30人殺したサイコカウンセラー
0:カードキーを当てると電子音の後、鍵が解錠された音が響く。そして扉を引いて中に入る。
0:すると長髪で細身の男性が座り心地の良さそうな椅子に座っていた。部屋の中はまるで社長室を思わせるような作りをしていたが窓は一切なかった。
西園寺:やぁ待ってたよ。無能刑事、そして麗しきお嬢さん。ボクが西園寺弧涼だ。お名前を伺っても?
導:初めまして、私は東条導と申します。若輩者ですが以後お見知りおきを
西園寺:東条…導…ね。その名前しっかり覚えたよ。これからヨロシク。でも中々に視線が合わないのは残念だね。無能刑事の入れ知恵かな?
武藤:何がヨロシクだよ!相変わらず偉そうに座りやがって、この部屋だって社長室かよ!少しは身の程をわきまえやがれ!サイコ野郎!
西園寺:無能刑事も相変わらずだね。その不躾な言葉遣いを改めてたまえ。だから中々に彼女が出来やしないのだよ
武藤:てめぇ…!
西園寺:そんな事より、お嬢さん。ボクの名刺をあげよう。ケータイのアドレスと番号が書いてあるレア物だよ
導:(名刺を受け取る)あ、ありがとうございます
0:名刺のおおまかな内容
0:名前『西園寺弧涼』
0:電話番号『0x0-1421-xxxx』
0:アドレス『swing-after-cometrue@…』※wgcの三文字だけ文体が違う
武藤:そのケータイは一切使えないのに何考えてやがるんだサイコ野郎!
導:使えない?
武藤:そうだ。この部屋は特殊な作りをしていて電波を一切通さない、だから通信関連は全て有線のみってわけだ
西園寺:そうじゃないとボクの監視が大変らしくてね。中々に残念だ。…でも人の作った文字の羅列と数字には必ず意味がある。覚えておきたまえ
導:…分かりました。あの…この文字のフォントが違うのは…
武藤:そんな事より資料を見ろ!おいっ東条!サイコ野郎に資料をわたせ!
導:…はい。西園寺さん、こちらが今回の連続婦女暴行事件の資料です
西園寺:ふむ。では見せてもらおうか。ボクは紅茶のお代わりを淹れるがキミたちも何か飲むかね?ボクのオススメはこのダージリンだけど、いかがかな?
武藤:俺は紅茶なんてシャレたもんはいらねぇ!いつも通りブラックコーヒーだ!
西園寺:相変わらず品がないね、お嬢さんは紅茶で良いかい?
導:…お構いなく。それよりも早く目を通して頂けますか
西園寺:焦る必要なんてないさ。今焦った所で事件は起きやしない
武藤:ふざけるのも大概にしろサイコ野郎っ!今すぐテメーをぶち殺しても良いんだぞ!
導:武藤さん、それはさすがに問題発言では…
西園寺:まったく、本来なら脅迫罪で責任を取ってもらう必要があるのだが…この部屋にはカメラもボイスレコーダーもないものだからね。中々に残念で仕方ない
武藤:当然だろ!凶悪な殺人犯に洗脳されてたまるか!
導:西園寺さん、資料を見る気がないなら私が読みましょうか
西園寺:ほぅ…お嬢さんが読んでくれるのかね。これは美味しい紅茶が頂けそうだ、是非お願いするよ
武藤:おい東条っ!そこまでする必要ないぞ!コイツを調子に乗らすな!
導:でも、早く解決の糸口を見付けないと…また被害者が…
武藤:…ちっ、分かった!好きにしろ!
西園寺:それは中々にありがたい。…そうだ、お礼ではないが1つゲームをしよう
武藤:はぁ?ゲームだ?俺らはこれ以上お前のお遊びに付き合う余裕なんて…
西園寺:ボクの問に正解する度にボクの罪を告白しよう
武藤:なっ!?ホントかサイコ野郎!
西園寺:あぁ約束しよう。お嬢さんはどうかね?
導:分かりました、お願いします
西園寺:うむ。では犯行時刻と被害者女性の年齢と職業だけ教えてくれ
導:えっ、それだけで良いんですか?
西園寺:あぁ。もし気になることがあれば、その都度質問する