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未来を変えた代償
その日の帰り道、例の彼女、相川を見かけた。
5組でクラスのムードメーカー(らしい)ということしか知らないが、通知を確実に狂わせる存在。
彼女と並んで歩いている間、
スマホは、完全に沈黙した。
未来が、見えない。
安心と不安が、同時に押し寄せる。
「……未来ってさ」
気づいたら、俺はそんなことを口にしていた。
「え?」
「いや、なんでもない」
ごまかす。
言えるわけがない。
別れ際、スマホが震える。
《重大未来の接近を確認》
いい方か、悪い方か。心臓が、嫌な音を立てる。
軽いトラブルじゃない。
回避したら代償が生じる。
俺は初めて、はっきりと思った。
――この力は、便利なんかじゃない。
真っ先に思いついたのは相川の姿。
嫌な予感がして、回れ右で、彼女を追いかけた。
間に合ってくれ、と。




