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観測対象

未来を変えた代償、その違和感は、ほんの些細なところから始まった。


昼休み


「あ、そういえば昨日さ、あの自販機でコーラ買ってたよな?」


堀口の言葉に、俺は一瞬、言葉に詰まる。


昨日、実験で自販機に寄ったのは確かだ。

でも、コーラは買っていない。


「……いや、買ってないけど」


友だちは首をかしげた。


「え? 買ってたって。小銭落としてさ」


心臓が、どくんと鳴る。


それは、通知通りにやった“実験”の未来だ。


「それ、俺じゃなくない?」


「いや、絶対お前w、まあ、先生に見つかんなよ。めんどくさいから」


 軽く笑って流される。

 でも、いろんな考えが頭の中で巡っていた。


 思わず、教室を見回す。


 壁に貼ってある掲示物。

 日付が、俺の記憶と一日ずれている。


 小さなズレ。

 気にしなかったらわかんない程度のズレ。


でも。


俺は知っている。


未来を、変えた。


もしかしたら取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれない。


 



その夜、ベッドに寝転びながらスマホを見る。


通知は、昨日の自動販売機以降、来ていない。1日以上経つ。「次の予知は」という通知は自然になくなった。


代わりに、頭の中で一つの考えが離れなかった。


「俺の未来を変えたら、他の人に影響が及ぶのか?」


コーラの件を頭の片隅でちらつかせながら考える。


答えが出ないまま、スマホが静かに震えた。


 《()()()()の変化を確認》


思わず起き上がる。今までで、一番意味の分からない通知だった。

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