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0006. ギルドで冒険者登録する

 やっと町に向かうことができる。周りはだいぶ町に向かっているので、入口付近はちょっとした渋滞になっていて出遅れ感があるが、しょうがない。早く行って並ぼう。


 町に入るときは定番のトラブルも無く、スムーズに入ることが出来た。まさかNPCのみんなに神託があり、私達が『神々の尖兵見習い』って位置づけになっているなんてね。ちょっとびっくりしたよ。まぁ、そういうことじゃないと町の人からしたら、プレイヤーが死んで蘇ってたら、ゾンビかヴァンパイアかの魔物だと思うし、恐怖の対象になるのは、間違いないからね。

 さて、とりあえず無事に町には入れたので、何はともあれ、冒険者ギルドに一直線だね。早く狐火ちゃんを召喚しなければ。いつまでも待たせるわけにはいかないし、待ちきれないよ、私が。

 狐火ちゃんとゆっくりと町の散策をしたかったのに、アイツのせいでそれもできなくなっちゃったし、ホント余計なことをしやがって。


 冒険者ギルドは、町の中心から少し外れたところにあった。町の各門から歩いてちょっとのところにも、冒険者ギルドの出張所みたいなのはあるらしいのだが、そこは常設クエスト受付とその報告受付、魔物の素材買い取りぐらいしかやってないそうだ。それ以外は、町の中心近くのギルド支部に行く必要があると言われたのだ。

 20-30分くらい歩くと、やっと冒険者ギルドの支部が見えてきた。これは、各門の近くに出張所が無いと不便なのは、一目瞭然だね。まぁ、まずは中に入って、冒険者登録だ、とっとと済ませちゃおう。

 冒険者ギルドの建物は、和風の作りなんだけど、洋風の要素がある感じ、表現は難しいが和洋折衷の明治時代の建物な感じかな。中に入ると、それなりに混んではいるが、ごった返すまではいってないので、普通に受付に並んで待つことにする。

 並んで待っていると、職員の方に声をかけられた。

「本日、冒険者登録で来られた方ですか」


「はい、そうです。冒険者登録をして、その後、幻獣を召喚したいのですが」


「そうですか、本日は冒険者登録する方が多いので、先にこの冒険者登録の書類を書いてもらってから、並んでもらえますか。

 あと幻獣召喚をしたいのであれば、登録後、訓練場で職員立ち会いのもとに実施してもらいますので、このカードを受付にお渡しください」

 書類とカードを受け取って、隅にあるテーブルで書類を書いて列に並び直した。


「次の方、どうぞ~」

 呼ばれたので、受付の前に行く。定番の若い受付嬢ではなく、私と同じくらいの20代半ばの男性であった。


「冒険者登録をお願いしたいのと幻獣召喚をしたいのですが」

 さっき記載した書類を渡しながら、要件を手短に伝える。


「はい、ありがとうございます。まずは書類を確認しますので少々おまちを。その間に幻獣召喚の準備を致しますので、カードをこの小箱の中に置いていただいても良いですか」

 渡してもらったカードを小箱の中に入れて受付の方に渡す。そうすると、カードの色を見て、ギョッとした顔をして、急いで立ち上がって奥に行ってしまった。あまりのことにちょっと呆然としていると、窓口の奥にいた受付嬢らしき人から声をかけられた。

「クラッガが突然席を立ち、失礼しました。冒険者登録の手続きは私が代わりますので、よろしくお願いします」


「はぁ、それは良いのですが、クラッガさん?は大丈夫なんですか。なんで急に立ったのか、わからないですが、失礼なことでもしたのでしょうか」


「そのようなことはありませんよ。クラッガは受け取ったカードの色を見て驚いて、支部長に報告に行っただけなのでお気になさらず。逆に説明せず、居なくなったクラッガが悪いので、あとできつくきつく注意しておきますので、許してやってください」


「あのカードの色、そんな大事(おおごとなのですか?さっき並ぶ前に職員の方から受け取っただけなのですが」


「あのカードはカードを触ったその人が持つ召喚されていない幻獣の最高神格を簡易的に確認できるアーティファクトなんですよ。たぶん、クラッガが今までに見たこともない色だったので、びっくりして支部長のところに飛んでいったんだと思いますよ。あのバカは」


「あぁ~、そうなんですね。そうすると、うちの子が神格が高いことがバレちゃったんですね。はぁ、仕方ないか。ところで神格が高い幻獣を連れていると何か制約などはあるのですか」

 ちょっとさっきの緊急連絡のことがあるので、あまり目立ちたくはなかったのだが、しょうがない。


「大変申し訳ありません。この件については支部長より、必要な補償をするように伝えておきます。それと神格が高い幻獣を連れていて何か制約はございませんのでご心配なさらず。

 最後に冒険者登録が済みましたので、このカードの本人登録をお願いします。こちらの水晶球に触っていただきながら、カードに登録しちゃいますので」

 右手で水晶球を触ってみる。これは指紋と静脈認証の登録なのかな、それとも魔法がある世界だから、魔力の動きを登録してるのかな。ちょっと興味があるが、また今度にしよう。


「これで冒険者登録と冒険者カードの本人登録は以上になります。カードの詳細内容は本人と冒険者ギルドしか見れませんので、ご安心を。幻獣召喚は支部長とお会いしてから、移動して始めることになると思いますので、右手奥にある個室で少々お待ちいただけますか。」

 カードの内容を確認しながら、教えてもらった個室に向かい待つことにする。早く狐火ちゃんに会いたいのに、なぜ、こうなった、はぁ。


【冒険者カード】

所属:冬早国

名前:琴音

職業:見習い冒険者Lv0

スキル:幻獣理解(冬早)Lv0、幻獣料理(冬早)Lv0、

    魔導具製作Lv0、採集(冬早)Lv0、調合Lv0

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