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何でもするって言ったよね

前回のあらすじ:白銀妖狐とのたたきで負傷した傷を癒すため学園の医務室で休むアレスとティナ。自身が抱える大きな問題を一緒に乗り越えてくれたアレスに、ティナは友達になりたいと願い出たのだ

「おはようジョージ君!昨日はあの後大丈夫だった?」


白銀妖狐暴走事件があった日の翌日。

後方支援だったために白銀妖狐の攻撃を免れて無事だったソシアは教室にやってきたジョージに調子を尋ねたのだった。


「おはようございますソシアさん。僕は比較的軽症で済んだので日が暮れる前に治療を終えて寮に戻れましたよ。ソシアさんの防御魔法のおかげです」

「そんなことないよ。私がもっと凄ければちゃんとジョージ君を守ってあげられたはずなのに……」

「それを言うなら盾役なのに自力じゃ大した攻撃も防げない僕の方が問題がありますよ。彼が防御を必要とするってことは、それだけ強大な攻撃が来るってことですから僕なんかじゃ力不足です」

「お互いまだまだだね。ところで、アレス君とティナ様はどうなったのか知ってる?」

「えっと、ティナ様は気を失ってるだけで命に別状はないと聞きましたよ。アレス君はかなり重症でしたから、僕は先に寮に帰ってしまってあの後どうなったのかよく分かっていなくて……」

「あっ!いたいた!!ソシア、ジョージ!おはよう!」


2人がまだ教室にやって来ていないアレスの心配をしていたその時、教室の前の扉が勢いよく開きティナが元気よく2人の元にやってきたのだ。

御三家の人間であるティナがこんな落ちこぼれクラスにやってきたことに他のクラスメイトは大いに驚き、当然ソシアとジョージもその目的が自分たちであったことに驚愕していた。


「てぃ、ティナ様!?どうしてこんなところに!?」

「え、えっと。昨日はその、大丈夫だったんですか?」

「ええ、おかげさまで。昨日アレスから私を助けるのに2人が協力してくれたことを聞かされてお礼を言わなきゃいけないって思ってきたの」

「わざわざそんな!」

「そうですよ。僕たちはほとんど何もしていませんし、ティナ様を助けられたのは全部アレスさんのおかげなんです!」

「そんなこと言わないで!今の私があるのは2人が協力してくれたおかげなんだから!本当にありがとう!」


困惑する2人にティナはお礼を言いながら笑顔で握手をした。

身分が違いすぎるティナのあまりの距離の詰め方に2人の冷汗は止まらないが、なおもティナは距離を詰めて来る。


「実はね。昨晩アレスから2人のことをいろいろ聞いてぜひとも2人ともお友達になりたいと思ったの」

「と、友達!?そんな、ティナ様とお友達だなんて畏れ多くて……」

「様付けは禁止!友達になったんだから対等な関係じゃなきゃ」

「もう友達にされてしまった!?」

「2人はアレスとも仲がいいんでしょ?だったら仲間外れなんて嫌だもん。ね?ね!?」

「ひぃ~……」

「う~す。皆おはよ~……って、おろ?」

「あ、アレスさん!助けてください!」


昨晩アレスが戸惑ったのと同様に、2人もティナから突然友達になろうと言われてしまいもう平静を保つことが出来なかった。

アレスに比べてまだ2人はティナとほとんど話したこともないのだ。

アレス以上に彼女の提案をすんなり受け入れることが出来ない。

しかし2人がティナのあまりの押しの強さに困り果てていると、そこにアレスがやってきたのだ。


「助けてだなんて人聞きが悪いわね」

「なんだよティナ。お前がどうしてここにいるんだ?」

「アレス君!!??」

「ティナ様に向かってなんて失礼すぎますよ!!??」

「アレスと私はもう友達になったって言ったでしょ?」

「諦めろ2人とも。こいつの押しの強さは異次元だ。大人しく友達になっておかないと何をされるか分からないぞ」


全てを諦めた表情のアレスに笑顔で話しかけるティナを見て、ようやく2人も彼女の性格を理解したようだった。


「わかりましたよ。でも僕は誰にでもこの話し方なので許してくださいね」

「わ、私も……ティナさん、でいいですか?」

「私だけ仲間外れじゃなきゃそれでいいわよ。これからよろしく、ソシアジョージ」

(ティナが今まであきらめずに頑張ってこられたのって、母親の言葉のおかげはもちろんだけどこの性格なのも理由の1つなんだろうな……)

「そうだ!今日はこれだけのために来たんじゃなかったんだ。3人とも、私と一緒にダンジョンへ素材回収に行かないか?」

「素材回収って……薬草か?」

「あー……そういうば昨日は薬草集めにヘーベ森林に行ったんだったな。もちろん君たちも……それに関しては本当にすまないと思ってるよ」

「そんなつもりで言ったんじゃないよ。薬草なんていつでもすぐにとり行けるし」

「その反応だと、素材回収というのは1年前期の課題のためのものですか?」

「そう!その通りよ!」


薬草集めかと返したアレスに想定外の答えが返ってきたという反応をしたティナを見て、ジョージはティナの目的を言い当てたのだった。

ハズヴァルド学園では1年が前期と後期に分けられており、それぞれ期間内に課せられた条件をクリアしなければ留年、もしくは退学となってしまう。

その条件というのは日々の授業を受け単位をしっかりと貰うことに加え、指定された素材を学園に提出するというものがあった。


「1年の前期の始めの頃は皆実力をつけるために素材回収の課題は後回しにするでしょ?でもはっきり言って私とアレスなら今すぐにダンジョンに潜っても平気だと思うのよね」

「まあ。期間は十分に長いから急いでなかったけ集めようと思えば簡単だわな」

「ね?ダンジョンに行ったほうが実践訓練になるし、どうかな?」


ティナのその言葉を聞いてアレスはソシアとジョージに視線を向ける。

自分はそれで一切問題はないが、2人が嫌なら急ぐわけにはいかないと考えたのだ。

だがソシアとジョージはすでに入学早々アレスと3人でホワル大洞窟に潜っている。

ハズヴァルド学園の指導の特徴の1つと言えば実際に学生がダンジョンに潜ってお目当ての素材を回収してくるものであると考えていた2人はむしろティナの提案に乗り気だった。


「僕はそれでも大丈夫です。むしろこの4人で行くなら僕のやることがなさそうで心配なくらいです」

「私も。やっぱり学園の中で学ぶばっかりじゃなくてダンジョンに潜っていきたいし」

「ありがとう!1年のうちは1人でダンジョンに潜れないからどうしようってずっと考えてたのよね。3人とも都合がよければ今日なんてどうかしら?せっかくだしあえて難しいダンジョンに行っちゃいましょ♪」

(な、なんか……)

(ティナさんってもっとクールで知的な女性って印象がありましたけど……)

(かわいいな、こいつ)


まるでピクニックに行く予定を立てるかのようにウキウキしながらダンジョンに潜る計画を立てるティナに、3人は出会った頃に抱いた彼女へのイメージとのギャップに内心驚いていた。

そんなティナの期待は裏切れないと、3人は早速今日の午後に素材回収のためのダンジョン攻略を実施することにしたのだった……が。



「月影流秘伝、叢雲・一閃!!」

「氷華、霊雪斬!!」

「ぴぎゃあああ!!」

「簡単すぎんぞおら!!」


ティナの提案で赴いた四級ダンジョンをアレスとティナはいとも簡単に攻略してしまっただけでなく、その後1週間で4つの四級ダンジョンに潜りそのいずれも何の手ごたえもなく素材回収の目的を果たしてしまったのだった。


「うーん、今日は近場で一番危険な四級ダンジョンを選んだはずだが」

「アレスさんとティナさんが強すぎて僕たち何もしてない……」

「なんなら途中から2人の圧で魔物も全然近寄ってこなくなっちゃったもんね」


三級ダンジョンは王国軍、騎士団、冒険者ギルドのいずれかに所属していないと入れないためアレスたちが攻略できるのは四級ダンジョンまで。

しかしそれは普通の学生でも攻略できると判断された基準であり、このメンバーでは何の手ごたえも感じられなかったのだ。


(まあそうだよな。俺の剣聖はSランクスキルだし、白銀妖狐を使役するティナの精霊使いはAランクスキルでも上位に位置する強さのはず。四級ダンジョン程度じゃ暇つぶしにしかならないよな)

「すまんなソシア、ジョージ。俺たちのせいでついてくるだけになっちゃってるよな」

「いいよ!回復役が仕事しないのはむしろいいことだと思うし」

「僕も安全にダンジョン内を散策できるので満足してます」

「ティナも悪かったな。想像してたダンジョン攻略じゃないだろ?」

「ううん、私は幸せだよ!」

「幸せって、大げさだな」

「こうして頼もしい仲間が傍に居て、信頼できる相手に背中を任せられるんだから。本当に私は幸せだ」

「ティナ……」

「……」

「……」


今までの孤独な人生を振り返り信頼できる仲間が出来た幸せを噛みしめるティナに、ティナの過去を聞かされていたアレスは彼女の想いを察し言葉を詰まらせる。

そんな2人の様子にティナの詳しい過去を知らないソシアとジョージも物悲しい気分となってしまったのだ。


「……すまない。少ししんみりさせてしまったな。でも、辛い過去があったからこそ私は皆と友達になれて嬉しく想っているんだ」

「ああ。安心しろ。俺たちがもうお前を1人にはしねえ」

「はい。何かあったら遠慮なく僕たちに相談してください」

「私も。できることは少ないかもだけど、ティナさんのためなら何でもしますよ!」

「ありがとう皆。ん、何でも?……そうだ!それならちょうど皆にお願いしたいことがあるんだ!」

「……なんか嫌な予感がするんだが」

「実は来週晩餐会に招待されてしまっているんだが、そこに3人も一緒に来て欲しいんだ!」

「「「晩餐会!?」」」


3人の優しさに触れ笑顔を取り戻したティナ。

すると彼女は突然自身が抱えていたある悩みを思い出し、さっそくアレスたちに助けを求めたのだ。

その予想外過ぎる内容に、アレスたちは揃って驚きの声をあげたのだった。

タイトルを決めるのがもう適当になってきちゃってる気が……

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