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事件の元凶はアレス!?

前回のあらすじ:晩餐会に参加していたアレスたちだったのだが、突如晩餐会の会場が何者かによって襲撃されてしまう。そして晩餐会を主催したローゲランス家の娘であるネオンが何者かに攫われてしまい、アレスたちは犯人を追って中庭へと移動したのだった。

「あれは……オーガ!?」


月明かりに淡く照らされたローゲランス家の中庭へ降り立ったジョージは、アレスたちが相対するネオン・ローゲランスの誘拐事件の犯人の姿を見てそう呟いた。

身長が2mを超えていそうな筋肉質の大柄の男性と言った見た目の彼は目の前に立つアレスの鋭い眼光に冷や汗を流している。


「さあ、大人しく降伏するなら痛い目に遭わずに済むがどうする?」

「ちっ……」

「……っ!」

「なに!?」

「動くなよ貴様ら!こっちには人質が居るんだからなぁ!」


彼は地面に落ちた仮面を見て、自身を傷つけずに仮面だけを斬り落としたアレスとの実力差を感じ取り焦りを見せる。

そうして追い詰められた彼は背後に居たネオンを引き寄せるとこん棒を構え彼女を人質としてこの窮地をやり過ごそうとしたのだ。


「貴様っ!そんなことをしても逃げ場なんてないぞ!」

「黙れ!そこを動くなよお前ら。動けばこの女の頭を砕くぞ!!」

(彼女……今自分からオーガの男に近づいた?)


ティナは人質を取られたことに焦っていたが、アレスは直前のネオンの行動の不自然さに気が付き思考を巡らせていた。

直前まで自分たちと対峙していたオーガはこちらを警戒するあまり背後のネオンの存在が一瞬頭から抜け落ちていたように見えた。

しかしその直後オーガの意識から外れていたはずのネオンが自ら男に近づき自分から人質になりに行ったような動きをしたのだ。


(さっきまで奴と距離があったから自分で逃げられたはず。恐怖で足が動かなかったとしても近づくなんてことするはずが無い。まさかあいつら……)

「あそこだー!!!貴様ら早くネオンを助けろ!!」

「ち、時間をかけ過ぎたか。いいかお前ら!絶対に動くんじゃねえぞ!」


パーティー会場の明かりが消えたことで混乱に陥っていた当主だったが、娘であるネオンが居なくなっていることに気付き警備兵を率いて中庭に押し寄せてこようとしていた。

その足音が男の焦りを生み、オーガは急いで中庭のさらに奥の方へと向かったのだ。


(奴に彼女を殺せない理由があるとみた!追いかけても大丈夫!)

「逃げられると思うなよ!すでに屋敷の周りは包囲されているだろう!」

「くっ、待って!」

「ソシアさん!?」

(そうだ。奴に逃げ場なんてあるわけがないんだ。そもそも逃げるなら中庭の奥に行くのは悪手なはず。それなのに焦ってそこへ行く理由は……)

「まずいぞ!!奴を行かせるな!!」

「もう遅いわ!!!」

「!?」

「なんだ!?」


当然屋敷の包囲は完了しており、中庭も直に大量の警備兵で囲まれる。

オーガは完全に袋のネズミだと考えたティナたちはあとはいかにネオンを無事に助けるかを考え始めていたのだが、その時突如オーガが向かっていた先から尋常じゃない光が発せられ始めたのだ。


「これは魔法陣の光!?」

「うそ、逃げられる!?」

(だめだ!慣れない剣であの子を傷つけちゃうかもしれない!)

(間に合ってくれ……神速・韋駄天!)

「なっ!?」


天高く伸びる光の柱にネオンを抱えたオーガが消えてゆき、ティナたち3人が手を伸ばすもあとわずかに届かない。

アレスは一か八かの賭けで超高速の踏み込みでオーガに斬りかかったのだが……



「誘拐犯は中庭だ!!決して逃さん……な、奴は……いったいどこへ行った?」


ビーラ率いる警備兵が中庭に到着したその時、オーガとネオンの姿はもちろんアレスたち4人も跡形もなく姿を消してしまっていたのだ。





「ん……はっ!?ここは……いったいどこだ!?」


ヒカリの柱に包まれたアレスが次に目を開けると、そこは一切の光のない暗闇の中だった。

冷たい地べたに倒れていたアレスは目を覚ますと瞬時に飛びあがり警戒心を強めた。


(俺はさっきまでローゲランス邸の中庭に居たはず。ここはどこだ?洞窟の中……誰もいないようだが……いや)

「そこに倒れているお前、さっきのオーガだな」


なにも見えない闇の中で、アレスは研ぎ澄まされた感覚だけを頼りに周囲の状況を探る。

自分が居たのはどこかの洞窟の中。

魔物の気配などは感じられず、ソシアたちの気配もなく近くには先ほどのオーガが倒れている気配を感じ取った。


「ん、が……俺は、一体どうなって……っ!?ネオン様?ネオン様!?」

「動くんじゃねえ。妙な動きを見せたら首を落とす。俺の質問にだけ正直に答えろ」

「この声は……先ほどの剣士!?」

「さっきの光は転移系の魔法陣だろう。ここはどこだ。そしてお前は何者だ。あの子を攫って何をするつもりだ」


アレスが意識を取り戻したすぐ直後に、オーガの男も同様に目を覚ました。

彼も暗闇の中なにも見えていないようだったが、闇の中から感じる突きさすような殺気に息を呑み大人しくなった。


「まずは……明かりを灯させてくれないか。ここがどこか答えるのはそれからだ」

「いいだろう。ただ攻撃の意志を見せた瞬間に制圧するからな」

「わかった……大気に宿る祖先たちの魂よ。どうか闇に迷える我を照らし導き給え……」


オーガがそう唱えると、彼の手のひらから火の玉が浮かび上がり周囲を淡く照らし出したのだ。

そうしてようやく周囲の様子を確認出来るようになったオーガはここがどこなのかという答えを得た様だった。


「ここは……恐らく地獄穴の中だろう」

「地獄穴?聞いたことがないな」

「我らのオーガの里のすぐ近くにある深い洞窟だ。どうやら転移に失敗して座標がずれてしまったようだな」

「オーガの里……」

「どうやらネオン様も地獄穴の中におられるようだ。ネオン様が心配だ。先ほどの質問には答えるから移動しながらでもいいか?」

「……いいぞ。俺もソシアたちが一緒に飛ばされてきてないか探したいと思ってたところだ」

「それは先ほど貴様と一緒に居た3人のことか?なら同じくあの転移に巻き込まれているだろう。あの距離にいたからな」

「ネオンの居場所が分かるのか?」

「はっきりとはわからんがな。それも含めてすべて話す。俺に付いてきて欲しい」


アレスに勝てないことを悟っているオーガが大人しくアレスの指示に従いすべてを話すと約束した。

その様子に現状敵対の意思がないことを感じ取ったアレスはひとまず剣をしまい彼と共に移動を開始することにしたのだった。




「ユーゴ?ユーゴ!?どこなのユーゴ!返事をして!!」

「あぅ……ここは?私は一体……」

「その声はソシアね!?よかった……いや、転移に巻き込まれたこと自体良くないともいえるけど」


一方そのころ。

時を同じくして転移に巻き込まれていたソシアたちはネオンの声で目を覚ましていた。


「この声は……ティナさん?こんな真っ暗で、ここはどこなんですか?」

「それが分からないんです。ソシアさん、光源魔法を使えたりしませんか?」

「ジョージ君!光源魔法……あまり得意じゃないし、杖もないけど……やってみる」


暗闇で一切視界のないソシアたちは、魔物に強襲されるリスクから逃れるため明かりの確保を試みる。

心を研ぎ澄まし、両手を器のようにかざして魔法の詠唱を開始した。

するとソシアの掌から握りこぶし代の小さな光を放つ魔法の球が浮かび上がってきたのだ。


「光の精よ!その輝きで漆黒の闇を振り払い皆を照らして!」

「出ました!」

「出来たけど……ごめんね。やっぱり小さくて明るさが全然足りない」

「いいえ、これで最低限の視界は確保できる。助かったわソシア。それじゃあ……」

「っ!!あなた方は……」

「ネオン・ローゲランスね?私はティナ・フォルワイル。あなたがあのオーガの男に攫われたところを助けに来たのよ」

「!!」


最低限の光源の確保に成功したティナは1番に不安な表情で周囲を見渡すネオンに声をかけたのだった。

周囲にあのオーガの男の姿はない。

ひとまず彼女を安心させようと話を始めたティナだったのだが……


「助けなんて……必要ありませんでした!私は……私がユーゴにローゲランス家から連れ出してもらうようにお願いしたんです!」

「なっ、なんですって!?」


ネオンはオーガの男に誘拐されそうになったのではなく、自分からあの屋敷から連れ出してもらうようにお願いしたのだと言い出したのだ。

その驚くべき発言にティナたち3人は衝撃を受けたのだ。





「お前は【オーガキング】というスキルを知っているか?」


まるであの世に来たのかと勘違いするほど冷たく生気が感じられない洞窟の中を、ユーゴは火の玉をふよふよと浮かせながらネオンがいる方向めざし進んでいた。

アレスはそんな彼から若干距離を開け後ろをついてゆく。


「あの子が持ってるスキルだろ?やはりそれが目的か」

「そうだな。だが本来オーガキングのスキルは人間が手にできるものではない。我らオーガの里の長が持つそのスキルは、新たに里の長が選ばれた時に先代の長から譲渡され代々引き継がれてゆくものなのだ。そしてオーガキングのスキルは世界に同時に2つ以上存在することはない」

「同時に2つ以上存在しないって、そのスキルは他人に譲渡できるものなんだろ?それじゃああの子はオーガの長からそのスキルを受け継いだって言うのか?」

「いや。オーガキングのスキルは同時に2つ以上存在しないが、そのスキルを持った者が他人に譲渡する前に死ぬとランダムで誰かに宿ると言われている。約14年前、先代の長はスキルを次の長に譲渡する前に病気で命を落としてしまったのだ。長がオーガキングのスキルを譲渡する前に命を落としてしまうなんて長いオーガの歴史の中でも初めて。ランダムと言ってもオーガの里の誰かの中から選ばれると思っていたのだが、どうやらそうではないらしくてネオン様が次のオーガキングの所持者に選ばれてしまったのだ」

(14年前ならネオンが生まれた時と合致するな)

「じゃあお前らはそれをどうやって調べたんだ?」

「オーガキングのスキルを持つ者は我らすべてのオーガを支配することができる。その多くの能力の中に支配下のオーガとテレパシーで会話できるというものがあってな。ある日突然ネオン様からオーガキング捜索のために各地に散らばっていた者に通信が来たのだ」




「あなたがあのオーガに連れ出してもらうように頼んだって……一体どういうこと!?」

「私は……オーガキングというスキルを持って生まれてきました。私はこのスキルを全然扱うことが出来なかったのですが、お父様は……このスキルがあれば強大な力を持つオーガ達を支配し、戦力として使えばローゲランス家が今よりも成り上がれると考えたのです」


移動をしながら会話をするアレスたちに対し、まだ状況の整理がつかないティナたちはその場にとどまりネオンから詳しい話を聞き出そうとしていた。


「そんな……そんなのってとても酷いことなんじゃ……」

「それでネオン様はそんなお父様の考えに心を痛め、オーガに頼んで家を抜け出そうとしたのですか?」

「それもありますが、昔の私は違う考えを持っていました。私は7歳の頃からずっとあの屋敷に閉じ込められてきました。私は……私のスキルはローゲランス家が上流貴族になるための切り札ですから。そんな私のスキルを狙って刺客が送り込まれてくるかもしれないとお父様は恐れて私に一切の外出を認めてくださりませんでした」

「それじゃあネオン様は、外に出たかったからあんなことを……」

「ちょっと待って!?ビーラ・ローゲランスと言えば実力だけで王国軍で成り上がろうとするほど熱い武闘派な人だって聞いてたわ!娘のスキルで成り上がろうとしたり監禁まがいなことをしたりするような人物だとは思えないわ」

「そうですね。私も昔のお父様はそのような人物だったといろいろな方から聞いておりました。ですが、10年以上前のある日……お父様はとあることがきっかけで大きく変わられてしまったそうなのです」

「10年前……一体何があったんですか?」

「剣聖……」

「え?」

「剣聖のスキルを持った、当時7歳の子供にお父様は完膚なきまでに敗北を喫したのです」

「っ!?」

「しかもただ敗北しただけでなく、30年鍛錬を重ねて磨き上げてきた月影流の技をその少年に見ただけでマネされ、より高次元な剣技としてみせつけられたのです」

(アレスさんだぁああ!!)

(やっぱりやり過ぎちゃってたんだぁ!!)

(だから言ったんだ!!あまりに無法すぎると!!)



「え、はえ……ちょま……嘘でしょ?」

「どうした?急に取り乱して」

「え、いや……」

「そんなことがあり、今まで積み重ねてきた努力はスキルという圧倒的な才能を前に無価値だと悟ってしまったネオン様のお父上様は変わられてしまったのだ。さらにその約4年後に自身を圧倒的なスキルの差で負かした少年が謎の老人にスキルを奪われてしまい王族の地位を剥奪されたと聞かされた。それでお父上様は正気を保ってはいられなくなってしまった。自分の人生を狂わせた少年も、スキルを奪われて大きく人生が変わってしまった。そしてオーガキングのスキルを持ったネオン様も誰かから狙われまた人生を狂わせられるんじゃないかと疑心暗鬼に陥ってしまった」

(おい、おいおいおい……まさかあの子が監禁されてたのって俺のせいか!?)


それぞれの場所でこの誘拐事件の発端となった話を聞かされたアレスたちだったのだが、その原因にアレスが関与していたことを知り全員が驚きを隠せなかったのだ。


「あの、その……実はさ……」

「なんだ?」

「その剣聖のスキルを持った少年って……俺なんだよね」

「なんだと!?」


心の痛みに耐えきれなくなったアレスは自身がこの事件の元凶となった少年だということをユーゴに伝えたのだった。

ユーゴもまさかその少年が自身の目の前にいる青年だとは夢にも思わず鳩が豆鉄砲を食ったような顔となってしまった。


「当時は子供だったとはいえ調子に乗ってビーラ様の努力を踏みにじって、ネオン様が監禁される原因になって……本当に、申し訳ありませんでした」

「……。お前が例の少年だったというのは驚きだが、ネオン様はその少年のことを少しも恨んではおられないぞ」

「ほんとうか?」




「やっぱりその……ネオン様はアレ……その剣聖のスキルを持った少年のことを、恨んでたりするんですか?」

「いいえ、そのようなことはありませんわ。確かにお父さまがショックを受け変わってしまったのは事実ですが、他人と何かを比べる以上才能の差というのはどうしても無視できる存在ではないと考えています」



「努力すれば絶対に報われるなんてのは夢の中の話だけだ。覆しようのない才能を持つ者と出会った時に自分がどう感じ、それからどう生きていくのかはその人の問題」



「だからお父様の考えが変わってしまったのは全てお父様のせい。自身の才能のなさを受け入れそれでも前に進んだり、自身にできることを全力でやろうという考えに至れなかったお父様の弱さです」

(うお……バッサリと言いますね)

「あれ、そういえば剣聖のスキルってある日突然消えたって聞いてたけど……」

「きっと王族の誰かが噂を流したのよ。王宮に族が侵入したという事実を隠そうとしたと考えたら不思議な話でもないわ」

「なるほど……」



「それで、どこまで話したんだったか。そうだ、お父上様に監禁されたネオン様は密かに自由の身になりたいと憧れておられた。そんな時、我々の同胞が失われたオーガキングのスキルを探しにエメルキア王国の王都に潜入し、ネオン様のテレパシーの範囲に入ったのだ」



「そこで私はこのオーガキングのスキルが彼らオーガにとってどれだけ大切なスキルなのかを聞かされました。このスキルは絶対にオーガの里にお返ししなければいけない。しかしそうなるとスキルがなくなってしまう私はお父様の期待を裏切りどこにも居場所がなくなってしまう」



「だから俺たちはオーガキングのスキルを返却すると決断してくださったネオン様をオーガの里にお連れし、スキルがなくなってしまうネオン様に居場所を提供すると誓ったのだ」

「……なるほど。ようやく全部理解できたよ」


多少ショッキングな情報もあったが、冷静さを取り戻したアレスは今回のネオン誘拐事件の真相を理解したのだった。

彼らはネオンに危害を加えるつもりは一切なく、むしろ囚われの身だったネオンを解放し、スキルを無くせば人間社会で生きにくくなるところを居場所まで保証してくれると言ったのだ。


「さあ。俺はすべてを話したぞ。斬り捨てるなら好きにしろ。俺の実力では逆立ちしても貴様には勝てん」

「いや。全部話してくれてありがとう。最初はそうしてでもネオン様を連れ戻すべきだと考えていたけど……今はそんなことは出来ない。むしろ彼女を救うためにはお前らの言うことが正しいと思ってるよ」

「ああ。ネオン様を幸せにするのが俺たちオーガが出来るネオン様への最大の恩返しだと考えている。必ずネオン様には不自由はさせない」

「お前……いい奴だな。俺はアレス。お前は?」

「俺はユ―ゴだ。俺たちが荒っぽい手段に出たせいで転移に巻き込んですまなかったな。後で必ずお前たちの領土に送り返させてくれ」

「ん?なんだ?」


アレスとユーゴが互いに打ち解けたその時、闇の向こうから何かが蠢くような気配を感じたのだった。

そしてそれはティナたちの方でも同様だった。



「みんな気を付けて!!何かくるわ!!」

「何かって、なんですか!?」

「カサカサと何かが大量に近づいてくるような音。これは……」


ティナたちの目の前の暗闇で数十の赤い光が不気味に蠢いていた。

カサカサと音を立てるそれらは一気にティナたちの元に押し寄せる。


「キシャアア!!」

「キシャアア!!」

「キシャアア!!」


「蜘蛛!?鬼!?なにこいつ!?」

「これは……おそらく鬼蜘蛛です!!」

「鬼蜘蛛!?」


現れたのは体長30cm前後の蜘蛛のような魔物で、鬼の皮膚や角に似た特徴を兼ね備えていた不気味な生物だった。



「鬼蜘蛛だ。やはりここ数年で数を大幅に増やし狂暴性を増しているようだ」

「鬼蜘蛛?倒してもいいのか?」

「ああ。鬼蜘蛛は本来オーガキングを持つ長が支配下に置いているのだがずっとそれがないせいで制御を失い我らでも手が付けられなくなってきていた。知性はないし、数が増えすぎていたから遠慮なく切ってもいいぞ」

「よしわかった。あいつらが心配になってきたから早めに行こう」


大量に湧き出てきた鬼蜘蛛を前にして、アレスとユーゴは正面から突破しようと武器を構えた。

鬼蜘蛛の数はすさまじいが、この時のアレスは特に苦も無く鬼蜘蛛を全滅させ洞窟を脱出できると考えていた。

大きな誤算があることなど夢にも思わず……

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