、各空中都市の『管理』、ひいては天道術さえも『管理』しているらしい。


「空中都市を新たに造る事は出来ない、とさっき言ったよな。その原因がここだ」


 忌々しげにウォルターが歯を軋ませる。


「天道術は日々進歩しているが、ユピテルは世界で使われる天道術を全て観測している……そして新しく観測した術で、自分達の『管理』に不都合だと考えたものは禁術に指定し、それを使えなくする事が出来る……そう、例えば『異世界の住人を呼び込む』術とかな」

「え!? ちょっと待って下さい! それじゃあ僕は帰れないって事じゃないですか!」


 約束が違うと慌てる伊織だったが、ウォルターは落ち着き払った態度でそれを遮った。


「言っただろ、『異世界の住人を呼び込む』術が禁術指定されたんだ。『異世界に送り返す』術が禁術になった訳じゃない。念のために言っておくが、これらは全くの別物だからな」


 どうやら嘘ではないようだが、それはそれで疑問が残る。


「事前に禁止されたりはしないんですか……? その、予防的な意味で」

「それは無い。ユピテル側から禁術を指定してきた例が過去に無い事からも明らかだ……いや、恐らく……『してこない』のではなく『できない』と考えるべきだな。もし仮にそれをすれば、どういった天道術が自分達に不都合か――――つまり『管理』の脆弱なポイントを公表する事になる……それに、奴らが自分達で新しい天道術を構築できるのかも疑問だ」


 どうやらユピテルという空中都市は非常に機械的に行動しているようだ。公正な『管理』という点から見ればそう悪いものではない。だが、それ故にシステムとして明白な欠陥も持ち合わせる事になる。


 『新しく観測された天道術』を禁止すると言う事は、一度はその天道術が使用された事を意味する。予防的措置を取らないのであれば、一度はどんな天道術でも使用できる事になる。公正な『管理』を維持する為に生じる、避けられない『抜け穴』だ。


「なあ、イオリ……こういう管理システムはお前の世界にもあったか?」


 伊織は公平なシステムだと思ったのだが、どうやらウォルターは気に入らないらしい。言葉の端々に敵意が滲み出ている。やはり天才と凡人では感性が違うのだろうか。


「これって、地上の都市国家も空中都市もまとめて管理されてるんですか……? どこかの都市は優遇されてるとか、誰かは特別に免除されるとか、そういった措置は?」

「…………いや、無いな。俺の知る限り、ユピテルの管理は全てに適用される。そこに例外は無い……筈だ。少なくとも、ユピテル以外の都市はそれに従わざるを得ない」

「正直、僕も学生なので……自分が住む社会の仕組みをきちんと把握してる訳じゃないんです。でも、僕の世界にはそこまで厳密な仕組みはありませんでした……国同士で約束する事はあっても、結局それを守るかどうかはその国次第ですし……」


 学校で習える世界の歴史など表面的なものだ。だが、その表面的なものだけでも、幾度となく条約破棄は繰り返されていた。どれだけ科学が発達しても、それこそ月に手が届くようになっても、世界が一つにまとまる事は無かったし、未だその筋道さえ見えてこない。


 そんな世界の住人の伊織からすれば、こちらの世界は非常に安定しているように思えた。確かに多少窮屈なのかもしれないが、力で己の意を通すような世界よりはよほどマシな筈だ。


「ま、聞いてる限りじゃ国ごとに文化が違うみたいだしな……多様な価値観を一つにまとめるのは現実的じゃない……そう、現実的じゃないんだよ。出来る訳が無い……」


 分析するウォルターの瞳は冷たく輝いている。異世界の住人の伊織はこの世界が安定していると感じたが、この世界の住人のウォルターはその安定が非現実的だと感じていた。


 伊織の話だけでそう感じた訳ではない。もともと持論としてあったものが、伊織の話によって補強され、確信に至ったのだ。


「ま、その話は良いだろう……それで、この世界の仕組みは理解できたか?」


 小さく息を吐き、頭を切り替えたようだ。伊織が寒気すら覚えた冷徹な光は、今はその瞳から消えている。


「は、はい……だいたい、何となくは……」


 昼間に見せた浮世離れした研究者の姿、夕飯の時に見せた一人の人間として伊織を認める大人の姿、そして今見せた底冷えするような光を湛えた瞳。いったいどれが本当の姿なのか。


 いきなりこの世界に呼び出された怒りは当然ある。認めてくれる姿勢に喜びを感じたのも嘘では無い。だがユピテルに向けられた敵意を見て、伊織が抱いた恐怖はそれらを上回っていた。


 こうしてまともに会話をした事で理解できた。ウォルターは初対面で感じたようなただの狂人では無い。非常に複雑な感情を抱えているのだ。


 まだよくわからない事ばかりだが、伊織はウォルターに怒りと感謝と恐怖と――そして、かすかな興味を抱いていた。


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