ゴミを捨てたい
これ、何日かかるのかな?
あれもこれもと思うと気が遠くなる
雑巾とバケツを持ってきた主人に
(まずはゴミ捨てからよ!
ゴミ袋ある?)
[あるよ]
一枚だけ待ってくる主人に
(それで全部?)
[まだあるよ]
(全部持ってきて)
[これで足りる?]
どうみても足りない
家中ゴミ屋敷なのにゴミ袋、数枚なんて
この人、マジか?
(腐るもんじゃないし、分別もせないかんけん
ゴミ袋、買いに行こう)
お店で、燃えるゴミ袋10枚入り10袋
燃えないゴミ袋10枚入り5袋
透明のゴミ袋10枚入り5袋、購入
[こんなにいる?]
(これでも足りないかも?)
[足りんかったら、また買いに来るけん
減らさん?]
(腐るもんじゃないし、何度も買いにくる
時間がもったいないから、これでいい)
そうして家に戻り
掃除を始める
バケツと雑巾を持ってきた主人に
(それは後!まずはゴミ捨てからよ)
そう言って、ゴミ袋を渡し、ゴミを片っ端から
ゴミ袋に入れていく
[ちょっと待って!使える物は、できるだけ
使いたいから、捨てんといて!]
どう見ても、ゴミにしか見えない
いつから放置されていたのか?わからない
あちこちシミになっている服やタオルを全て
洗濯してくれと言う
仕方ないので、(何か入れるものある?)と聞くと
大量のコンテナを持ってきた
[ここに入れて]
捨てない物はコンテナに
洗濯物、拭いて使う物、直して使う物、本など
分別して入れる事になった
瓶、缶、アルミ、ペットボトルも、それぞれ別に
コンテナに入れていく
それ以外のゴミをゴミ袋に入れていく
それでも、買ってきたゴミ袋は、どんどんなくなっていく
[なんで、こんなに、ゴミあるがよ!
お袋は本当にいかんな]
確かに、お母さんが一番悪いかもしれないけど
ゴミや洗濯物は、誰がのけてもいいと思う
声を出す元気もないので黙々とゴミを拾う
そうして、3日目、床が見えてきた
一番、多かったのは、服、下着、タオルなどの
大量の洗濯物だった
コンテナに入れながら次々に洗濯機を回す
幸い、春先で天気もよく、よく乾いた
洗濯物を干すのを手伝うと主人が言うので
一緒にしてて驚いた
しわしわのまま、全く伸ばさず、塊のまま
一度もパンパンすることなく、物干し竿にかけていく
(ちょっと待って!
それでは、なかなか乾かないし生地も痛むし、
このシワになっている部分は乾かないよ、
こうやって、服の端を持って
パンパンと力いっぱい振ったら、シワが伸びるでしょう!タオルも同じよ!)
[あぁ!それでさっきから、パンパンと言っていたのか、初めて知った]
(いつもはどうしてるの?)
[ここでは修二とお袋がするし、
出張先ではコインランドリーだから干さないからね]
に、しても、見たらわかるやろ!
こんな干し方する人おらんやろ!
と、思っていたら、弟は、主人と同じように
物干し竿にかけていた
ピンチにも、皺のまま、端を挟んでいた
見ないフリ、見ないフリ、自分で自分に言い聞かせる
人と揉めない為、余計なことは言わないのが一番
先は長いのだから!
次に多かったのは、布や毛糸、糸など
昔、洋裁学校に通っていた義母の趣味が洋裁らしく
次々に買ったり、もらったりして、
紙袋やレジ袋に入ったまま、その辺に放置している
もちろん、剥き出しのまま、何かに埋もれていたのもある
それらをどこからともなく出してきた
クリア衣装ケースに入れていくと全部で8箱もあった
押入れから、タンスを出し、そこに収納する
タンスの中も気になったけど
とりあえず、足元のゴミ達が先だ
本当は洗濯してからの方がいいのだろうけど
趣味なのだから、ここからは、本人の責任で
なんとかしてもらおう