19/21
薄くなる影
綻びはどんどん大きくなっていく。
ゲームを起動すると、アップデート通知が表示されていた。
《不具合を修正しました》
・想定外の行動を取るプレイヤー
・物語進行を阻害する存在
削除に移ります。
その文面を見た瞬間、背筋が冷える。
慌ててキャラクター一覧を開く。
名前が並ぶ中で、俺自身の名前だけが薄くなっている。
存在しているのに、消されかけている。
現実でも、同じ現象が起き始めた。
集合写真では、俺が透けている。
クラスで名前を呼ばれても、教師が首を傾げる。
「今、誰か呼んだか?」
呼んでも誰も返事をしないことが度々起こる
世界が、俺を“認識しなくなっている”。
でも相川だけが、変わらず主人公を見ていた。
俺は縋るように言った。
「なあ、相川。お前はおれをわかっt」
「ねえ、」
放課後、誰もいない教室で机に座った彼女は言う。
「消えそうなの、あなたでしょ?」
夕日に照らされた彼女は恐ろしいほどに綺麗だった。
彼女の正体がついに?




