13話 草を投げつけるだけの簡単なお仕事です
今日からいよいよ本格的にレベル上げをして行こうと思う。
守護者のネックレスのおかげで守備力をだいぶ上げられたから、1人でもおそらく危機的な状況に陥るということはないだろう。
ブランドン墓地はファンデ村から歩いて2時間ほどの距離だ。
狩りに何時間かかるかはわからないが、向こうで数時間狩りをしたとしても日暮れまでには帰ってこれる。
マリアも今日は母親ナターリアの手伝いをしないといけないらしいから、昨日のようにブチ切れられることはないだろう。
日が暮れるまでに帰還できないとマルセル達を心配させてしまうので、急ぎ足でブランドン墓地に向かう。ゲームだと3秒くらいで移動できる距離のはずなんだけどな。
ただ、心なしか疲労が少なかったため、休憩せずに移動できた。若返ったせいなのか、レベルが上った影響なのかどちらなんだろう。
ブランドン墓地まであと20分くらいの距離までたどり着いた時、1匹目のリビングデッドを発見した。
「お、いたいた。ホイッ」
袋から月光草を取り出し投げつける。
月光草が当たるとリビングデッドが崩れ落ちる。ほんとこの仕組み不思議。
月光草の群生地で採取してきた月光草は約100個。リビングデッドをざっくり100匹くらい狩れる計算だ。ガンガンレベルを上げてくぞ〜。
ブランドン墓地に近づくに連れ増えていくリビングデッドだっただが、日中の動きの遅いリビングデッドに苦戦することは全く無かった。
結局ブランドン墓地に着くまでに16体ものリビングデッドを狩ることに成功した。
***
「うわぁ……めちゃくちゃいるじゃん」
ブランドン墓地に到着したものの、予想を上回る数のリビングデッドが徘徊していた。
「確かにこれだけいたらダンテが言っていた通り、500匹いてもおかしくないな……」
さすがにこの数のリビングデッドに囲まれたら、月光草を投げつけるのが追いつかなくなってやられてしまう。ストックも心配だしな。石を投げてこちらに気づかせて誘導し、1匹1匹釣っていくことにしよう。
コツッ
「グァ……!? グァ!!」
「ホイッ」
コツッ
「グァ……?! グァ!!」
「ホイッ」
石を投げつけ、気づいてこちらに近づいてきたリビングデッドにさらに月光草を投げつける作業をひたすら繰り返す。
単純作業なんだが、この単純作業が逆にゲームっぽいな……。
たまに訪れるレベルアップの感覚が心地よい。
無心になってリビングデッドに投げつけていると、月光草のストックが無くなりそうなことに気がついた。もうそんなに倒したのか……。周りを見渡すと、倒されたリビングデッドの山ができていた。
一旦退避し、レベルを確認することにする。
****************
レベル:13
体力 :35
魔力 :67
攻撃力:14
守備力:17(+40)
俊敏性:26
魔練度:58
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お、おお……2時間も経たないうちに10レベルも上がってしまった。
これは……マイスターズが討伐隊を引き連れて戻ってくる前に殲滅できるんじゃないか? このリビングデッド、全部倒したら何レベルまで行くんだろう。楽しみだな。
月光草はまだ少しだけあるが、もし帰りにリビングデッドに遭遇したら月光草があったほうが良いし、そろそろ引き上げるか。
しかしそろそろ魔法を使っていきたい。やっぱりマリアに習おうかな。
帰ったらマルセルに、マリアに魔法を教わっていいか聞いてみよう。
そんな事を考えていた、その時。
――ッ!?
ねっとりとした視線を後方から感じ、反射的に振り向く。
しかし後ろには、ブランドン墓地に続く森が静かに広がっているだけだった。
嫌な予感がしたので、急ぎ足でファンデ村に戻ることにしよう。
しかし何だったんだろうな……今の。
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