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18話 ネクロマンサー

 翌日も引き続きブランドン墓地でリビングデッド狩りを行うことにした。

 モノは既に収穫済みなので、月光草の群生地に行き袋を回収し、ブランドン墓地へ向かう。



 ***




「……何か増えてね?」


 ブランドン墓地に着いたのは良いが、何かがおかしい。

 昨日倒したリビングデッドの数は約200匹。かなりの数を倒したおかげで、昨日帰還する頃にはだいぶ見晴らしがよくなっていたのに……帰った時よりだいぶ増えている気がする。

 下手したら昨日ここに来たときと同じくらいいるんじゃないかこれ。


「原因を解決しないと、増え続ける一方なんじゃ?」という疑問が頭によぎる。


 とりあえず昨日と同じ要領で倒していく。

 ウィンドのおかげでサクサク倒せるため、レベルはあっという間に23になった。

 ただ、合計500匹近く倒したはずなのに、リビングデッドはまだまだ沢山徘徊している。


 持ってきた月光草をほぼ使い切ったので、原因の調査のためブランドン墓地を探索する事にしよう。ゲームであれば、この状況は経験値が無限に湧いているボーナスステージだ。原因なんて特定せずに、ひたすらレベル上げすればいい。

 だが、この世界では人命がかかっている。「ゲーム感覚のつもりでいたらうっかりファンデ村の村人が殺されました」なんてことになったらシャレにならんからな。気を引き締めないと。




 ***





 狩り残したリビングデッドの目をかいくぐりながら探索すると、墓地の奥の方に古ぼけた祠を発見した。

 しばらく観察しているとそこから一定間隔でリビングデッドが出てきている事がわかった。

 祠の中には地下に続く階段があるようだ。


「これは……ダンジョンなのかな? ゲーム時にはこんな所にダンジョンは無かったけれど……」


 ここからリビングデッドが出てくるということは、リビングデッドの発生原因はまず間違いなくこの中にあると思って良さそうだ。

 中に入って様子を確認してみるしかないな……。




 階段を慎重に降りた先には、細長い通路が続いていた。

 だが明らかに様子がおかしい。ブランドン墓地は無人のはずなのに、壁には燃えあがる松明がかけられている。

 警戒しながら通路を奥に進むと、天井の高い広間に出た。


 広間から話し声が聞こえてくる。

 物陰からゆっくりと覗き込むと、広間の中心には魔法陣と、2つの影。


『クソ、何故兵が減ってイル……』

『我ガ来たカラには問題なイゾ兄弟。減っタ数以上ニ召喚すれバイイ話ダ』

『アア……そうダナ……』

『モウすグ兄者も来ル。数ガ揃いシダイ、アノ村を滅ぼスゾ……』

『アア……』

『冥府ニて彷徨えル魂ヨ……我ガ下僕とナリ蘇レ……サモン……リビングデッド!』



 何者かがリビングデッドを召喚していた。


 (……あれは……ネクロマンサーか?)


 ――ネクロマンサー

 ゲーム中盤以降に出てくる、アンデッド系の魔物を召喚し使役する魔物だ。


 (2匹なら23レベルの魔法使いでもソロでなんとかなるが……今殺るか?)


 ネクロマンサーはアンデッドを召喚するが、ネクロマンサー自体はアンデッドではないため聖魔法や薬草系のアイテムでダメージは与えられない。そのため月光草で瞬殺するというのは難しいが、奴らは打たれ弱いという特性があるため前衛がいないネクロマンサーは大した相手ではない。不意打ちをかければノーダメージで倒せるはずだ。

 なんとかいけるだろうと判断し、攻撃に出ることにする。


 先手必勝だ!! と飛び出そうとしたが……


 (うおっ!!)


 飛び出す寸前の所でネクロマンサー以外の魔物を発見し、踏みとどまった。


 (あれ……ミスリルゴーレムじゃん……)


 ネクロマンサーの奥には、ネクロマンサーを守護するかのようにミスリルゴーレムが鎮座していた。

 ミスリルゴーレムはゲーム後半に出てくるような魔物で、はっきり言って強い。

 さらに厄介なことに、ミスリルゴーレムは低位の魔法攻撃を一切無力化する。

 つまり他の職のスキルを持っていない、ただの魔法使いの今の俺では成すすべがない。


 ……これはまずい、早くマルセルに報告しなければ。



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