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偶然、ではない?

教室に入ると、いつものざわめきが広がっていた。

((ものすごく安心した))

「よお、遅刻なんて珍しいな。寝坊か?」


俺の唯一の友達、成瀬が声をかけてきた。


「まあ、そんな感じ。」


席に座り、鞄を机の横に掛ける。

「当たり前」に触れて、さっきの通知のことは、もう半分忘れていた。

 ――そのとき。


「じゃあ、この問題、誰か答えられる人」

 教師の声。


 黒板に書かれた問題を見て、嫌な予感がした。

 昨日、そこだけ理解できなかったところだ。


 教師の視線が、教室を一周する。


 そして

「……じゃあ、早瀬」


指されたのは、俺だった。


頭が真っ白になる。 

周りの視線が集まるのが分かる。


「えっと……」


立ち上がりながら、黒板を見る。

やっぱり、分からない。適当に答えを口にする。

静まり返る教室。

「ちゃんと予習してこいよ、違うぞ。」


教師の一言で、クラスのあちこちから小さな笑い声が漏れた。


顔が熱くなる。耳まで赤くなっているのが、自分でも分かった。


座りながら、胸の奥がじわっと冷える。


さっきの通知。


《15分後、教室で恥をかく》


 ……当たってる。


偶然、で済ませるには出来すぎている。


「おい、大丈夫か?汗すごいぞ?体調悪いなら…って、おい!」


成瀬の声も俺の耳には届かず、次に気づいたのはベッドの上だった。

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