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星空の下で輝く

「……」


瞼を閉じていても微かに感じられる炎の明かり。

鼻腔をくすぐる香ばしい食事の匂いに、パチパチと弾ける焚火の音に混じって聞こえるソシアたちの声。

レウスの森にステラを送り届け泥のように眠っていたアレスはそんな心地よい感覚に優しく誘われるように意識を取り戻した。


「あっ!アレス君!目が覚めたんだね!」

「ソシア……ああ。……ここは?」

「ここはレウスの森とマクラ高原のちょうど間くらいの森です。レウスの森から出てきたアレスさんを連れてここで一夜を明かすことになったんです」

「おはようアレス。といっても、そんな時間じゃまったくないんだがな」

「……っ!いつの間に夜になって……」


仰向けに寝かせられていたアレスが目を開けると、ソシアたちは一安心と言った様子で柔らかな笑顔をのぞかせた。

アレスがのっそりと起き上がると、目の前には温かな光を放つ焚火が。

そしてアレスの左にはソシアとジョージ、右側にはティナがそれぞれ弧線上に焚火を囲うように座っていた。


「そうか俺、ステラちゃんを送り届けた後……ごめん、迷惑かけたな」


アレスがレウスの森から出てきたのは正午を少し過ぎた時間のこと。

疲労が蓄積していたアレスは6時間以上眠っていた。


「いいや、そんなことはないさ。彼女と別れてからはあのしつこかった連中もほとんど姿を現さなくなったし、私たちだけでどうとでもなったぞ」

「そうだよ。アレス君が謝ることなんてないよ。謝らないといけないのはむしろ……」

「はい。アレスさん。あなたばかりに負担を強いてしまって本当に申し訳ありませんでした」

「っ!?」


まだ怠そうな様子で手で頭を抑えるアレス。

急に眠ってしまったことを謝る彼だったのだが、逆にジョージはそんなアレスにこの旅でのことを謝罪したのだった。


「な、なんだよジョージ」

「私も、ずっとアレス君のお荷物になっちゃって……」

「ソシア」

「君が倒れるまで消耗してしまったのは私たちが弱かったせいだ。ほんとうにすまない」

「ティナまで……」

「アレスさんは強くてどんな危機でもなんとかしてしまうと、頼り過ぎていました。結果アレスさんは限界を迎えて倒れてしまうほどに無理をして……」

「おいおいやめてくれよ!別に俺はそんな風に思ってないからさ」

「……ステラを連れてレウスの森に行くとなった時、君1人だけならここまで苦労することはなかった。そうだろう?」

「……はぁ、別にいいって言ってんのによ。わかった。じゃあ本音で話すぞ。はっきり言ってお前らを連れて行くより俺1人の方が断然動きやすかっただろうよ」

「やっぱり……」

「だがな、本当にただの足手纏いにしかならないって考えてたら絶対にお前らを連れていかなかった。俺は後悔してないし、むしろ皆が一緒でよかったと思ってるよ」


レウスの森に辿り着くまでの道中、アレスに頼りきりだったと考えた3人はアレスが疲労で倒れたことをきっかけに同行したことを後悔していた。

だがアレスはそんな3人に包み隠すことなく本音を打ち明けたのだ。


「なんだよその顔。俺が嘘ついてるって思ってんのか?」

「いえ、そういう訳ではないですが……」

「そもそも俺はお前らを頼りないと思ったことは1度もねえ。お前らは俺のことを信頼してくれてるし、俺の役に立ちたいって全力を尽くしてくれるんだろ?だから俺はお前たちのことを信じられる」

「……」

「それにもっと言うとだ、俺はお前たちのことが大好きだ」

「え?」

「これ感情論で論理的じゃまったくねえよ。でも俺にとってお前らは特別で、傍に居てくれてめっちゃ嬉しいと思ってる。俺1人ならここまで苦労しなかったかもしれねえが、お前らが居なかったら俺はここまで頑張れてねえよ」

「アレス……」

「だからこれ以上ウダウダ言うな!恥ずかしいからこの話は終わり!!」

「アレスさん……すみません。なんだか、涙が出そうで……」

「おい泣くなよジョージ!」

「私も、なんだか嬉しくなっちゃって」

「ソシアまで……」

「君にそこまで言ってもらえるなんてな……私も、これ以上嬉しいことはないかもしれない」

「大げさだよお前ら、まったく」


アレスの言葉にここまでずっと足を引っ張ってきたと負い目を感じていた3人は心の底から救われたような心地となった。

素直な気持ちを打ち明けたアレスは気恥ずかしさから少し口数が減ってしまう。

4人の間に小さく弾ける焚火の音だけが響く短い沈黙が訪れたが、それは気まずさから来るものではなくお互いの信頼を確かめ合う温かな余韻が感じ取ることが出来た。


「それだアレス。君が起きたら聞きたいと思っていたんだが、レウスの森の様子はどんな感じだったんだ?」

「ん、様子って言うと?」

「人間が立ち入れない神聖なエルフの森。どんな感じだったのか、僕も気になります」

「ああ、そういうことか。別に普通の森だったぞ?まあ全員で行かなくてマジで正解だとは思ったけど」

「そんなに私たちってエルフに嫌われてるんだ……」

「想像以上だったぞ。まず俺がレウスの森に近づいて最初に……」


しばらく続いた沈黙の後、アレスの気恥ずかしそうな雰囲気を感じ取ったティナが話題を変えるためレウスの森での出来事をアレスに質問した。

その質問にアレスはエルフとのやり取りやステラとの別れの詳細を3人に明かし始めた。

ただ1つ、不要に3人の怒りを掻き立てないよう自身がエルフに傷つけられた話を伏せてではあったが。


「ええ……そんなに怖かったんだ。よくお願いを聞いてくれたね」

「まあ、レウスの森に入るのは俺じゃなくて竜人族のステラちゃんだったからな。なんだかんだ人間に脅かされる種族には同情するんだろう」

「そうですか。ステラさん、アレスさんと別れる時に寂しそうにしてませんでしたか?」

「そうだな。彼女は君に1番懐いていたようだったから」

「まあ少し寂しそうだったな。また会えるかって聞かれたし」

「それは……」

「ああ。たぶん厳しいだろうな。エルフたちの人間への憎悪はすさまじいものだったし、ステラが1人でエメルキア王国に来るのは難しいだろうからな」

「そうだよね……私もまたステラちゃんに会いたかったな」

「でも人生何が起きるかわからないからな。もしかしたら思いもよらないところで再会できるかもしれない。俺もそうなればいいなって思ってステラにコインを預けてきた」

「コイン?ああ、そういえば君は何度か彼女にコイントスを披露して遊んであげていたな」

「あいつには俺のほぼ全財産をわたしたんだからな。またいつか会って返してもらわないと俺が困る」

「え?アレスさん、全財産って……金貨1枚がですか?」

「いや?銀貨1枚だけど」

「えっ……?」

「アレス。言ってくれれば私がいくらでもお金を出したのに……」

「やめろよ。よほど追い詰められた時でもなきゃお前らから金を受け取るなんてまっぴらごめんだぞ」

「もう十分追い詰められていると思うんですが……」


アレスの想像以上に貧しい懐事情に3人は驚きを隠せなかった。

それを聞いたティナは自分がアレスの金銭面の問題を解決すると言い出す。

だがアレスは友人であるティナたちと金銭のやり取りをするつもりがなく、それをきっぱりと断った。


「っていうかアレス君。学園の学費とか大丈夫なの?」

「一応シスターが何とかしてくれてるよ。教会でいざという時のためにコツコツ貯めてくれてたお金とスフィア様とオルティナ様から食料援助してもらって浮いたお金でギリギリ」

「アレス、やはり私が……」

「うーん、ありがたいけどやっぱ嫌だわ。皆には申し訳ないがお前から金を借りたくない。完全に俺のプライドだけど、皆には俺が冒険者になってから100倍にしてこの恩を返すから」

「私は気にしないが……まあ、君がそこまで言うなら」

「幸い食糧面に関しては困っていないようなので、アレスさんの好きにすればいいと思いますよ」

「そういえば、その話を聞いて思ったんだが君のその剣はどこで手に入れているんだ?」

「これか?これは王都の外れにちょっと変わった武器職人の爺さんが住んでる家があるんだが、その爺さんが作ったはいいものの出来に納得できなかった剣を捨てる代わりに譲ってもらってるんだ」

「へぇ、そうだったのか。少し見せてくれないか?」

「おう、もちろんいいぞ」


アレスが金銭面において想像以上に余裕がなかったことを知ったティナだったが、そこで彼女はアレスが普段使っている剣がどこで入手したものなのか気になったのだ。

自身の剣について聞かれたアレスはそれがとある職人気質の老人の失敗作であることを明かす。

それを聞いたティナは剣を見せてもらうため立ち上がることなくグイッとアレスの隣に移動した。


「夏季休暇に入る前から使ってるからもうずいぶんボロボロだけどな」

「それにしてはずいぶんと綺麗だな。アレスの腕もあるだろうがこの職人、ただ者ではないな。これで納得がいかない失敗作なんだろ?」

「ああ。定価でなくても金を払わせてくれって言っても「そんな鈍を客に売れるか!欲しけりゃ勝手に持っていけ!」って言われちゃって」

「なるほどな」

「むぅ……」

(ソシアさん。顔は見えないけど絶対ムッとしてるだろうなぁ……)

「……ところでティナ。ずっと気になったんだけど少しいいか?」


アレスのすぐ隣に座り剣を眺めるティナ。

そんなアレスに接近したティナをソシアはムッとした表情で睨みつけ、ジョージはそいあの表情が見えなくてもそんなソシアの内心を読み取っていた。

だがアレスはそんなソシアの視線には気づかず、ティナにある疑問を打ち明けたのだ。


「なんだ?」

「今年の夏はすっげぇ涼しかったけど、お前何かしてるか?」

「あっ、それは僕も思ってました。確かに想い返してみればティナさんが傍に居る時だけ涼しかったような感じがします」

「ああ。軽くだが冷気を循環させて周囲の気温を下げているぞ。邪魔だったか?」

「いや、超ありがたいよ!去年の夏とか暑くてしんどかったからな!最高だよ!」

「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しい」

「ほんと。もう快適過ぎて一生俺の隣にいてくれないかなって思うくらいに」

「あ、ああ、アレス君!?そそそ、それは一体どういう!?」

「落ち着いてくださいソシアさん!今のはそういう意味じゃないです」


アレスは今年の夏概要に涼しく過ごしやすかったことについてティナが何かしているのではないかと質問する。

アレスのその考えは的中しており、ティナはアレスたちと共に行動している間冷気を操り過ごしやすい気温をキープしていたのだ。

そのことにアレスは非常に喜び、ティナに一生自分の傍に居てくれた冗談を言う。

だがその発言にソシアは1人で勝手に取り乱していた。


「こらアレス?私のことを冷却魔道具か何かだと考えてないか?このこの!」

「な訳あるかよ!冷却魔道具はお前みたいに強くてカッコよくて美人じゃねえっての」

「あばばばばばば」

「ソシアさん気を確かに!そうだアレスさん!!そろそろソシアさんが作ってくれた焼き魚が食べごろですよ!お腹もすいてるでしょうしぜひ食べてください!」

「おっ、そりゃいいな。じゃあ遠慮なく頂こうかな」


アレスの発言に冗談を返しながらぐいぐいと肘でアレスを突っつくティナ。

さらにそんなティナに冗談交じりで返答するアレスにソシアの情緒は崩壊寸前であった。

それを見たジョージは早くこの会話を終わらせようとアレスにソシアが作った食事を食べるよう促したのだった。


「んん……うん!美味しい!これ最高だよソシア!」

「ふぇ?」

「この味付けが最高!そこらへんで採取した調味料か?このピリッとした木の実の味わいと薬草の爽やかな香りがバッチリだ!」

「そ、そうかな?これまではいつだれが襲ってくるかわからなくて十分に食材集めが出来なくて、今晩はもう安全そうだったから張り切って集めてみたの」

「いやぁ、ほんとに美味しいよ!外でこんなおいしい料理が出来るなんてすごいなソシア。店で出てくる食事にも負けてないよ!」

「ほ、褒め過ぎだよアレス君……///」

「いやほんと、毎日でもソシアの料理が食べたいくらいだ」

「えっ///!?そ、そんな……アレス君がそう言ってくれるなら本当に毎日料理をしてあげてもゴニョニョ……」

(わかりやすいなソシアさん……というかこれでアレスさんは何故ソシアさんの好意に気付かないんですか?)

「本当に美味しいな!私もソシアの料理を毎日食べたいくらいだよ」

(あっ、この人も気付いてないのか。優しさの代償に鈍感になる呪いでもかけられてるんだろうか)


ジョージのフォローによってソシアが作った焼き魚を食したアレスは、その味付けに舌鼓をうつ。

アレスに絶賛されたことで正気を取り戻したソシアであったが、そんな様子を見ていたジョージはこれでも告白には至らない現状に少し呆れてしまっていた。


こうして4人はほkにもソシアが作成した木の実の盛り合わせなどを食べながら、平和そのものと言えるような時間を過ごした。

談笑を交えつつ食事はスムーズに進み、すぐにソシアが用意した食事はなくなってしまった。

そうして食事後、4人がそろそろ火の始末を始めようとしたその時。

アレスがふとソシアにある質問をしたのだった。


「そういえばソシア。時間がある時に聞こうと思ってたんだけどさ、あのゲビアのアジトで最後に俺が斬ったあの男。あいつについて何か知ってることはないか?」

「え?えっと、アレス君を空高く吹き飛ばしたあの人だよね?何か知ってることって言われても……一応あの飛行船の中であの人が使ってたドーピングポーションの資料は見たけど」

「ドーピングポーションですか?」

「うん。筋力増強ポーションと超速再生ポーション。それでそのポーションの効き目を解除する薬を作ったんだけど、その薬を使った途端にアレス君たちも見たみたいな禍々しい雰囲気になったの」

「私も気になるな。船の残骸から現れたやつは明らかに異常だった。あれはいったい何だったのか……」

「……実はあいつが放ってた気配だが、俺に心当たりがあるんだ」

「本当ですかアレスさん?」

「ああ。前に話したと思うけどメーヴァレア遺跡の奥で出会った呪われたカラクリ人形。奴が放ってた気配と全く同じだったんだ」

「つまり……どういうことだ?」

「もしかすると奴と例のカラクリ人形に呪いをかけた何者かがいるかもしれないってことだ」

「……人間、でしょうか?」

「わからねえ。だが完全に勘になるけど……あれは人間に出せる質の呪いじゃねえ」

「……」


アレスがベルジュークから感じた呪いの気配。

それはかつてアレスがメーヴァレア遺跡で出会った呪いのメイド人形と全く同じものであった。

2つのまったく同じ呪いの気配から、アレスはそれらに呪いをかけた何者かがいると推測した。


「それとアレスさん。気になることと言えば僕も1つ。ステラさんと初めて出会った時に彼女、アレスさんを見てもの凄く怖がっていませんでしたか?」

「そうだ!!完全に忘れていたが私も気になっていたんだ!」

「ステラちゃんに聞く忘れちゃったね……一体なんでだったんだろう」

「いや、ちゃんと聞いてきたぞ」

「えっ!?ほんとうですか!?」


真面目な話繋がりでジョージがアレスを初めて見た時のステラの反応について話題を出す。

ステラと別れる前に聞いておくべきだったと後悔する3人に、アレスはさらっとステラに質問していたことを明かした。



『それではステラと言ったな。我らの森を案内しよう』

『よ、よろしくお願いします……』


それはアレスと別れたステラがシルヴィアに連れられレウスの森に足を踏み入れる直前のこと。


『ちょっと待ったぁ!!』

『ッ!?』

『あっ!アレスにいに!』


そのばを立ち去ったはずのアレスであったが、例の疑問をギリギリで思い出し急遽引き返してきたのだった。


『人間!!一体何を……』

『ごめんなさい!でも最後に1つだけ!ステラちゃん、俺と初めて会った時のこと覚えてる!?』

『え?あっ……』

『あの時なんで俺を見て怖がったのか、教えてくれないか?』


全速力で引き返してくるアレスに警戒心を高めるエルフたちに、アレスは全力で謝罪しながらステラに質問を始める。

アレスにその時のことについて聞かれたステラは少し申し訳なさそうな表情でアレスに話を始めた。


『えっと……私ね、普通の人よりもいろんなものが見えるの』

『いろんなもの……?』

『それでね。私のお母さんを殺したあの悪い人は、体の中に別の人のぼやぼやが見えたの』

『……?』


一生懸命理由を説明するステラに、アレスは理解が追い付かず困惑した表情を見せる。


『別の人のぼやぼや……?』

『彼女の瞳は左右で色が違うだろ?それが彼女のスキルによるものなんじゃないか?』

『っ!なるほど!』

『それで、アレスにいにからもそのぼやぼやが見えたから……アレスにいにも悪い人かもって思って、それで怖くて……』

『俺からも、別の人のぼやぼや……?』

『でもごめんなさい!アレスにいには悪い人なんかじゃなくて、私のことを助けてくれる優しい人だったから……』

『ふふっ、気にしなくてもいいんだよ』

(しかしそれが本当だとすると一体……)


「……と、いうことだったんだ」

「いや、そう言われても……どういうことだ?」

「俺もさっぱりわかんねえ。ただ、ステラが言うに俺の中にもあの男と同じように何者かの気配が宿ってるらしいんだ」


ステラも自身の目に宿る力について正確に把握しておらず、アレスは彼女が感じたことをすべて理解することはできなかった。

だが自分には何者かの魂が宿っているということ、その可能性を聞いて複雑な表情をしたのだった。


「俺にも奴みたいな呪いが潜んでいるんだろうか……だとしたらいつの日か、この呪いは俺の中から出てきてお前らに……」

「それはあり得ないな!」

「っ?」


アレスは自身の中に眠っているかもしれない呪いが3人を傷つける未来を思い浮かべ暗い表情をしていたが、それをティナははっきりと否定したのだ。


「仮に君の中に呪いが潜んでいたとして、君がその呪いに負け私たちを傷つける?そんなことあるはずがないだろう」

「そうだよ!アレス君が呪いなんかに負けるはずが無いし」

「僕らを傷つけるなんてもっとあり得ません。もちろん、僕らもそうはさせませんし」

「みんな……ふっ、ありがとな。そうだな。お前らが居ればそんなことは絶対あり得ねえ」


3人に励まされ、アレスの表情に明るさが戻る。


「さあ、それじゃあそろそろ寝るぞ。明日の夜には国境を超えることになるだろうからな」

「あっ、そういえば……僕らこの国には不法入国してましたね」

「完全に忘れてたよ。今度は穏便に帰れるといいな」

「ちなみにアレス、目的地はどこだ?」

「もちろんモルネ教会だ。シスターに無事にステラちゃんを送り届けて帰って超えたって報告しなきゃ出し」

「そうだな。私もメイドを待機させているから同行するぞ」

「私も。今度は落ち着いてシスターさんたちに挨拶したいし」

「では僕も。そのためにしっかり休みますか」


こうしてアレスたちは焚火の始末をし、エメルキア王国に帰るためにしっかりと休息を取るのだった。

アレスを連れてレウスの森からここまで移動したソシアたちはもちろん、今までの疲労が取り切れていなかったアレスも再び存分に眠りについた。

すでにアレスたちがステラをレウスの森に送り届けたという事実は裏社会では広まりつつあった。

そのためもうステラを狙ってアレスたちを襲撃する敵もおらず、アレスたちは安全にエメルキア王国に帰ることが出来たのだった。


「行きが大変過ぎたせいで帰りは拍子抜けと言った感じだな」

「勘弁してくれよ。平和が1番じゃねえか」

「そうですね。おかげでもうすぐモルネ教会ですよ」


国境を無事に越え、何事もなくモルネ教会まで戻ってきたアレスたち。

これでようやく平和な日常に戻ることが出来たと4人は安堵していたのだが……


「アレスさん!よかった、会うことが出来て!!」

「アリア?なんでお前がここに……」

「お願いしますアレスさん!私の姉さんを……姉さんを助けてください!!」

「っ!?」


モルネ教会に辿り着いたアレスを待ち構えていたのはクラスメイトのアリア。

彼女はアレスの顔を見るなり焦ったような様子で助けを求めてきたのだった。

要約ステラ編完結です。次の話はあまり長くならないと思っている(n回目)

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