14話 犯人確保
無事日暮れ前に帰ってくることができた。
あの後帰り道に3体のリビングデッドに遭遇したが、倒してもレベルは上がらなかった。やはりレベルが上がってくるとレベルは上がりにくくなるなぁ。
そうだ、マリアに魔法を教えてもらっていいか、親であるマルセルに確認せねば。
冒険者ギルド出張所に向かうと、マルセルが表に出ていた。
見えるのはマルセルの姿と……なんだあれ。
「おうツバサ! 犯人を捕まえたぞ!!」
「えっ……えっ?」
「以前の夜起きた事件の犯人だ! これで今日からは安心して寝れるぞ!」
「へ?」
近づいてみると、猪のような魔物がギルドの前に倒されていた。こいつはゲームの序盤によく見たなぁ。確かにワイルドピッグだ。
「討伐しない限りいつまでも警戒しないといけないからな。待つのは性に合わねえから、今日山の方に行ってこっちから攻め込んでやったよ!」
哀れなワイルドピッグは無実の罪でこのいかついガチムチに攻めこられたらしい。
胸が痛いよ俺は。
「こ、これ食べるんですか?」
「いや、食べないぞ。不味いからな」
(食べたことあるのかよ……)
気を取り直し、用件を尋ねる。
「お、おつかれさまでしたね。ところで明日マリアちゃんに魔法を教わってもいいですか?」
「お、いいぞ。 あいつは俺の元パーティの魔法使いから教わってるから、基礎はきちんとしているはずだ」
ほう、元S級に教わっているのであれば期待が持てそうだ。
「元S級冒険者が先生ってことですか? それはすごいですね」
「だろ。個人的には、魔法だったらこの国で一番の使い手だと思うぞ。そいつは王都にいるから、王都に行く事があったら訪ねてみるといい。お前も魔法使いなら興味あるだろ」
「はい。ありがとうございます。そういえばマリアちゃんって何レベルなんですか?」
「半年前に王都で確認した時は8レベルだったな。レベルが上ったら喜んで報告してくるはずだから、まだ8じゃないか」
マリアは8レベルらしい。この世界で8が高いのか低いのかわからんな。なんとなくだけど、あの年で8だったら高い気がする。
「ちなみにマルセルさんは何レベルなんですか?」
「俺は41だ。職は戦士だな」
「へぇ〜」
やっぱりおかしい。マルセルは元S級冒険者と言っていた。41レベルであればそこそこのモンスターと戦えるが、まだ1次職である戦士というのはおかしい気がする。上級職とは言わないまでも、せめて2次職でもおかしくないだろう。
「2次職は目指さないんですか?」
「2次職だぁ? お前記憶が無いはずなのに何でそんな事知ってるんだ? さては魔族だな?」
「えっ」
「ハッハッハッ! 冗談だ! 2次職なんてよく知っているな。俺の知ってる限り、2次職の奴なんて、エルフの里の長くらいだ。」
「エルフの里の長……?」
「ああ。マイスターズのエステルならよく知ってるんじゃないか? エルフの里はあいつの生まれ故郷だからな。興味があるならあいつらが帰ってきた時に詳しく聞いてみろ」
「なるほど……」
興味深い情報だが、エステルが帰ってこないことには何にもわからんな。
彼らが帰ってくるまではレベル上げと魔法の使い方の習得に集中しよう。
***
翌日、マリア先生はとんでもない脳筋教師だったことが判明した。
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