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【連載版】嫌われ者の公爵令嬢。  作者: 池中織奈
本編

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13/55

12.私は長期休みを友人と過ごす

 冬の長期休みがやってきた。

 去年と同じく、私は一人寂しく過ごす予定だったのだが、今回は違う。



「ふふ、オーリーの家に案内してもらえるなんて嬉しい! お父様は心配していたけれど、オーリーは素敵な人だって力説しておいたわ。学園ではオーリーといると、変な事を言ってくる人が多いから図書館でしか話せないけど、こうしてオーリーの所で話せると思うと嬉しいの」

「俺もご同伴が許されて嬉しいよ。オーリーを我が国に連れて行く相談もしたいしね」




 今回はナーテとイフムートも一緒である。




 イフムートに関しては、両親と話して私が卒業後に隣国に行くための相談を本気でしてくれるらしい。ミロダは私が隣国に誘われていることを知って喜んでいた。

 ちなみにお兄様はやっぱり私に会いたくないのか、領地に帰ってくる気はないらしい。イフムートはそれを聞いて、私の実家に来ることを決めたようなので、もしかしたらイフムートはお兄様とも顔見知りな関係なのかもしれない。




 それにしても第二王子やお兄様たちと知り合いかもしれない……そういう立場なのに、イフムートは私と一緒に居ていいのだろうか?

 ナーテに関しては、第二王子達から誘われたらしいが、なんとか断ったらしい。ナーテへの王子様たちの執着はまだまだ続いていて、ナーテは大変そうだ。





「私も学園の友達と一緒に過ごせるのが嬉しいわ」



 お父様とお母様もきっと喜んでくれるだろう。



 私が学園で一人で過ごしているのをお父様たちも気に病んでいたから。

 そして屋敷に着いて私が学園の友人としてナーテとイフムートの事を紹介したら、なんだか両親も使用人たちも涙ぐんでいた。





「お嬢様が、学園の友人を連れてくるなんて!」

「めでたい!」

「ようやくお嬢様の事を見てくれる見る目のある方が!!」



 使用人たちは狂喜乱舞していて、いつも以上に張り切っていた。





「良かったわ。貴方の事を分かってくれる方がいて、貴方がこうして友人を連れてきてくれるなんて……っ」



 お母様なんて大泣きしていた。




 本当に申し訳ない気持ちで一杯だった。

 私が悪評ばかりで、誰とも親しくしていないことをお母様は心配していただろうから。





 何だか特別な長期休みだった。

 だってお友達が家に滞在しているなんて初めての経験で、私はワクワクして仕方がなかったのだ。





「オーリー、寝不足?」

「……友達が家に滞在しているのが嬉しくて」

「オーリー、可愛い!! 私と沢山、仲良くしようね!!」




 ナーテは私が楽しみで仕方がなくて寝不足なのを見て、そんなことを言っていた。ナーテの方が可愛いと思うのだけど……。私は両親や使用人たち以外には可愛げがないって言われているし。




 領地にいる間に、街にも三人で出かけた。

 平民の友人たちは、私が学園で友人が出来た事にほっとしていた様子だった。皆、心配してくれていたんだなぁと思うと、何だか温かい気持ちになった。




 私は王侯貴族達には嫌われているけれど、周りの人に恵まれていると思う。私は私に笑いかけてくれる皆が大好きだ。

 そういえば滞在中にイフムートは私の卒業後の話を相談してくれていた。両親も私がこのままこの国にいるよりも、他国に行った方が幸せになれるのではないかと思ってくれているらしい。




「良い話だ。この国ではオーリーが生きにくいからな」

「オーリーは平民となって私たちに関わらずに生きていくなんて言ってますけれど、私は是非ともオーリーには幸せになってほしいのですもの」



 両親はにこにこと笑ってそんなことを言っていた。



 突然娘が連れてきた友人の事を信頼しすぎなのではないか? と人の良い両親に少し心配になったけれども、もしかしたら両親はイフムートの事を知っているのかもしれないと思った。

 でも正直、イフムートが平民だろうが、貴族だろうが私にとっては大事な友人であることは変わらないので、どちらでもいいと思っている。



「オーリー、着実に外堀を埋められている気がするけれど大丈夫?」

「外堀って何が?」

「隣国に行ってイフムート様のお世話になる外堀よ」

「それは私も願ってもないことだから問題ないわよ?」

「ええと、そういうことじゃないのだけど。ぽかんとした顔のオーリーは本当に可愛いわね。でも人前の凛とした公爵令嬢としてのオーリーもとても素敵よね。平民の方たちに聞いたのだけど、オーリーに守ってもらったと言っていたわ」

「……ああ、そんなこともあったわね」

「その時のオーリーがとてもかっこよかったって、キラキラした目をしていたわよ」



 そんなことをナーテに言われて不思議な気持ちになった。かっこよかったなんて言われても、私は私のやりたいようにしているだけだから。



「今度、彼女たちの勉強も見てあげられない?」

「……私と一緒に居たらその子たちが大変だわ」

「だから目立たないように。いつもの図書館で、人目につかない場所でちょっとした勉強会するぐらいいいと思うのよね」

「……その子たちに迷惑をかけないのならば」

「ふふ、その辺はイフムート様が手回ししてくれるから大丈夫よ」





 それにしてもすっかりナーテとイフムートも仲良しになったわね。でもナーテはイフムートを様付けにするのはやめないのよね。なんか様付けしなければならない雰囲気でも感じているのかしら。

 イフムートに私も様付けの方がいいかと聞いたらそれはしなくていいと言われたけれど……。





 そんなこんなで冬の長期休みを私は楽しく過ごすのであった。

 こうして友人達と一緒に過ごせることが本当に嬉しかった。


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― 新着の感想 ―
これでイフムートが魔王とか侵略する帝国の間者なら拍手するんだけどな。 利用しがいのある高位貴族の令嬢に素性のわからない男。用意された舞台
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