過去とサイコ
西園寺:まったく…本当に自由で自分勝手だ。さてと紅茶のおかわりを入れようか
0:西園寺がポットとカップを手に取ったタイミングで導がトイレから出てきた
西園寺:やぁ、随分と長かったね。無能刑事は先に出ていったよ。紅茶のおかわりを飲んでから行く…
導:動かないで下さい
0:導は静かに銃を西園寺に向ける
西園寺:おっと、これはどういう事かな?先程の発言が気に入らなかったと見える
導:余計な事は喋らないで、早く両手をこちらに見えるように上げて下さい
0:西園寺はポットを置いて両手を上げる
西園寺:…これで良いかね?だがようやく目が合ったね
導:そんな事はどうでも良いっ!私の質問に答えて下さい!
西園寺:何なりと
導:あなたがお姉ちゃんを死に追いやったんですか?
西園寺:お姉ちゃん?
導:とぼけないで!忘れたとは言わせない!東条 燈よ!あなたが殺した最初の犠牲者よ!
西園寺:…よく覚えているさ。でも殺したのはボクじゃない
導:まだ、とぼけるつもりですか?お姉ちゃんはあの日あなたのクリニックに行って、そのあと飛び降り自殺したのよ!あんなに強かったお姉ちゃんが自殺するなんて考えられない!あなたが何かしたんですよね!
西園寺:あぁ…彼女は強い人間だった。だからボクも自殺だなんて考えていない。それに彼女はボクのクライアントではない
導:なら、どうしてお姉ちゃんはアナタのクリニックに行ったんですか!しかも定期的に通っていたっていう話ですよ!
西園寺:燈とボクは恋人関係だった
導:適当な事を言わないでください!そんな話聞いた事ないです!返してください!お姉ちゃんを!私たちの夢を!
西園寺:夢…?
導:そう、お姉ちゃんの夢で私たちは美人姉妹警官として町を守るんだって、この町の発展の為に頑張るんだって…約束したのに…
0:その時扉が開き、武藤が戻ってくる
武藤:お、おいっ!何やってるんだ!東条!お前自分が何をしてるか分かってるのか!
導:武藤さん…止めないで下さい!私がこの殺人犯を殺します!私はその為に刑事課に入ったんですから!
西園寺:という勘違いをしているのだ。すまないが止めてもらえないか?
武藤:ったく、しょうがねぇな。やめろ東条!今すぐ銃を下ろせ!
西園寺:邪魔しないで下さい!…!?
0:武藤のスタンガンを当てられその場に倒れる導
武藤:だからやめろって。お前の銃でサイコ野郎を撃ち殺すと…俺の計画が崩れるんだよ
導:む、武藤…さ…んっ…?
武藤:ほーほー!意識を保っていたか!さすがタフだな!そのタフさは姉ちゃん譲りか?
西園寺:どういうつもりだ武藤刑事?
武藤:そうだな分かりやすく教えてやるよ!お前ら2人も殺す!
西園寺:も、だと?
武藤:そうさ!そこの小娘は勘違いしていたみたいだが、俺が東条燈を殺した!自殺に見せかけてな!
導:な、なんで…そん…な事…を…
武藤:簡単な話だ!俺をフッて、そこのサイコ野郎と付き合っていたからだよ!だからよぉ、殺す前に犯しまくってやったよ!まぁ…証拠が残ると良くないからナマでは出来なかったけどな!
導:たった…それだけのコトで…
武藤:あぁ!お前らからすれば、たったそれだけかもな!でもよぉ、そこのサイコ野郎も言ってただろ?『たったそれだけの事でなんとやら』ってな!
西園寺:最低なクズめ
武藤:何とでも言いやがれ!じゃあ、まずお前を殺す!それからこの女をぶち犯してぶち殺す!そして罪を全てお前に被せて事件解決だ!
0:武藤は銃口を西園寺に向け、近付く
西園寺:…だが、全て自供してくれたな。中々に良かったよ
武藤:何言ってやがる!負け惜しみは、あの世で後悔しながら唱えやがれ!
西園寺:では、もう一度確認しようか?
0:その時、後ろから武藤の声が流れる
武藤:俺が東条燈を殺した!自殺に見せかけてな!
導:武藤さん…いえ、武藤容疑者!もう言い逃れは出来ないですよ!
0:武藤の後ろで銃とレコーダーを向ける導が流したものであった
武藤:はぁ?お、お前なんで動けるんだ!超高圧電流だぞ!?
導:西園寺さんのおかげです。やはり西園寺さんが言っていた事は正しかった
武藤:…っ!このサイコ野郎が!
西園寺:さて、ホントのサイコ野郎はどっちかな?無能容疑者?